北海道封鎖はあるのか？

以前から懸念していた「北海道封鎖」が現実味を帯びてきました。今日の北海道新聞の記事では「道内での移動や道外との出入りを制限すべきだとの意見が政府内の一部で浮上している」と書かれています。マジか？何の準備もせず、全国の小中高を一斉に休校するというアホなことを言い出した安部さんだから、北海道封鎖を言いかねません。

韓国と日本の新型コロナウイルスのPCR検査の差があまりにも大きく、問題となっています。韓国ではドライブスルーで検査ができるほどです。韓国の中央防疫対策本部によると、2月27日で検査中を含め、計約6万7000人の検査を実施したそうです。それだけ検査して2,000人程度です。つまり陽性率は3％ほどです。PCR検査の感度は50～60％ということを考えると、その2倍前後の人が実際には陽性でしょう。

PCR検査をしても、特別な治療法があるわけではないので、検査しても医学的には意味がないという方もいます。陽性でも陰性でも治療法は同じだというのです。

北海道は現在、日本でも最も多くの感染者が出ています。鈴木道知事は「緊急事態宣言」を2月28日に出しました。今週末の外出は控えろ！と言っています。週末だけ外出を控えても何も効果がないとは思いますが。しかし、このままだと北海道民の何らかの移動の制限は免れないと思います。

でも、本州のみなさん、北海道がどれほど広いか知っていますか？

（画像はこのサイトから拝借させていただきました。）

この広い北海道は他の小さな一つの都道府県の何個分になるか、わかっていただけると思います。それで感染者66人です。面積当たりの感染者数では他の感染者が出ている都道府県とそれほど違いはありません。もちろん人口密度が低いので、人口当たりでは多いと判断されるかもしれません。

北海道の発表では2月28日現在66人の感染者が判明しています。ではどのくらいのPCR検査を行っているのでしょうか？数日前ですが、2月25日12:00現在170名PCR検査をして、そのうち陽性31名です。なんと18％以上の陽性率なのです。クルーズ船に近い割合です。確かに多い。しかし、むやみに検査しているのではなく必要な人に検査している証拠かもしれません。逆にもう少し検査の幅を広げるべきなのかもしれません。

実際の有病率を30％と仮定し、感度を60％として、特異度は99.9％として考えてみます。PCR検査はDNAがあれば陽性となるので、偽陽性は恐らく限りなく0に近いと思って特異度を99.9％としています。

医師が必要と判断をしても、陽性と判定されるのは18％程度です。そして陰性と判定された人の15％程度は本当は陽性なのです。これくらいの規模であれば陰性の人にも慎重に行動してもらい、できれば自分で自宅隔離してもらえば感染は広がらないでしょう。当然陽性者は隔離しますが、軽症者は自宅隔離で良いと思いますが、陰性でも症状によっては陽性と同じ扱いをした方が良いでしょう。

では韓国のように大量に検査をしたとします。細かい数値はわかりませんが、67,000人を検査し、有病率を5％、感度を60％、特異度を99.9％とします。

確かに陽性者がたくさん見つかりますが、相当な数の偽陰性が出てしまいます。感染しているのに陰性と判断される数がこれほど多い検査が果たして意味があるかです。この偽陰性の人たちは検査が陰性だと思って、通常の生活をすれば当然感染が広まります。さらに少なからず偽陽性の人が出るでしょう。この人たちは無実の罪です。冤罪でも社会的差別を大きく受けます。また、この陽性の人を全部病院で入院という形で隔離したら医療が崩壊します。検査をして感染者を見つけることが、感染拡大の抑制にはなっていないようです。

恐らく、日本でも新型コロナウイルスの感染率は5％以下でしょう。日本で全く症状もない人を含めてPCR検査をしたら有病率はもっと下がり、2％ぐらいかもしれません。総数67,000人で計算してみましょう。

検査陽性の中で、先ほどよりも偽陽性の人の割合は高くなります。誰が無実の罪になるかわかりません。ロシアンルーレットです。陰性の中で偽陰性の割合は少なくなりますが、それでも非常に多くの偽陰性が出てしまいます。限りある医療資源、マンパワーを使って、現場を疲弊させて、あまり意味のない検査となってしまうのです。簡易検査ができるようになったとして、特異度が低下すれば、もっと偽陽性が増加し、それはそれで非常に問題になるでしょう。

