新しい生活様式を提言するのならオリンピック止めたら?

政府、厚労省は、新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえ、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました。(ここ参照)

新規感染者数が限定的となり、対策の強度を一定程度緩められるようになった地域であっても、再度感染が拡大する可能性があり、長丁場に備え、感染拡大を予防する新しい生活様式に移行していく必要がある。

としています。これに伴い、各団体が様々なガイドラインを作成しているようです。(ここ参照)

面白いのは全国麻雀業組合総連合会のガイドラインです。

全自動マージャン卓にあっては、対面する人の距離が 1mであることから、遊技に際し、
イスを後ろに下げるなどして、対人距離(側面に座る者との距離も含む。)を確保(でき
るだけ2m)する。これらの方法により対人距離を確保できないことが見込まれる場合
は、アクリル板や透明ビニールカーテン等により遮へいする。

笑えます。イスを後ろに下げたら自分の牌を触ることも難しそうです。アクリル板があったら手を伸ばして牌を取れません。

私は電子書籍があまり好きではなく、今でも本屋さんで本を買っています。当然、手に取り、あらすじなどを参考に小説を買ったり、その他の本でもパラパラと中身を見て、面白そうであれば買います。また、雑誌をちょっと立ち読みして、必要そうであれば買うこともあります。

しかし、日本書店商業組合連合会のガイドラインでは、そんな書店の本の買い方ができなくなる可能性があります。

書籍・雑誌等の立ち読みについて、自粛の呼び掛けや必要に応じてひもかけ・バンド等の使用を行う。

可能な限り購入しない品物への接触を避けること。

と書かれています。触った本は買え!ということでしょう。難しいですね。電子書籍に移行しなければならないのでしょうかね?

映画館や外食産業も座席数を大幅に減らさなければならないので、恐らく単純に売り上げは3分の1程度になってしまうので、この「新しい生活様式」を実践するのであれば、経営は成り立ちません。どれだけの人や店が実践するのでしょうかね?実践したら多くの街はどんどん衰退してしまうでしょう。

コンサートも会場はガラガラで声も出せません。アイドルグループの握手商法も難しくなります。

さらに、スポーツイベント関連のガイドラインを読むと、参加者が運動・スポーツを行う際の留意点として、次のように書かれています。

① 十分な距離の確保
運動・スポーツの種類に関わらず、運動・スポーツをしていない間も含め、感染予防の観点から、周囲の人となるべく距離(※)を空けること。(介助者や誘導者の必要な場合を除く。)
強度が高い運動・スポーツの場合は、呼気が激しくなるため、より一層距離を空ける必要があること。また、水泳時などでマスクをしていない場合には、十分な距離を空けるよう特に留意をする必要があること。
(※)感染予防の観点からは、少なくとも2mの距離を空けることが適当である。

これを普通に考えるなら、今後は接触するスポーツは長期間にわたりできないことになってしまいます。レクリエーションのスポーツではないアスリートのスポーツはほとんどが強度が高く呼気が激しくなります。柔道や相撲やレスリングなどの組み合うスポーツは完全に無理でしょう。バスケットやシンクロナイズドスイミングなども難しいでしょう。陸上や水泳はコースを一つずつ空けて行うしかなくなります。そうすると1度に競技ができる人の数が半分になります。試合の時間などが大幅に増加します。

観客の管理
スポーツイベントに観客も参加させる場合には、観客同士が密な状態とならないよう、必要に応じ、あらかじめ観客席の数を減らすなどの対応をとることが求められます。また、大声での声援を送らないことや会話を控えること、会話をする場合にはマスクを着用すること等の留意事項を周知することが必要です。

と観客も減らさなければなりませんし、応援も禁止です。今後スポーツ観戦という娯楽は衰退していくのかもしれません。スポンサーも激減する可能性もあるでしょうし。スポーツ選手が夢の職業ではなくなっていくかもしれません。

このような「新しい生活様式」を国が公表することは構いませんが、これに従って民間や個人が行動しなければならなくなるのであれば、まずは「オリンピックの中止」を早々に宣言すべきでしょう。無観客で、屋外競技のみであれば、可能性が無いわけではありませんが。「新しい生活様式」を実践するとしたら、オリンピックのような最大級のイベントが開催されるなんて夢のまた夢の状態です。

ワクチンを期待しているのでしょうかね。確かに現在100以上のワクチンが開発中です。しかし、ワクチンはこれまでもそんなに簡単にできませんでした。常識的に考えれば1年後にワクチンができていることでさえ難しいと思います。もしできていても世界中に供給できている可能性はほとんどないと思います。人口は77億人がいるのです。そして、世界での人種の違いや、BCG接種の違いなど、感染力や重症化などに差があるとしたら、アジアの国は後回しになる可能性があります。

さらに、ワクチンの接種の国内の優先順位は、患者の診療に直接従事する医療従事者、社会機能の維持に関わる者、その後基礎疾患のある人や妊婦、そして幼児や小学生、中学生、高校生、など順に拡大していき、健康な成人は一番最後の最後になります。(ここ参照)

アスリートのような健康な成人が接種できるようになるまでには、国内のワクチン接種開始から半年以上かかる可能性もあります。今年中にワクチンができ、かなりの量産体制にならないと、オリンピックまでに世界中のアスリートがワクチン接種できる可能性は無いと思います。

東京オリンピックが来年開催できるためには、この新型コロナウイルスがSARSやMARSのように夏で消えてなくなること以外、無理だと思います。この奇跡に日本の政府や東京都は賭けているのでしょうか?しかし、もしかしたら消えるかも?

でも、「新しい生活様式」って本当にすべて必要なのでしょうか?そして実践可能なのでしょうか?すぐに絵に描いた餅化しそうです。人間ですから。

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