痛覚変調性疼痛の本質は脳のインスリン抵抗性ではないか? その5 間質性膀胱炎/膀胱痛症候群

痛覚変調性疼痛には間質性膀胱炎/膀胱痛症候群もあります。

日本泌尿器科学会のガイドラインでは、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎 を「膀胱に関連する慢性の骨盤部の疼痛,圧迫感または不快感があり,尿意亢進や頻尿などの下部尿路症状を伴い,混同しうる疾患がない状態」の総称としています。

症状として、骨盤領域の痛み、圧迫感、または不快感、および日中の頻尿が 10 回以上、痛み、圧迫感、または不快感による尿意切迫感、夜間頻尿などです。

この疾患が痛覚変調性疼痛が主なメカニズムであるならば、糖質過剰摂取による糖質過剰症候群と関連があるはずです。ただし、間質性膀胱炎/膀胱痛症候群と糖質過剰症候群を繋ぎ合わせるエビデンスはまだほとんどありません。

今回の研究では、間質性膀胱炎/膀胱痛症候群のある患者とない患者におけるメタボリックシンドロームの頻度を比較しました。間質性膀胱炎/膀胱痛症候群を有する女性287人とそれを有しない女性287人を対象にしています。(図は原文より)

上の図のように、間質性膀胱炎/膀胱痛症候群のある患者では、対照群と比較して、メタボリックシンドローム(34.8% vs. 17.8%)、糖尿病(16.0% vs. 9.4%)、高血圧(30.8% vs. 13.2%)の発生率が高くなっています。どれも糖質過剰症候群です。さらに、間質性膀胱炎/膀胱痛症候群患者は、BMI(24.49±2.94 vs. 21.79±2.6)、腹囲(85.37±10.15 vs. 82.01±8.44)、空腹時血糖値(5.69±1.44 vs. 5.03±0.81)、血清シスタチンC(0.86±0.25 vs. 0.79±0.13)、中性脂肪(1.35±0.73 vs. 1.18±0.59)が高くなりました。

また別の研究(ここ参照)では、男性の場合は膀胱痛症候群/間質性膀胱炎は勃起不全(ED)と強く関連しています。EDも糖質過剰症候群です。

他の研究(ここ参照)でも、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎は睡眠時無呼吸と関連していました。閉塞性睡眠時無呼吸のある人では、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎のリスクは3.71倍でした。

もう一つ、ある研究(ここ参照)で、逆流性食道炎患者は逆流性食道炎がない人と比較して、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎のリスクが2倍でした。

もちろん、膀胱痛症候群/間質性膀胱炎では、他の痛覚変調性疼痛の線維筋痛症や過敏性腸症候群などの合併が非常に多くなります。

膀胱中心ではない間質性膀胱炎/膀胱痛症候群の患者では、小線維性神経障害が強く関与していると考えられます。(ここ参照)

また、酸化ストレスと慢性炎症が間質性膀胱炎/膀胱痛症候群の発症と進行に強く関与していると考えられます。(ここ参照)酸化ストレスと慢性炎症は糖質過剰症候群の特徴ですね。

状況証拠を重ね合わせると、間質性膀胱炎/膀胱痛症候群でさえ、糖質過剰摂取によるインスリン抵抗性が強く関与している可能性が高いと考えます。

「Metabolic syndrome in women with and without interstitial cystitis/bladder pain syndrome」

「間質性膀胱炎/膀胱痛症候群の有無と女性におけるメタボリックシンドローム」(原文はここ

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