つまりPCR検査は、感染しているかどうか心配で、ただ安心したい人が受ける検査ではありません。しかし、私がおかしいと思っているのは東京などでは医師が必要と考えている人であっても検査ができていないことです。人口密度、人口の数を考えたら、北海道の10倍程度の、医師が検査が必要と考える患者が存在していると思われます。医師が必要と考える人の18％が陽性を示すと考えると、東京では300人以上の陽性が確認されてもおかしくないでしょう。そしてPCRの精度を考えると500人以上の症状のある感染者がいると思われます。無症状の患者を含めるとその何倍にもなります。しかし、東京の感染者の数はいまだに40人以下です。（2月29日20時30分更新：2月25日現在532件の検査で32人陽性なので、陽性率は6％なので北海道の3分の1程度です。なので、この東京の数値はちょっと大げさすぎでした。申し訳ありません。それにしても東京では100人以上が陽性と確認されてもおかしくないと思います。推測ですが。）

ある記事では、2月25日に厚労省の研究機関「国立感染症研究所」から北海道庁に派遣された３人の専門家が「検査をさせないようにしている疑念がある」と指摘されています。（この記事参照）この記事の中で、「道の対策本部に派遣された３人は、政府が策定した基本方針に記載のある〈入院を要する肺炎患者の治療に必要な確定診断のためのＰＣＲ検査〉の実施を必要以上に強調。暗に、「軽症の患者は検査するな」との意向をにおわせ、道職員や保健所職員の間で「検査し過ぎてはいけないのか……」という空気が生まれているという。」と書かれています。

この記事を信じれば、厚労省や東京都が何を考え何をしようとしているのか誰でもわかります。

先日のテレビで、現在引っ張りだこの岡田晴恵教授が言ったことが大きな波紋を呼んでいます。（この記事参照）このテレビは見ていませんが、この記事によるとPCR検査が進まないのは、「国立感染症研究所のOBがデータを独占したがっていることが背景にある」そうなんです。中枢の政治家の方の話として、「オリンピックのために汚染国のイメージをつけたくないという大きな力が影響している」のではなく、これはテリトリー争いであって、国立感染症研究所のOBが妨害をしている、という告発があったようです。

私は、これも一因であるとは思いますが、この発言をした政治家が誰かはよくわかりません。マスコミに毎日出ている岡田先生を利用して、国立感染症研究所に責任を擦り付けているのかもしれません。本当はオリンピックのためだけど、それを言ってはおしまいなので、国が悪いのではなく、感染症研究所が悪いんだよ、という方向に誘導しているようにも見えます。作戦通り岡田先生は我慢できずにテレビでしゃべってしまったので大成功、というシナリオかもしれませんね。

いずれにしても、PCR検査で新型コロナウイルスが陽性と出れば、それはそれである程度医療の方向性が決まりますし、逆に無駄な抗生剤を使わずに済むこともあるかもしれません。治療法がないことと、闇雲に医療を行うことは大きな違いです。もちろん、陰性と出て、臨床的にコロナウイルスと考えられればさらに検査したり、コロナとして医療を行うべきでしょう。また、陽性とわかれば医師や看護師の心構えが違ってくるでしょう。何もわからずにただの肺炎だと思って医療を行っていれば、そこまでの感染防御に気を使わないかもしれませんが、新型コロナだと思うと、かなり慎重に行動するでしょう。つまり医療現場を守るためにもPCR検査は必要だと思います。

症状がかなり出ているのにPCR検査を受けられない場合、果たして患者さんは「あっ、そうですか」と簡単にあきらめるでしょうか？何とか他の医療機関に行って相談して検査を受けたいと思う人も多いと思います。そうなるとたらい回し、医療機関のはしごが行われることにより、さらに感染を拡大させる可能性があります。

非常に多くの軽症な新型コロナの感染者はPCR検査を受けるべきではなく、できる限りじっと自己隔離をすることが重要でしょう。しかし、症状が進行した場合や医師が必要と思った時にはすぐに検査が受けられることが最も重要です。

そして、国としてPCR検査の精度をきちんと説明し、どうして韓国みたいにどんどん検査しないのかをちゃんと説明すべきです。何も情報を発信しないので、妙な噂が立つのです。（噂ではないと思っていますが）そして、軽症の人が自己隔離できる仕組みを国として提示すべきです。そうしないと医療や社会が崩壊します。

クルーズ船のときは様々な情報を隠していたと思います。そして大失敗です。中国も情報を隠蔽していたことが報じられています。（ここ参照）

日本も中国と同じなのでしょうか？まあ、幼稚園児並みのウソを平気で言える政権と国ですから、何をするかはわかりません。クルーズ船や中国と同じことを繰り返さないように、とにかくしっかりと説明すべきです。

今日鈴木北海道知事が安部さんと会談をするそうです。「北海道封鎖はしないでください。」とお願いしに行ってくれてると願いたいです。鈴木さん頼みますよ！安倍さん「北海道封鎖」なんてしないでよ！

まとまりのない文章で申し訳ありません。