虫歯の原因は虫歯菌(主にミュータンス菌)ではありません。ミュータンス菌は口腔内の常在菌です。炭水化物は口の中でミュータンス菌によって発酵されて酸が生成され、それが徐々に歯のエナメル質を脱灰し、虫歯を引き起こします。食事のたびに、糖質、炭水化物を摂取するたびに酸を生成してしまいます。つまり、根本原因は糖質摂取です。
一方、なぜかフルーツジュースは健康的と思っている人がいます。特に子供にも良い飲み物だと思い、与えている親もいるでしょう。そうやって虫歯の子供がまた一人増えてしまうのでしょう。
今回の研究では、定期歯科検診を受ける5~10歳の105人の健康な小児を対象として、水500mL、100%リンゴジュース200mL、または何も飲まないグループに分け、唾液を分析しました。
唾液は45~60分後に採取し、インスリン<170 pg/mL、pH > 7.0、緩衝化> 5.0、浸透圧<70 mmol/kg、唾液α-アミラーゼ<60 μ/mL、IgG > 10 μg/mL、IgA < 112 μg/mLを口腔の保護因子と定義しました。唾液IgA値が高いほどインスリン値が高いことを反映し、小児期早期の虫歯と関連していること、また、唾液IgG値が高いことは、その後の虫歯増加と逆相関していると考えられています。
ただし、この研究が行われた、サンフランシスコの水道水は平均pHが9.2と日本の水道水の基準値、pH5.8以上8.6以下よりもかなり高いpHです。まあ、見ていきましょう。(図は原文より)
上の図は、飲料摂取後45~60分における唾液パラメータのレベルを示しています。青が水群、オレンジがリンゴジュース群、黒は何も飲まない群です。唾液インスリンの中央値は水群の方がリンゴジュース群よりも有意に低く、pH、緩衝能、および総保護因子数の中央値は有意に高くなりました。唾液浸透圧、α-アミラーゼ、IgG、IgAの中央値には群間差は見られませんでした。何も飲まない群は水群とリンゴジュース群の中間に位置するような感じです。
上の図は、飲料摂取群別の口腔衛生保護因子数の分布を示しています。リンゴジュース群では保護因子数が0~1が多くなっています。最大でも5ですね。しかし、水群は明らかに6~7が多くなっています。保護因子数7は水群しかいません。
上の図は、リンゴジュースの代わりに水を飲む場合と、何も飲まない代わりに水を飲む場合の、唾液インスリンが170 pg/mL未満、pHが7.0以上、緩衝能が5.0以上、浸透圧が70 mmol/kg未満、唾液α-アミラーゼが60 μ/mL未満、IgGが10μg/mL以上、IgAが120μg/mL未満、保護因子数が4~7となる可能性について示しています。
リンゴジュースの代わりに水を飲むと、唾液インスリン値の中央値が有意に半分以下に低下し、唾液インスリン値が170 pg/mL未満となる可能性が10.84倍、pH > 7.0は6.57倍、緩衝能 > 5.0は11.57倍、α-アミラーゼ < 60 μ/mLは1.62倍、IgG > 10 μg/mL2.42倍、虫歯予防に寄与する唾液の保護因子数が4~7である可能性が4.98倍でした。
水を飲んだ場合、飲まなかった場合と比べて唾液インスリンの中央値が有意に低下し、唾液インスリン値が170 pg/mL未満となる可能性が5.14倍、pH > 7.0は1.61倍、浸透圧<70 mmol/kgは3.28倍、IgA < 112 μg/mLは1.69倍、保護因子数が4~7である可能性が2.76倍でした。
つまり、水を飲むことが、同時に複数の虫歯の原因となる経路をブロックする可能性があることを示しています。リンゴジュースの代わりに水を飲むことは、多くの保護因子の同時変化と有意に関連していました。何も飲まない代わりに水を飲むことも口腔衛生の同時改善と有意に関連していました。
水を飲むことで、口内の唾液酸の前駆体である炭水化物への曝露が減少し、インスリン反応が減少し、唾液酸が減少し、唾液酸に対する緩衝能が増加し、唾液流量の増加と相関すると考えられる水分補給が改善されています。水を飲むと、唾液α-アミラーゼが低下し、唾液IgAが減少し、唾液IgGが増加するため、インスリンの低下と一致して、 α-アミラーゼによる多糖類の糖分子への分解も減少し、歯の表面への細菌のIgA結合が減少し、細菌に対するIgG防御が増加すると考えられます。
ジュースを水に置き換えることは、摂取後60分以内に唾液中の4~7個の保護因子の5倍の増加を起こすことができる可能性があるのです。
逆に考えれば、水で十分な水分補給をジュースやスポーツドリンクに置き換えることは、虫歯の危険性が大きく増加する可能性があります。
興味深いことに、何も飲まないよりも水を飲んだ方が良いということです。子供は脱水になりがちで、それにより唾液量が減少するからでしょうかね?
いずれにしても、液体の糖質は摂るべきではありませんし、子供に与えるべきでもありません。
虫歯も糖質過剰症候群です。
「Drinking water instead of apple juice or no drink results in greater odds of 4 to 7 co-occurring protective oral health factors within the hour」
「リンゴジュースの代わりに水を飲む、または何も飲まないと、1時間以内に4~7個の口腔衛生保護因子が同時に発生する確率が高くなります」(原文はここ)
フルーツは健康的な食品の扱い、
果汁100%ジュースを以前は
健康習慣認識で飲んでました。
子供の健康防衛CHDの過剰なリノール酸の情報の追加です。日本語の部分はGoogle翻訳。
https://childrenshealthdefense.org/defender/processed-seed-oils-cola/
種子油:危険な「インフォームド・コンセントのない世界規模の人体実験」
眼科医のクリス・ノブ博士によると、ほとんどの慢性疾患は加工種子油の摂取に関連している可能性があるとのことで、同博士は西洋の食生活における加工種子油の摂取は非常に危険であり、「インフォームド・コンセントのない世界的な人体実験」であると述べた。
ジョセフ・マーコラ博士
2023年2月7日 子供の健康防衛
*尚、記事の中に「PUFAで作られる炭水化物」という記載がありますが、これは明らかに誤記です。正しくは、「PUFAで作られる植物油」。
この記事の元となっているのは「文明の病:種子油の過剰摂取が統一メカニズムか?」https://www.youtube.com/watch?v=7kGnfXXIKZM と題する講演です。
世界各地の伝統的食生活と現代の先進国の高リノール酸食を比較し、先進国の慢性病がリノール酸の摂取の異常な増大に関連していることが示されています。
例えば、アメリカの総脂肪摂取は減少していますが、その脂肪組成は大きく変化し、酸化されにくい飽和脂肪酸と1価不飽和脂肪酸は減少し、酸化されやすいPUFAのリノール酸の摂取は異常に増大しています。アメリカ以外の国でも、リノール酸の摂取は大幅に増加しています。
リノール酸の増大と、心臓病、癌などの増大の相関が見られます。リノール酸の酸化物などによる分子メカニズムの説明もあります。
現代的・西欧的な食事により既に糖質代謝の異常を起こしてしまっている我々は、糖質制限とリノール酸制限の両方を行った方が良いと思います。例えば、糖質制限で使用するマヨネーズは、リノール酸を含む植物油が使用されていますから、リノール酸を摂りすぎているような場合には、食べないという選択肢もあると思います。