糖質制限のメタボリックシンドローム改善効果 たった1か月でこの違い!

メタボリックシンドロームは糖質過剰症候群の代表的なものです。だから、糖質制限をすればどんどん改善していきます。メタボは簡単に逆転できます。

今回の研究では助成6人と男性10人で数は少ないですが、肥満(平均年齢41.3、BMI39.3)の人に異なる糖質量の食事を4週間ずつ食べてもらい、様々なパラメーターがどうなるかを調べています。全員メタボの基準を3~5満たしています。食事は全て0.1kg単位で計量して与えられています。平均の1日の摂取エネルギーは約3,000kcalでした。通常糖質制限のこのような研究ではカロリー制限になりがちですが、きっちり食べてもらっています。(図は原文より)

上の図Aは研究のスケジュールで、各食事の間は2週間空いています。全ての人が3種類の食事を摂ることになっています。Bは食事のPFCバランスです。度の食事もエネルギー量とタンパク質は固定され、タンパク質は約20%です。LCは低炭水化物食で脂質74%、糖質6%です。MCは中炭水化物食です。脂質48%、糖質32%です。HCは高炭水化物食です。脂質23%、糖質57%で、通常の栄養士が推奨するもっとも「バランスのとれた」食事です。

上の表は実際の食事の栄養素の量を示しています。LCの飽和脂肪酸は100gで、HCの飽和脂肪酸は40gなので、2.5倍にもなっています。コレステロールに至っては3倍です。その食事をそれぞれ4週間摂るとどうなったでしょうか?

上の図Aでベースライン(BL)では全員が左側、つまりメタボの状態です。その下で各食事を摂った後のメタボの基準から外れた人は右に移っています。そうすると、たった4週間でLCの食事で女性の6人中4人、男性の10人中5人がメタボではなくなっているのです。一方HCでは男性たった一人のみでした。

Bはそれぞれのパラメーターの変化を示しています。左上から中性脂肪、HDLコレステロール、血糖値、下が血圧の変化です。LCでは中性脂肪は低下し、HDLコレステロールは増加し、血糖値は低下しています。血圧の変化はそれぞれの群でほとんど変化はありませんでしたが、収縮期血圧はベースラインよりは低下し、LCで14人、MCで9人、HCで5人はそれぞれの食事後メタボの基準の閾値を下回るのに十分低下していました。

上の表は具体的な変化です。REEは安静時代謝を示していますが、どの群もほとんど変化していませんが、RERというのは呼吸商で、これが低下するということは脂肪をエネルギーとして使っていることを表しています。LCのみRERが低下しているので、LCではより脂肪酸化によりエネルギーを生みだしていることがわかります。脂肪の酸化は約70%から85%まで増加しています。

上の図のAはLDLのタイプを示しています。左が主なLDLが大きなふわふわしたLDLが優位のタイプで、右が小さな危険なLDLが優位のタイプです。そうすると、LCでは左に移った人が多い、つまりLDLが大きくなったことを表しています。一方HCではたった一人しか左に移動していません。図のBは実際のLDLの大きさ、Cは左が大きいLDL 、真ん中と右が小さいLDLの量を示していますが、LCではLDLが大きくその量も増加し、小さいLDLが減少していることがわかります。

上の図は血中を循環している飽和脂肪酸を見るためにリン脂質(PL)と中性脂肪(TG)に分けて示していますが、どれを見てもHCと比較して2.5倍もの飽和脂肪酸を摂っていたのに、実際に循環している飽和脂肪酸はLCが最も少ない状態でした。ちなみにDのTG 16:n7は肝臓脂肪と相関関係があるので、LCでは肝臓脂肪が減少し、HCではやや増加を示すことになります。

上の図Aはオメガ6の変化を示していますが、右上の20:4n6というのがアラキドン酸でその手前の20:3n6がジホモγリノレン酸(DGLA)です。LCでは図のBとCにあるようにDGLAを減少させながら、アラキドン酸を増加させています。

以前の記事「オメガ6は本当に悪者か?」に書いたように、オメガ6は悪者ではなく、アラキドン酸も悪者ではないと思っています。これについてはまたいつか記事にします。

ちなみにオメガ3のドコサヘキサエン酸(DHA)は他の食事と比較してLCで最も多くなっていました。

このような結果を考えれば、たった4週間でこれほどの大きな変化を来し、メタボの改善を示します。しかもエネルギーはしっかり摂取できます。糖質制限がメタボの改善のための標準的な食事法となれば、多くの人が良くなります。

「Dietary carbohydrate restriction improves metabolic syndrome independent of weight loss」

「食事の炭水化物制限は減量と無関係にメタボリックシンドロームを改善する」(原文はここ