運動後の水分補給にスポーツドリンクは不要

スポーツの秋です。まだ暑い日もあるので、運動すればたくさん汗をかくでしょう。

いつの間にか、運動後の脱水にはスポーツドリンクが必要だと思わされています。では、スポーツドリンクと水ではどれほどの違いがあるのでしょうか?

今回の研究では、平均年齢28歳の17人を対象として、約35 °Cの暑い中で自転車を漕いで約2% の体重減少を誘発し、その後、実験室(約21 °C)で 1 時間かけて、スポーツドリンク(SPO)、100%のフルーツジュース(FRU)、そして水(WAT)のどれかを、体重減少の150% に相当する量を摂取して水分補給してもらい、水分補給効果と血糖値反応を比較しました。水分補給後4時間は座って安静です。

それぞれの飲み物の糖質や塩分などは次の表のようです。(図は原文より、表は原文より改変)

飲料 フルーツジュース(FRU) スポーツドリンク(SPO) 水(WAT)
糖質(g/100mL) 5.9 6.3 -
タンパク質(g/100mL) 1.0 - -
脂質(g/100mL) - - -
食塩相当量(g/100mL) 0.04 0.12 -
カリウム(mg/100mL) 135 - -

どの飲み物も平均の摂取量は2100mlちょいでした。そうすると、スポーツドリンクの平均糖質摂取量は約133g、フルーツジュースは約127g、水はゼロです。糖質の成分はスポーツドリンクではブドウ糖だけで、フルーツジュースにはもちろん果糖が半分程度入っています。

塩分はスポーツドリンクで約2.7g、フルーツジュースで約0.9gでした。

上の図はAが正味の水分バランス、Bは累積尿量、Cは尿の浸透圧です。水分バランスは運動により大幅に減少し、水分補給により、急速に増加し、その後少しずつ減少しています。しかし、飲み物による違いはありませんでした。やっぱりね。

尿量も飲み物による違いはありません。尿の浸透圧は時間により差が出ましたが、水分保持には影響がありません。

水分保持は、10人の参加者でフルーツジュースが最も高く、3人の参加者でスポーツドリンクが最も高く、3人の参加者で水が最も高く、1人の参加者はフルーツジュースと水の間で同率でした。

上の図は、血糖値の推移です。当然水は血糖値の変動はありません。運動後よりも少し低値で横ばいです。フルーツジュースは補給後少し血糖値が上がり、だんだん低下しました。思った通りスポーツドリンクが一番血糖値が上がりました。それでもやはり若者の研究なので、平均値では爆上がりはしていませんね。ただしスポーツドリンクでは7人(44%)に7.8 mmol/L(日本の単位では140mg/dL)を超える高血糖が認められました。

逆に、血糖値が70mg/dLを下回る低血糖は、水では12人(75%)、フルーツジュースでは3人(19%)に認められ、スポーツドリンクでは認められませんでした。この低血糖が危険なものかどうかは、ケトン体値もわからないので、何とも言えません。

上の図は、Aが喉の渇き、Bが胃腸の快適さです。どちらも飲み物による違いはありませんでした。ただし、フルーツジュース摂取後に3人が下痢を起こしたため、その人たちのデータは含まれていません。果糖をたっぷり含むフルーツジュースを2リットルも飲ませるのは拷問ですね。

運動後の水分補給で、実際には水とスポーツドリンクの水分補給効果に差がないのです。電解質(塩分)も糖質量も関係なく、水で十分に水分補給ができるのです。

以前の記事「フリースタイルリブレを使った人体実験その4 スポーツドリンクは危険なドリンクか?」「フリースタイルリブレを使った人体実験 その23 スポーツドリンクは危険なドリンクか?その2」で書いたように、フルマラソンのゴール後のポカリスエット500ml(糖質31g)の一気飲みは悲惨な血糖値変動を起こしました。条件は違いますが、アミノバリュー500ml(糖質18g)はそこまで変な変動にはなりませんでした。

しかし、運動後に血糖値を上げる必要はありません。水分補給効果が同じであれば、スポーツドリンクを選択する必要はありません。水やお茶で十分です。電解質も必要ありません。運動以外の汗をかいたときの水分補給でも同様です。水で十分なのです。

「Post-exercise rehydration: a randomized cross-over trial comparing a 100% fruit juice, a glucose-based sports drink, and water」

「運動後の水分補給:100%果汁、ブドウ糖ベースのスポーツドリンク、水を比較したランダム化クロスオーバー試験」(原文はここ)

One thought on “運動後の水分補給にスポーツドリンクは不要”

  1. アスリートが色つきの液体を飲んでると、
    あやかりたくなりますが、
    サプリメントなども、イメージやプラセボ効果が
    大きいのでは、と思ってます。

    何より糖質制限でケトン体質維持。
    私はプロテインの代わりに無調整豆乳と
    生卵シェークです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です