耳たぶの斜めの線にご注意を

以前の記事「耳たぶに斜めの線が入っていませんか?」で書いたように、耳たぶに認められる斜めの線は心血管疾患の予測因子だと考えられています。面白いことにほぼ45度斜めです。

今回の研究では耳たぶの斜めの線(フランクのサイン)が片方だけの場合と両耳の場合での冠動脈疾患のリスクを分析しています。(図は原文より、表は原文より改変)

フランクのサインは上の写真のような耳たぶの斜め45度の線です。

冠動脈疾患の患者のグループでは76%に耳たぶの線が認められました。コントロール群では36%でした。

DELCあり両側DELC片側DELCDELCなし
冠動脈疾患(n = 100)頻度0.760.600.160.24
コントロール(n = 100)頻度0.360.140.220.64
P値<0.00<0.00<0.102
オッズ比5.6311.4291.939

(DELC:斜めの耳たぶの線)

上の表のように、両側性または片側性の耳たぶの線のある患者における冠動脈疾患の発症の可能性は、線のない人の5.63倍です。片側性では1.9倍でしたが有意差はありませんでした。両側性ではなんと11倍以上も冠動脈疾患の発症の可能性が高くなりました。

変数両側DELC片側DELCDELCなしP値
喫煙1911220.895
高血圧4615320.003
糖尿病4314140.001
上の表は喫煙、高血圧、糖尿病との関連です。喫煙は耳たぶの線との関連は認められませんでした。高血圧(n = 93)のうち、46人が両側性の線を有していました。そして、糖尿病(n = 71)のうち、43人が両側性の線を有していました。耳たぶの線の存在に対する高血圧と糖尿病の影響は統計的に有意でした。
この耳たぶの線のメカニズムはよくわかっていません。末梢動脈を欠いた耳たぶへの血液の供給不足、弾性繊維の破たんを伴った微小血管疾患が考えられていますが、耳たぶのコラーゲンのAGEsが関係しているかもしれません。
いずれにしても、冠動脈疾患、高血圧、糖尿病とくれば、これは糖質過剰摂取によるものだと考えられます。片側でも耳に線が現れたら心臓などの検査が必要かもしれません。しかしその前に、すぐに糖質制限をしましょう。もちろん、耳を引っ張って、しわを伸ばそうとしても無駄です。
糖質過剰症候群
「Diagonal Earlobe Crease as a Significant Marker for Coronary Artery Disease: A Case-control Study」
「冠状動脈疾患の重要なマーカーとしての斜め耳たぶのしわ:症例対照研究」(原文はここ

コメント

  1. 高増 より:

    このような細部の兆候で疾患がわかるのですね。これなら素人でもわかります。
    とても参考になりました。他にも類似のケースがあればアップ楽しみにしております。ありがとうございました。

    • Dr.Shimizu より:

      高増さん、コメントありがとうございます。

      なかなかこのようなわかりやすいものはありませんが、また何かあればアップさせていただきます。

  2. アラジン より:

    逆流性食道炎になってからは左下の横向き寝が定着。そのせいか、左の耳たぶに線が・・・。2年前に冠動脈の狭窄を指摘されました。右耳には線はありません。うつ伏せ寝や横向き寝でも線が出ます。

    • Dr.Shimizu より:

      アラジンさん、コメントありがとうございます。

      横向き寝が原因かどうかは不明です。夜間は寝返り打ちますし。
      ただ、逆流性食道炎、冠動脈狭窄もあるので、まさに今回の記事の通りではないでしょうか?

  3. 沖 しらね より:

    先生いつもありがとうございます。夫婦で一日60gの糖質制限歴7年目です。夫の両耳に斜め線があります。これは、制限開始以前からのものですが、消えなくても心配は無いでしょうか?ちなみに健康診断の数値は、LDLコレステロール以外正常値です。

    • Dr.Shimizu より:

      沖 しらねさん、コメントありがとうございます。

      線があるから心血管疾患になるわけではありません。一つの症状です。この後、消えるかどうかはわかりません。
      高血糖の記憶と同様に、糖質制限しても残ってしまう可能性もあると思います。
      糖質制限で今後どうなるか、もし消えるようであれば教えていただけると嬉しいです。