副作用のない薬はありません。しかし、時間的な制約もあり、医師も全ての副作用について詳細に話している時間はありません。また、全ての副作用を把握もできているわけでもありません。 どこまで副作用を説明すべきか、迷うこともしばし
投稿者: Dr.Shimizu
尿酸値はなんでそんなに高くなるの? その2 尿酸排泄低下
「その1」では、尿酸酸性の増加について書きましたが、今回は尿酸排泄低下についてです。 通常では、尿酸は腎臓で濾過された後にほとんどが再吸収されます。つまり、体にとっては尿酸を捨てたいのではなく、残しておきたいのです。しか
むずむず脚症候群は糖質過剰症候群 その2
糖尿病では末梢神経障害を起こしますが、恐らくこれは糖尿病特有のものではないと思っています。糖尿病なんてものは、ただ診断基準に当てはまるかどうかというものでしかありませんから。病名云々ではなく、糖質過剰摂取による高血糖が起
アセトアミノフェンは一部のがんのリスクを増加させる その3 多発性骨髄腫
「その1」「その2」では、アセトアミノフェンが白血病と悪性リンパ腫のリスク増加と関連があることを書きました。今回はもう一つの血液系のがんである、多発性骨髄腫です。 多発性骨髄腫患者117人と、年齢および居住地をマッチさせ
日本でも末期腎疾患患者の肥満が増加している
慢性腎臓病(CKD)の人は、低タンパク食を勧められるでしょう。CKD診療ガイド2024の「成人 CKD 患者への栄養管理」には、次のような図が載っています。 ちなみに、タンパク質の項目に「過剰な摂取をしない」と書かれてい
食事の研究は全く不正確
食事の研究ってものすごく多いですよね。「〇〇を食べるとがんになりにくい」とか「〇〇を食べると高血圧に良い」とか「〇〇の摂取を減らすと死亡率が上がる」とか。 でも、私は毎回のように、食事の研究を記事にするとき、その研究のデ
高齢者の高血圧の治療は死を早めるかもしれない その1
日本には本当にフレイル(虚弱)な高齢者多いですね。野菜中心の食事も要因の一つでしょう。 地域在宅高齢者5,104名 (平均年齢71.7歳、 女性51.6%)を対象とした分析では、フレイルの有病率は11.5%(予備群、32
尿酸値はなんでそんなに高くなるの? その1 尿酸産生増加
尿酸の約3分の2は内因的に生成され、残りの3分の1は食事中のプリン体からできるのですが、尿酸そのものを摂取するわけではないので、体内の尿酸は全て体内で生成されたものと考える方が簡単でしょう。 まずは尿酸の生成量が多くなる
マグネシウム枯渇スコアと様々なリスク
体内のマグネシウム量を測定することは非常に難しいです。血中のマグネシウム値がそのまま体内のマグネシウム量を反映しているわけではありません。体内の総マグネシウム含有量は約24 gで、その99%は細胞内にあり、主に骨、筋肉、
アセトアミノフェンは一部のがんのリスクを増加させる その2 悪性リンパ腫
「その1」では、アセトアミノフェンと白血病との関連を書きました。それでは、同じ血液系のがんである悪性リンパ腫はどうでしょうか? まずはホジキンリンパ腫についてです。ホジキンリンパ腫の症例565人と対照群679を対象にして