摂取エネルギーの25%の果糖は中性脂肪を増加させる

現在の日本人の1日の砂糖摂取量ははっきりした数字はわかりませんが、1日の摂取エネルギーを1,800kcalとすると、その60%程度が糖質です。つまり1,080kcal、270gです。その中で砂糖、特に果糖がどの程度を占めるのかは不明です。

アメリカの食生活の2010年のガイドラインでは、エネルギー摂取量の25%までの砂糖を許容しているそうです。この25%をブドウ糖、果糖、高果糖コーンシロップでそれぞれ摂取したらどのようになるのでしょうか?(図は原文より)

図はエネルギーの25%をブドウ糖、果糖または高果糖コーンシロップ(HFCS)で2週間摂取したときの中性脂肪値の変化量です。面白いことに、中性脂肪のTGスパイクは二峰性です。3食食べているのに。恐らく朝食と昼食の間隔が短すぎるのでしょう。このことからも1日3食も必要ないことが示唆される気がします。

Aのブドウ糖は大きな変化が認められません。Bの果糖、CのHFCSでは中性脂肪の増加が認められます。

上の図はそれぞれ、Aは中性脂肪の変化の24時間全体の曲線下面積、Bは22時~24時の中性脂肪の変化量、Cは空腹時の中性脂肪の変化量です。横軸は左からブドウ糖、果糖、HFCSです。24時間で見ると圧倒的に果糖が増加しています。HFCSではやや増加です。Bが示すように、果糖もHFCSも夜間22時~24時で大きく増加しています。

一方Cが示すように、空腹時ではブドウ糖が増加しています。

上の図はAが空腹時のLDLコレステロール変化量、Bは空腹時non-HDLコレステロール変化量、Cは空腹時ApoB(LDLのアポリポタンパク質)変化量、DがApoB/ApoA比です。横軸は先ほどと同じです。

どれも、ブドウ糖と比較して果糖、HFCSで大きく増加しています。特にHFCSの方が増加が大きくなっています。LDLコレステロールなどあまり私には意味がありませんが、ApoB/ApoA比は心血管疾患にリスクファクターなので、これが増加することは心血管疾患のリスクが高くなると考えられます。

以前の記事「果糖は中性脂肪を増加させ、小さなLDLや酸化LDLも増加させる」で書いたように、中性脂肪が増加することはLDLコレステロールを小さな危険なsdLDLに変化させます。心血管疾患のリスクを増加させます。

実際には、これほどの果糖、HFCSを摂取することは少ないでしょう。1日1,800kcalであれば果糖だけで100g以上です。しかし、毎日スイーツやスナックを食べ、糖質たっぷりのドリンクを飲み、外食やお惣菜、ジャンクフードなどを大量に食べていれば、クリアできる数字かもしれません。

そうではないにしても果糖の摂取はじわじわ体を傷めつけていく可能性があります。

果糖は猛毒です。可能な限り減らす方が良いでしょう。

「Consumption of fructose and high fructose corn syrup increase postprandial triglycerides, LDL-cholesterol, and apolipoprotein-B in young men and women」

「果糖および高果糖コーンシロップの摂取は、若い男性および女性において食後中性脂肪、LDLコレステロール、およびアポリポタンパク質Bを増加させる」(原文はここ

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