糖質制限をすると、少なくない割合でLDLコレステロール値が上昇します。そして、それは一時的なものではなく増加したままであることも少なくありません。私自身もその一人です。
健康診断でうるさく言われるのが嫌で、どうしてもLDLコレステロールを下げたいのであれば、エゼチミブ(商品名:ゼチーア)を飲んでみるのも良いのかもしれません。
今回の研究では、14人(57.6歳、平均BMI25.4)が対象で、全員が低炭水化物のケトン食を遵守して、LDLコレステロール値が著しく増加した人ばかりです。12人の患者はエゼチミブ単剤療法を受けました。2人の患者は、長期にわたるスタチンに加えてエゼチミブを投与されました。ベースラインからフォローアップまでの平均間隔は130日です。(図は原文より改変)
上の図は総コレステロールの推移です。赤が中央値、青がそれぞれの変化です。335から200mg/dLに大幅に低下しています。相対変化の中央値は-38.5%です。
上の図はLDLコレステロールの推移です。254から127mg/dLとこれも大幅に低下しています。127mg/dLなら文句は言われないでしょう。相対変化の中央値が-53.2%と半分以下に減ったのです。
上の図はHDLコレステロールの推移です。これは変化がありません。
上の図は中性脂肪です。やや低下しています。相対変化の中央値-23.0%です。
上の図は、ケトン食誘発性高コレステロール血症におけるエゼチミブに対する個々のLDLコレステロールの反応です。
エゼチミブ投与開始時に背景でスタチン療法を受けていた患者が2人が左の赤です。エゼチミブ単剤療法に限定したLDLコレステロールの減少の中央値は-50.4%で、絶対変化の中央値は-137.0mg/dLでした。スタチン療法を受けていた2人の患者は、全体の中で最も強い反応を示していました。
ただ、従来の高コレステロール血症では、エゼチミブ単剤療法でLDLコレステロールは約18%低下します。(上の図の青の点線)それと比較すると、ケトン食時のLDLコレステロール低下効果は驚くべきものがありますね。
今回の結果を見ると、小腸からのコレステロール吸収経路が糖質制限誘発性高コレステロール血症に大きく寄与していると考えられます。
私自身は、糖質制限でLDLコレステロールが爆増しても、なんら気にしません。健診のコメントはうるさく、「要医療」というおせっかい極まりない言葉が書かれています。
数値を整える必要がある場合は、エゼチミブを使ってみることは一考に値するかもしれません。何日飲めば医師が納得するレベルまで低下するのかはわからないので、自分で試す必要があります。ただ数値が整うことと、健康であるかどうかは別です。LDLコレステロールが高い方が長生きです。数値は下げるけどショボい薬(「スタチンではないコレステロールを低下させる薬ゼチーアの効果はこんなもの?」参照)を飲む必要はありません。
筋毒性があったり、HbA1cが有意に上昇したり、ということも報告されています。(「ゼチーアの筋毒性」参照)
副作用のない薬はありません。
「Increased LDL-C reduction with ezetimibe in ketogenic diet-induced hypercholesterolemia」
「ケトン食誘発性高コレステロール血症におけるエゼチミブによるLDL-C低下効果の増強」(原文はここ)





健診LDL問題取り上げていただきありがとうございます。
常識が必ずしも健康に役立つわけでもなく、自己責任で情報リテラシーを磨くしかありません。