塩分制限で起こる程度の血圧低下なら炭水化物をタンパク質で置き換えることでも得られる

以前の記事「塩分制限で起こる程度の血圧低下ならタンパク質摂取量を増やすことでも得られる」では、タンパク質の摂取量を増やすことでいくらかの血圧低下が得られることを書きました。

今回は、無作為化比較試験のメタ分析で食事性タンパク質摂取と血圧との関連を評価したものですが、ほとんどの試験は炭水化物をタンパク質で置き換えることを行っています。

下の表の食事介入のタイプは、すべての食品が提供されたときの「食事」、タンパク質サプリメントが提供されたときの「サプリ」、特定の食事療法に従うように指示の場合には「変更」としています。(図は原文より、表は原文より改変)

介入のタイプ食事療法/サプリメントの構成体重の変化、kg収縮期血圧の変化、mm Hg拡張期血圧の変化、mm Hg
介入コントロール
タンパク質炭水化物タンパク質炭水化物
gggg
植物性タンパク質と炭水化物
サプリ2000200.1-1.85−3.6
サプリ36378650−32
サプリ20NRNRNR−0.6−7.2−3.4
サプリ25NRNRNRNR0.95−1.0
サプリ40NRNR400.32−4.31−2.76
サプリ40NRNRNR1−0.70.2
サプリ40NRNR40−0.5−2.0−0.5
食事22.849.911.562.20.10.40.4
食事23.747.712.259.40.1−5.2−2.6
動物性タンパク質と炭水化物
サプリ540054NR−4.2−2.5
サプリ40NRNR40−0.1−2.3−0.8
サプリ24.439.72.885.0−0.2−2.91−1.55
食事92.105050−2.2−5−1
食事95241550.14−2−8
変更28.743.816.256.70.4−1.3−3.2
変更19.554.615.259.3−1.3−2.10.9
変更23.839.018.643.30.1−5.20.2
変更304518571.3−22
変更24.336.616.149.5−2.50−1
変更37.435.618.450.2−3.001
変更40.130.216.154.5−1−2−3
変更30.032.619.151.4−3.4−6.91.4
変更27.924.918.852.5−2−0.60.3
変更27.937.422.445.8−0.7−2.2−1.2
混合タンパク質と炭水化物
サプリ40NRNR40−0.3−2.15−0.65
食事25481558−0.3−1.4−1.2
変更22371651−3.90−1
変更28.042.316.354.9−0.3−0.2−1.6
変更2681952−5.5−2.1−0.8
変更24242048−3.65−6−3
変更26352145−2.2−1−2
変更3542446−1.8−1.50.92
変更32.347.418.653.6−0.4−3−3
変更31.645.518.753.6−3.321

ほとんどの試験で血圧が少し低下しています。

上の図は上のAが収縮期血圧、Bが拡張期血圧の全体の分析です。平均して収縮期血圧は1.76mmHg、拡張期血圧は1.15mmHg低下しています。

植物性タンパク質と動物性タンパク質を別々でみると、それぞれ収縮期血圧を2.27mmHg、2.54mmの有意な血圧低下を示しました。

前回の記事の内容と併せて考えると、タンパク質そのものの摂取量が増加したしたことで血圧が低下したとも考えられますが、炭水化物が減ったことで血圧が低下したとも考えられます。空腹時血糖の増加は高血圧のリスクを上げるという研究はいくつもあります。(それについては次回以降に)

塩分摂取と血圧の関係だけをクローズアップし、それに目を向けさせて、糖質の血圧に対する有害性を隠す意図でもあるのでしょうか?どこの専門家や学会からも血圧を下げるために糖質を減らしましょう、タンパク質を増やしましょう、とは聞こえてきません。

脂肪悪玉説、コレステロール悪玉説、そして塩分悪玉説。どれも糖質の身代わりに悪玉になっている気がします。

糖質糖質制限過剰症候群

「Dietary protein intake and blood pressure: a meta-analysis of randomized controlled trials」

「食事のタンパク質の摂取量と血圧:無作為化比較試験のメタ分析」(原文はここ