コメントをいただきました。

先生のブログでは3大生活習慣病のうち、糖尿病と脂質異常症の話題がのぼることが多いですが、高血圧はあまり見かけないような気がします。
あまり重要視されていないのでしょうか?
個人的に伺いたいのは、以下の2点です。
血圧は先の2つ(高血糖、脂質異常)の結果として上がってくるものなのか?
加齢による血圧上昇は血管の経年劣化という自然なものととらえて良いのか?
お時間が許せば、お考えを聞かせて下さい。

高血圧は当然糖質過剰症候群であり、著書にもそのメカニズムを詳しく書いています。重要視しているか?と言われれば、当然重要視はしていますが、塩分や動脈硬化との絡みで記事にすることが多いので、伝わりにくいのかもしれません。これまでに、

塩分に感受性のある高血圧はインスリン抵抗性によるものであるかもしれない」「高血圧の真犯人は塩分ではなく、脂肪?ではなく糖質だと思いますが…」「中性脂肪値と血糖値からわかるTyGインデックスと動脈硬化」「空腹時血糖値とアテローム性動脈硬化症の発症リスク」「血糖値の変動が動脈硬化、プラークを進行させる」「糖化LDLとアテローム性動脈硬化症の関連

など色々と記事にしています。高血圧は糖質過剰摂取により起こると考えています。しかし、脂質異常はどうかというと、脂質異常の中身が問題です。つまり高LDLコレステロールは問題ではないと思っています。私の中での脂質異常は高中性脂肪と低HDLコレステロールです。高中性脂肪と低HDLコレステロールは糖質過剰摂取で起こるので、根本原因はやはり糖質過剰摂取ということになります。

また、「加齢による血圧上昇は血管の経年劣化という自然なものととらえて良いのか?」についてですが、糖質過剰摂取を続けていれば、血管拡張作用のあるNO(一酸化窒素)も低下しますし、酸化ストレスも増加しますし、レニンアンギオテンシン系が亢進しますし、交感神経系が活性化しますし、グリコカリックスが減少しますし、動脈硬化が進み、加齢とともに血管が硬くなり、高血圧となると思いますが、早い段階で糖質制限を始めればそのような危険因子が減少するので高血圧は起こりにくいと思います。

塩分を制限することによる血圧の低下は、たった1!」「朝食時の週12個の卵はLDLコレステロールを増加させず、収縮期血圧の低下に関連」「塩分制限で起こる程度の血圧低下なら炭水化物をタンパク質で置き換えることでも得られる」「塩分制限で起こる程度の血圧低下ならタンパク質摂取量を増やすことでも得られる

さらに高血圧は塩分の摂り過ぎだという人がいますが、そのメカニズムの一つに塩分を摂りすぎるとそれを薄めるために血液量が増加し、高血圧となる、というものがあります。もしそうだとすると、高血圧の人は血液の量が多いことになりますが、そのような証拠はありません。さらに、「high fructose-induced salt-sensitive hypertension」(高果糖誘発性食塩感受性高血圧)という言葉があるように、果糖が食塩感受性高血圧を誘発していると思っています。

軽度の高血圧に薬は必要か? 降圧薬の利益と害」「高齢者の血圧を下げると死亡率が上がる」「降圧薬で血圧を下げるリスク

そして、高血圧になってしまった場合に、では本当に高血圧を薬で治療することが有益かどうかを考えなければなりません。高齢者の血圧を下げることは死亡率上昇につながる危険があります。それにもかかわらず、80代、90代の高齢者に血圧を下げる薬が漫然と投与され、収縮期血圧が100mmHgを切っているような人がいることは珍しくありません。

加齢によって起こる症状の多くは糖質過剰摂取による悪影響の蓄積だと思います。医師は「加齢」という言葉で片づけてしまう人が多く、患者も「加齢」と聞けば諦めざるを得ないでしょうが、食事を改善すれば十分逆転できる症状や疾患は多いと思います。

今回の研究では、糖質制限が血圧低下にどれほど影響があるのかを分析しています。23の報告のメタアナリシスです。(図は原文より)

上の図は収縮期血圧に対する分析です。全体で4.8mmHgの低下という結果ですが、赤い線を引いているのは、実際には糖質制限と言えるような研究ではなく、ちょっとだけ低炭水化物のものだったので、消してあります。それらの研究を除いた場合、実際にはどれほどになるかはわかりませんが、塩分制限よりも大幅に血圧が低下することは間違いないでしょう。

お答えになりましたでしょうか?

「Systematic review and meta-analysis of clinical trials of the effects of low carbohydrate diets on cardiovascular risk factors」

「低炭水化物食が心血管リスク因子に及ぼす影響の臨床試験の系統的レビューとメタアナリシス」(原文はここ

4 thoughts on “当然高血圧も糖質過剰症候群”
  1. 糖質過剰症候群について、色々おさらいできて良かったっです。
    (中性脂肪や低HDLの血管始め全身への悪影響など、身体を健康に保つ働きが阻害される)。

    ヒマラヤ岩塩を度々摂取していますが、いまのところ高血圧ではないようです(現在55歳)。

    医療関係者も「高血圧は脳や心臓疾患の元凶、高血圧=塩分過剰摂取」
    で思考停止は止めて欲しいです。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      塩分制限で高血圧の薬をやめられた人は世の中にいるのでしょうかね?
      塩分の1日量の設定も奇妙ですよね。本当なら糖質制限と同様に1回量の設定が必要なはずです。

  2. 私は49歳でヘモグロビンエイワンシーが6.4%、空腹血糖値が120以上の自称糖尿病ですが、血圧は年間平均でも、上115下75の正常です。
    どちらも薬の服用はしていません。
    この場合は、動脈硬化は起きていないと考えてよいのでしょうか?

    1. 大橋秀夫さん、コメントありがとうございます。

      動脈硬化がゼロか?と言われればそうではないと思います。血圧を上げるほど進行していないだけなのかもしれません。
      気になるのであれば検査である程度はわかると思います。
      ただ、HbA1c6.4、空腹時血糖120は糖質制限をしている状態でのものでしょうか?
      糖質制限をしていないのであればかなり食後の血糖値は高いと思います。そうすると、今後動脈硬化も進むと思います。
      もう少し改善すると良いですね。

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