今年のインフルエンザの流行は例年よりも早いと、マスコミが煽っています。
川崎市でインフル流行 例年より2カ月早く 夏休みで外出の機会多く感染対策呼びかけ(ここ参照)
川崎市は医療機関によるインフルエンザの平均患者報告数が、流行開始の目安に達したと発表しました。
例年は秋口の10月から11月頃からですが、今年は2カ月ほど早く8月に流行が始まりました。
ここ数年は流行開始目安に達すると、一気にインフルエンザ患者が増加していました。現時点で集団感染は発生していません。
川崎市の担当者は、すぐに感染が拡大するかは「分からない」と話していて、8月はお盆や夏休みなどで外出する機会が増えることから、手洗いやうがいなどの感染対策を、例年よりも早めに心がけてほしいと呼びかけています。
川崎市の他、横浜市、藤沢市などでも流行が始まったようなことを言っています。だからどうした?といつも思っていますが、小児科や内科などにとっては稼ぐのにはうれしいのかもしれません。
さて、相変わらずインフルエンザになると、抗インフルエンザウイルス薬のタミフルなどが処方されるケースは多いでしょう。それらの薬投与後の小児の異常行動を見たことない医師は、バンバン処方を続けるでしょう。一度でも目の前で異常行動を示す子供を見たら、怖くて処方なんてできません。
さて重症インフルエンザの患者、治験の段階では、重症例は外されているので、重症患者にとって安全なのか危険なのかはわからないまま、重症例にも使われています。
今回の研究では、検査でインフルエンザと確定診断された重症患者442人を対象としています。(プレプリントなので注意が必要です)
オセルタミビル(タミフル)を5日間投与する群、10日間投与する群、または抗ウイルス治療を行わない群を比較しました。平均年齢は約60歳でした。
90日目までに、抗ウイルス剤なし群では17人(13.7%)、5日間オセルタミビル投与群では32人(19.8%)、10日間オセルタミビル投与群では30人(19.4%)が死亡しました。90日までに死亡してしまう可能性は、5日間オセルタミビル投与で2.13倍、10日間オセルタミビル投与で2.17倍であり、抗ウイルス剤なしの方が有益だったのです。
オセルタミビルが有害事象を引き起こす確率は、どちらの投与法でも約98%でした。実際、オセルタミビル投与群はいずれも、試験で事前に規定された劣性の境界を超えたため、データ安全性監視委員会はこれらの群への登録を中止するよう勧告したのです。
タミフルによる治療は効果がなく、重症インフルエンザ患者の90日死亡率を増加させる可能性が非常に高いのです。
問題なのは、この薬が重症例に安全なのかどうかという試験が一度も行われていないにもかかわらず、薬が日常的に投与され、ガイドラインで推奨され、重症インフルエンザ向けに特に世界保健機関の必須医薬品リストに掲載され、政府によって備蓄されるという状況にまで至ってしまったことです。ここに医療業界の闇があります。
ただ、日本政府は新型インフルエンザ対策特別措置法に基づいてタミフルなどのインフルエンザ治療薬を確保していますが、24年12月末時点では国と都道府県で合わせて約3800万人分にのぼります。(ここ参照)備蓄薬は新型インフルエンザのみに使う目的であり、毎年の季節性インフルエンザには使用できない、としています。これも変な話で、新型インフルエンザにこれらの薬が効果があるのかどうかもわからないのに、非常に多くの薬が備蓄され続けているのです。
ちなみに政府の備蓄目標は5650万人分です。(ここ参照)政府がこれだけ買い取ってくれるので、製薬会社もウホウホですね。
タミフルを飲むと、次の年にもインフルエンザ感染を起こしやすくなります。恐らく免疫が上手くできないからでしょう。
インフルエンザは重症化しないのであれば、自然経過で治ります。タミフルは発熱が少し早く収まる程度の効果です。そして、今回の研究のように、重症であれば、タミフルで死亡率が上がります。
抗インフルエンザ薬の出番はありません。
「Oseltamivir for Critically Ill Patients with Influenza: A Randomised Trial」
「重症インフルエンザ患者に対するオセルタミビル:無作為化試験」(原文はここ)

部外者の感想ですが、
製薬会社主導の医療に見えます。