コクランが今年の初め頃に出したレビューでは、インフルエンザワクチンの効果を次のように発表しています。 健康な成人に対するインフルエンザワクチンの効果(原文はここ) 「1名のインフルエンザ症例を予防するために71名がワクチ
月: 2018年12月
インスリンとスルホニルウレアは心血管イベントを増加させる
アメリカでは糖尿病の第1選択薬はメトホルミンです。 第2選択の糖尿病薬の開始による心血管イベントの発生はどのようになるのでしょうか? DPP-4阻害薬(ジャヌビア、エクア、ネシーナなど)、GLP-1受容体作動薬(ビクトー
もう一度新型インフルエンザの年を振り返ることにより見えてくるもの
2009年~2010年に新型インフルエンザで世界中がパニック(?)になりました。そのときのインフルエンザに関するデータは非常に詳細に発表されていたので、非常に参考になります。 これを見ると、新型と言いながら、実際には15
血糖値スパイクは冠動脈のプラークを不安定にするかもしれない
スタチンを飲んでいるにもかかわらず、多くの人は冠動脈疾患のリスクが減少しません。実際にはスタチンの使用している人の冠動脈の状態は血糖値スパイクに大きな影響を受ける可能性があります。 今回の研究では、経皮的冠動脈形成術(P
肥満はA型インフルエンザウイルスを長期間排出する
今年もインフルエンザの季節になりました。 学校保健法ではインフルエンザに罹患した際の出席停止期間を「発症から5日後、かつ解熱から2日後まで」と定めています。 今回の研究では、体形がインフルエンザウイルスの排出期間に影響を
100歳以上の高齢者では医学的な心血管危険因子から見ると不健康?
人生100年時代と言われます。100歳以上でも生きている高齢者は健康なのでしょうか?健康とは何なのでしょうか? 医学が決めた健康的である、ということを見直さなければならないかもしれません。 今回の研究はイタリアの南部の1
慢性腎臓病とコレステロールと死亡率
慢性腎臓病を有している人では心血管イベントの発症率が高く、ステージが上がるにつれリスクが高くなります。 (図はこの論文より) 上の図は横軸がGFRであり、ステージで言えば、左からステージ1+2、一番右がステージ5です。明
家族性高コレステロール血症から考える 高LDLコレステロールは心血管疾患の原因ではない その6 スタチンの絶大な効果?
以前の記事「家族性高コレステロール血症から考える 高LDLコレステロールは心血管疾患の原因ではない その1」「その2」「その3」「その4」「その5」の続きです。 家族性高コレステロール血症(FH)ではLDLコレステロール
冠動脈疾患はLDLコレステロール値ではなくフィブリノゲン値と関連している
狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患は未だにLDLコレステロールが高いことにより起きると信じている人がいます。アテローム性動脈硬化症のプラークの中に確かにLDLコレステロールは存在していますが、存在することと原因であることに
糖質過剰摂取は痩せていても肝臓の脂肪酸合成を大きく増加させる
中性脂肪値を増加させるのは、脂肪摂取によるものではありません。食後に一時的には中性脂肪値の上昇が認められますが、これはカイロミクロンが運んでいる食事からの脂肪であり、すぐに消失します。それ以外の中性脂肪、空腹時の中性脂肪