安定狭心症におけるインスリン抵抗性の指標であるTyGインデックスは高リスク冠動脈プラークと関連している

心血管疾患は糖質過剰症候群です。インスリン抵抗性の指標であるTyGインデックス(測定はここから)と冠動脈プラークとの関連はどうなっているでしょうか?薄い線維性被膜アテローム(TCFA)は脆弱プラークの特徴であり、プラーク破裂の前駆因子と考えられています。

今回の研究では、冠動脈造影と光干渉断層撮影(OCT)という検査を受けた安定狭心症患者352人を対象として、薄い線維性被膜アテローム(TCFA)とTyGインデックスとの関連を調べました。患者はTCFA群と非TCFA群に分類されました。また、患者は低TyG群(TyG ≤ 8.93)と高TyG群(TyG > 8.93)の 2つのグループに分けられました。

TCFA群の患者は、非TCFA群と比較してTyGインデックスが有意に高く、8.98対8.65でした。(図は原文より、または原文より改変)

上の図はTyGインデックスとTCFAの可能性の関連性です。最適なカットオフ値は8.93でした。TCFAの独立予測因子はTyGインデックスが最も高く、TyGインデックスが高いとTCFAの可能性は3.474倍でした。LDLコレステロールは2.358倍、CRPは1.455倍でした。ただ、インスリン抵抗性が高いことでLDLコレステロールもCRPも高くなると考えられます。

下の図のように高TyG群では線維性被膜が有意に薄く(65.00対 94.00 µm)、最大脂質弧が大きく(200.00対180.00度)、最小内腔面積が小さく、TCFAの発生率は高く(53.6% 対 20.0%)、マクロファージ浸潤の発生率も高く(28.6%対 17.9%)、プラークびらんの発生率も高く(25.0%対 14.6%)なっていました。

安定狭心症であっても、わからないだけで、インスリン抵抗性があると脆弱性のプラークが存在する可能性が高くなります。脆弱プラークの破裂は、急性冠症候群(ACS)で主要な有害心血管イベント(MACE)の発生と密接に関連しています。「安定」症状が根本的な高リスク形態学的特徴を覆い隠している可能性があることを示唆しています。「その時」は突然にやってくるでしょう。

TyGインデックスが8.93というのは、例えば空腹時中性脂肪が150mg/dLで空腹時血糖が101mg/dLの場合です。

プラークの脆弱性は代謝障害と大きく関係しています。というか、代謝疾患です。LDLコレステロールなんかより、インスリン抵抗性、高インスリン血症、高血糖の方が重要でしょう。

「Association between triglyceride-glucose index and OCT-defined high-risk coronary plaques in stable angina」

「安定狭心症におけるトリグリセリド・グルコース指数とOCTで定義された高リスク冠動脈プラークとの関連性」(原文はここ)

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