キムチと言えば韓国の代表的な料理(食材)ですが、かなりの量の塩を含んでいます。塩分の摂り過ぎが高血圧と関連していると考えている人は根強くいると思いますが、そうだとしたら韓国人は非常に高血圧の人が多いはずです。
韓国のキムチ消費はどの位が普通なのかは知りませんが、今回の研究で摂取量で5つの群に分けた場合の最大の摂取量のグループは男性では1日で216.5g以上、女性では145.1g以上です。かなりの量ですね。
男性のキムチ消費の最も少ない群の摂取ナトリウム量の平均は4,673.3mg(食塩にして約12g)、最大の群では8,688.6mg(食塩にして約22g)です。女性では3,307mg(食塩にして約8.4g)、 6,435.6mg(食塩にして約16g)です。
日本の厚労省は男性で食塩にして8g、女性で7g未満を推奨しているので、かなり韓国人は塩分摂取量が多いことがわかります。
しかし、それにもかかわらず韓国は決して高血圧が最も多い国の一つではありません。ナトリウム摂取、高血圧、冠動脈心疾患、脳卒中の発症率、発症率についてはこれまでに多くの研究がされていますが、その結果には一貫性がありません。さらに、韓国は、ナトリウム摂取量が高いにもかかわらず、高血圧の罹患率が低く、心血管疾患の死亡率が低い、いわゆる「韓国パラドックス」を示しているのです。
その理由として、一つ考えられているのはカリウムの摂取量です。キムチをたくさん食べている韓国人はカリウム摂取量も多いのです。塩分の摂取量は実はほとんど高血圧に関連していないと考えています。(「塩分を制限することによる血圧の低下は、たった1!」参照)
以前の記事「塩分制限をしても血圧は下がらないかもしれない」でも書いたように、重要なのはカリウムの摂取量です。ナトリウムをたくさん摂っても、カリウムも同じようにたくさん摂れば良いのです。
ただ、日本のスーパーで売られているキムチは非常に糖質も多いですし、様々な添加物山盛りなのであまりお勧めできる食材ではありません。残念です。
「Consumption of kimchi, a salt fermented vegetable, is not associated with hypertension prevalence」
「塩漬けの野菜であるキムチの消費は、高血圧の罹患率と関連していない」(原文はここ)
要約
背景
この研究の目的は、高血圧と塩漬けの野菜であるキムチの摂取量との関連性を調べることであった。
方法
この調査は、2007年~2012年に実施された国民健康栄養調査のデータに基づいている。最終分析では、合計20,114人の韓国人成人(男性= 7,815人、女性= 12,299人)が含まれていた。
結果
20,114人の参加者のうち、11.3%が新たに高血圧症と診断された。キムチの摂取量が多い参加者は、高齢者、高血圧、高BMI、カロリー消費量、ナトリウム消費量が高い傾向にあったが、男性と女性のキムチ消費の五分位間の高血圧の有病率の分布に有意差はなかった。性別による多変量モデルにおいて、キムチの高い消費は高血圧症の高い有病率と関連していなかった。(男性 オッズ比=0.87、女性 オッズ比=1.04)
結論
キムチの高消費は、ヒトの高血圧の罹患率の増加に関連していなかった。我々の結果は、キムチの高消費によるカリウム摂取量の増加は、ナトリウム摂取が血圧上昇に及ぼす影響を中和するのに役立つ可能性があることを示唆している。
キムチについてです。
韓国人の友人が多く、本場のキムチを良く頂きます。向こうは寒いので日本のように腐敗を恐れて塩を多く入れる必要がなく、必要最低限です。白菜キムチは漬けるときにいったん塩漬けしますが、それを洗い落としてからいろいろな薬味とともにつけます。なので本物の発酵がすすみビタミンも増量します。日本で売られているものはほとんどがキムチもどきの添加物まみれ、辛さを変に和らげているので、全く別物です。本物ののキムチをお変わり自由でいただくので、野菜たっぷりになっていると思います。ちなみに焼肉も肉というよりそれを野菜で巻いて食べるので、肉は付け合せかと思うくらいです。生野菜も多く食べる食生活だと思います。
じぇみんままさん、コメントありがとうございます。
本場のキムチは美味しそうですね。
塩分の量については、今回の論文は韓国からのモノなので、
実際にキムチは塩分量は多いと思われます。
塩分は多くても、カリウムも多く摂れば大丈夫という主旨です。