むずむず脚症候群は下肢にむずむずが来た場合に起こるのですが、別に神経障害は下肢に限ったことではないでしょう。
むずむずは体中に来る可能性があります。
1.手足(指、手首、肘、腕、つま先、脚、太もも)
2.腹部(上腹部、下腹部、鼠径部)
3.骨盤領域(主に膀胱、性器、会陰、肛門、臀部、尾骨)
4.顔面(頬、口腔全体、口蓋、舌、唇を含む顔全体)
5.骨格系(首、肩、腰)
国際RLS研究グループは最近、RLS診断基準を改訂し、従来の4つの必須基準(1. 動きたい衝動、2. 安静時に悪化、3. 活動によって症状が軽減、4. 夕方/夜に悪化)に加えて、5. 他の医学的/行動的状態のみでは説明できない症状、を追加しました。
口腔灼熱症候群(BMS)というものがありますが、この一部(多く?)はむずむず口腔症候群でしょう。(ここ参照)
むずむずが性器に来ると大変なようです。(どこに来ても大変ですが…)性欲の意識を欠いた状態で、性器およびクリトリスの過剰で持続的な興奮感覚が起きてしまいます。不眠を呈することも多いです。(ここ参照)
むずむず性器症候群は女性に多いようですが、男性の報告もあります。(ここ参照)性欲や性的な空想がない状態での、望まない不快な⾃発的なオルガスム、射精まで伴う場合があるようです。34歳の男性患者は、⾃発的な射精は、仕事中にデスクワークをしているとき、⾞の運転中、あるいはスポーツをしているときに、性的興奮や勃起がない状態で起こります。 ⾃発的な射精は1⽇に1〜3回起こり、性器に不快感と落ち着きのなさを感じるそうです。
むずむず性器症候群には、過活動性膀胱が伴うことも多いようですが、まさに過活動性膀胱の原因もむずむずかもじれません。むずむず膀胱です。(ここ参照)特に夜間頻尿の場合はむずむず膀胱である可能性も高いでしょう。
頭痛にも関連している可能性があります。(ここ参照)
過敏性腸症候群の人の中にはむずむず腸症候群の人やむずむずが併発している人もいるでしょう。(ここ参照)
様々なむずむずはむずむず脚症候群に比較的効果のある、ドパミン作動薬が効果を示すことが多いのですが、果たしてドパミン作動薬で治療しても良いものかどうかはよく考えるべきでしょう。薬を中止すると多くは症状が再発してしまいます。
以前の記事「むずむず脚症候群の薬にご注意を」で書いたように、むずむずの薬には非常に困ったことが起きます。ドパミン作動薬の長期使用は、むずむず脚症候群症状の強度と持続期間が徐々に悪化する「増強」(Augmentation)のリスクを伴うことが多いことが明らかになっています。もう一つの問題は、「衝動制御障害」という、病的賭博、窃盗癖、強迫的買い物、性欲過剰など、さまざまな衝動行動が見られます。
むずむず脚症候群だけでなく、他のむずむずも薬でどうにかしようとすると、同じような副作用に悩ませられる可能性が高いでしょう。
私は一連のむずむずは「むずむず脚症候群は糖質過剰症候群 その1」「その2」で書いたように、糖質過剰症候群だと考えています。
むずむずのような症状が現れたら、糖質制限をしっかりしましょう。その前にむずむずしないように糖質制限を早い段階で始めましょう。
ここでもサプリなどの足し算より、
引き算の糖質制限が、有効でコスパ
良いですね。