インフルエンザワクチンを毎年接種することの暗黒面

相変わらずインフルエンザのニュースが報道されていますが、今年(2018~2019)のシーズンは過去最多の患者数222万人を超えたそうです。(関連記事はここ

2014〜2015年のインフルエンザシーズンは、カナダの統計では非常に流行が激しかったそうです。それに関して、分析があります。その年のインフルエンザはA型が72%で、そのうちH3N2が99%でした。28%はB型でした。以前の記事「インフルエンザワクチンのH3N2に対する効果は非常に低い」で書いたように、もともとワクチンはH3N2には効果が低いのですが、調べてみると面白いことがわかりました。(図は原文より)

上の図は、ワクチン歴によるワクチンのA型に対する有効性を示しています。Aの図では2年間、Bの図では3年間ワクチン未接種の人との比較です。Aの図では一番上が未接種、次が今年のみの接種、次が昨年は接種したが今年は未接種、一番下が2年連続接種です。そうすると、今年のみの接種では53%の効果です。思ったより高いです。しかし、その下の昨年のみ接種では、2年未接種と変わりありません。「今年接種していないから当たり前だよ」と思われるかもしれません。一番下の2年連続接種を見てみましょう。何と-32%です!未接種よりもインフルエンザを発症しやすいのです!

Bの図も見てみましょう。一番上から、3年間未接種、今年のみ接種、今年は未接種で昨年または一昨年接種、今年は未接種で昨年と一昨年は連続接種、今年は接種で昨年または一昨年接種、3年連続接種です。 今年は接種で昨年または一昨年接種は非常に数が少ないので、あまり参考にならないかもしれません。その他で見ると、3年連続未接種の人と比較して、今年のみは先ほどと同様に53%の効果です。以前の年に接種したが今年接種していない人は3年連続未接種と違いがありません。しかし、3年連続接種は-54%です!2年連続接種よりもさらに数値が悪くなっています。

つまり、この結果を見るとワクチンは毎年接種してはダメだということになります。連続で接種した方がインフルエンザの発症が多くなるのですから。ただ、このような効果はB型では認められていません。しかし、症状が強く、患者の割合も多いA型の発症がワクチンによって増加している可能性は否定できません。

この結果は「前年にインフルエンザワクチンを接種していた人の方が多く新型インフルエンザを発症していた」の結果を裏付けています。

以前の記事「日本人は新しい薬がお好き?」で書いたように、インフルエンザの薬の使用でも、次の年のインフルエンザ発症増加が示唆されています。

ワクチンを毎年接種し、発症したらインフルエンザの薬を飲む、その結果次の年にさらにインフルエンザの発症の危険性が高まる。そうしたら、過去最高の患者数を記録するのは医療が原因ではないでしょうか?

ワクチンやインフルエンザの薬が意図して次の年のインフルエンザ発症の増加を起こしていたとしたら、ものすごいビジネスモデルです。

インフルエンザのワクチンは、はしかなどのワクチンとは全く違います。はしかなどのワクチンの効果はものすごく高く、ワクチン接種でほとんどの人に免疫を作ります。だから集団免疫が成り立つのです。しかし、インフルエンザのワクチンは効果が非常に低いので全く集団免疫として成立しません。しかも、このように毎年接種することが悪影響を及ぼすのです。ということはインフルエンザのワクチンは人間の本来の免疫機能を発動していない可能性があります。さらにインフルエンザの薬を使った場合には、さらに免疫力が低下します。

インフルエンザのワクチンがしっかりとした免疫をもたらすのであれば、そもそも1回の接種でずっと効果が認められるはずです。インフルエンザのウイルスは変異しやすいから、と言っていますが、全くの別物ができるわけではないので、効果がゼロになるとは思えません。インフルエンザに感染した人が、インフルエンザの薬を使わなければ、次の年にインフルエンザを発症する割合は非常に低くなります。ワクチンが同じような免疫をもたらさないのはわかっています。「ワクチンによって感染は防げないけど、発症や重症化を防ぐ」という非常にエビデンスに乏しいことを根拠として、ワクチンを推奨しています。

この研究の結果を受けて、少しでもワクチンの恩恵に与りたくワクチンを接種するのであれば、必要な年、例えば受験する年のみにワクチンを接種し、それまではワクチン接種を控えることの方が賢明だということです。

しかし、このように毎年接種することが有害になることが示唆されるのであれば、ちゃんとした調査が必要でしょう。ただ、国民に平気でウソをつく厚労省のデータは信用できませんが…

私の推奨は「インフルエンザのワクチンは毎年接種するな!発症したら抗インフルエンザ薬は使うな!糖質制限をして、自分の体の環境を整えろ!」です。

「A Perfect Storm: Impact of Genomic Variation and Serial Vaccination on Low Influenza Vaccine Effectiveness During the 2014-2015 Season」

「完璧な嵐:2014 – 2015年シーズン中の低インフルエンザワクチンの有効性に対するゲノム変異と連続ワクチン接種の影響」(原文はここ

4 thoughts on “インフルエンザワクチンを毎年接種することの暗黒面

  1. こんにちは。
    いつも拝見していますが、初コメです。

    私はワクチンをしない派なんです。
    というのも、25年ほど前に当時幼稚園の子供の後インフルエンザらしきものにかかり、その1週間後にも違う症状のインフルエンザらしきものにかかりました。
    らしきものというのは具合が悪すぎて病院に行けなかったから確定していないからです。
    ですが、子供はインフルエンザだったのでそうだと思います。

    それから毎年ずっと大丈夫でした。
    またインフルエンザらしきものにかかったのは、今から2年前、以前から23年ほどです。
    その時のも病院には行かなかったので確定ではありません。

    ですが、毎年ワクチンを受けている親戚や友人達は毎年インフルエンザになっています。
    一度かかれば免疫が獲得出来るのでは?と謎に思っていたのですが、今日の記事で納得です。
    何事も、テレビなどの情報を鵜呑みにして思考停止に陥ると痛い目にあうのは自分ですね。

    1. カーコさん、コメントありがとうございます。

      おっしゃる通りだと思います。
      テレビなどで不安を煽り、ワクチン接種やインフルエンザ発症時に早めの受診を促し、
      薬を使わせて、また来年インフルエンザ発症では何をやっているのかわかりません。
      ちゃんとしたデータを出してほしいものです。しかし、そのデータを集めたり分析する人は
      ほとんど利益相反があるので、まともなデータは期待できません。

  2. 清水先生、初めましてのコメントです。

    私は学生時代に確かインフルエンザ予防接種が必須だったので
    受けましたが、それ以来予防接種は受けたことがありません。
    注射が嫌いだし、インフルエンザにかかったら素直に1週間くらい
    休もうと思っているからです。
    でもなぜかインフルエンザにはかかったことがありません。

    インフルエンザの予防接種を受けていないと言うと
    「なんで受けないの?????」
    とすごい勢いで攻撃されるので、その話題からは避けています。

    1. きくりんさん、コメントありがとうございます。

      おっしゃる通りです。インフルエンザになったら休めば良いのです。
      洗脳されている方は、自分が洗脳されていることに気付きません。
      話し合うだけ無駄です。
      でも、インフルエンザのワクチンを受けない根拠を聞かれたら、この記事を教えてあげてください。

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