植物性食品中心の食事と骨粗しょう症のリスク

私は肉が大好きです。でも野菜も好きです。いくら野菜が好きとは言え、ベジタリアンやビーガンになろうとは全く思いません。肉食かビーガンのどっちかを取るとすれば、当然肉食です。

さて、ベジタリアンやビーガンは私は全く健康的な食事には思えませんが、野菜はヘルシーな食材として定説のようになってしまっています。野菜が本当にヘルシーならば、人間にとって重要な骨にとっても健康的であるはずです。

今回の研究では、ベジタリアンやビーガンなどの植物性食生活と骨粗しょう症リスクの関連性のメタアナリシスです。合計243,366人の参加者を対象とした20件の観察研究を解析しています。(図は原文より)

上の図のAは、植物性食事と大腿骨頸部(FN)の骨密度(BMD)に関するメタアナリシス、Bは植物性食事と腰椎(LS)の骨密度(BMD)に関するメタアナリシスです。Aに示すように、有意ではないものの、菜食主義者は雑食者と比較して大腿骨頸部の骨粗しょう症になりやすい可能性(OR = 1.91)を示しています。さまざまな植物性食事を調べたところ、乳卵菜食主義者(ラクト・オボ・ベジタリアン)でOR = 1.82(有意差なし)、ビーガンでOR = 1.79(有意差なし)でした。
Bに示すように、腰椎では菜食主義者は雑食者と比較して、骨粗しょう症を発症する可能性が2.44倍でした。乳卵菜食主義者はOR = 2.68(有意差なし)、ビーガンはOR = 1.45でした。

さらに、植物性食事を10年以上続けている60歳以上の人では、大腿骨頸部の骨粗しょう症の可能性が1.79倍でした。腰椎では60歳未満で4.29倍でした。

いずれにしても、人間にとって肉は大事です。植物性の食事、特にビーガンでは様々な栄養素が不足するでしょう。特に高齢者では十分なタンパク質摂取は非常に重要です。以前の記事「ビーガンは骨折リスクが高い」でも書いたように、骨折リスク増加は、骨の健康状態の悪化だけでなく、筋肉量、筋力などの低下による転倒リスクの増加も関係あるのかもしれません。さらに以前の記事「ビーガンは酸化ストレスが増加する」で書いたように、ビーガンの酸化ストレスの増加が骨や筋肉に悪影響を与える可能性もあるでしょう。

人間の初期設定は肉食で、仕方がなく植物性のものを食べる雑食です。植物性の食事=ヘルシーではありません。

「Plant-based diet and risk of osteoporosis: A systematic review and meta-analysis」

「植物性食品中心の食事と骨粗鬆症のリスク:系統的レビューとメタアナリシス」(原文はここ

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