ステージIIIの大腸がんで糖質をたっぷり食べると再発や死亡リスクが高くなる

以前の記事「若年性のがんの発生率は世界的に増加している その1」「その2」「その3」では、若年性のがんの発生率、特に大腸がんの発生率が増加していることを書きました。

もちろん、私はその原因は糖質過剰摂取にあると考えています。そして、その原因の一つに糖質入りドリンクが関係している可能性を「糖質入り飲料の摂取と若年性の大腸がん発症リスク」で書きました。

もちろん、がんはならないことに越したことはありません。しかし、なってしまったら、その後の食事は非常に重要です。

今回の研究では、補助化学療法試験への参加中および参加後6ヶ月間の食事摂取量を報告したステージIII結腸がん患者1011人を対象としたものです。食事データはいつものように食事アンケートなので、質は低いです。

また、グリセミック指数(GI:glycemic index)およびグリセミック負荷(GL:glycemic load)も個人差や個人内差が大きいものなので、参考程度かもしれません。

追跡期間の中央値は7.3年でした。1011人の患者のうち、343人にがんの再発が見られ、そのうち262人が死亡しました。さらに43人の患者は、がんの再発が確認されないまま死亡しました。

食事性グリセミック負荷が高いほど、無病生存期間、無再発生存期間、および全生存期間が統計的に有意に悪化しました。グリセミック負荷で5つのグループに分けたとき、グリセミック負荷が最も低い群の患者と比較して、最も高い群の患者では、無病生存期間が1.79倍悪化しました。

グリセミック負荷が最も高い群の患者では、がんの再発または死亡リスクは1.67倍でした。

総果糖摂取量が最も多い群は、無再発生存が 1.42倍悪化しました。

総炭水化物摂取量の増加は、無病生存期間、無再発生存期間、および全生存期間と統計的に有意な関連が認められました。総炭水化物摂取量が最も少ない群の患者と比較して、最も多い群の患者では、がん再発またはあらゆる原因による死亡リスクが1.80倍でした。無再発生存期間も2.05倍、全生存期間も1.84倍悪化しました。

さらに、過体重または肥満の人(BMI 25以上)では、グリセミック負荷が高いほど無病生存期間が2.26倍悪化しました。

医療の世界では、抗がん剤治療を受けるときに「痩せないように、食べられるものを何でも食べてね」なんていう、無責任なことを言われます。しかし、今回の研究のように、糖質たっぷりのもの、血糖値が上がりやすいものを食べると、再発しやすくなり、死亡リスクも上がります。

糖質過剰摂取の代表である糖尿病の人の研究を見てみましょう。(ここ参照)糖尿病患者では一般集団と比較して大腸がんによる死亡リスクが有意に高いことを示しており、その大きさは年齢の低下とともに増加しています。男性では、75歳以上で1.65倍ですが25~54歳では5.69倍であり、女性では75歳以上で1.46倍ですが、25~54歳では3.05倍でした。若い人ほど影響が大きいのです。

糖尿病で厳格な血糖コントロールを薬で行っても、がんの発症リスクや死亡リスクを低下させません。(ここ参照)

大腸がんの発症の後も、そして大腸がんの予防にも、やっぱり糖質制限ですね。

「Dietary glycemic load and cancer recurrence and survival in patients with stage III colon cancer: findings from CALGB 89803」

「ステージIII結腸がん患者における食事性グリセミック負荷とがん再発および生存率:CALGB 89803試験の結果」(原文はここ)

2 thoughts on “ステージIIIの大腸がんで糖質をたっぷり食べると再発や死亡リスクが高くなる”

  1. 癌治療やケトン食によるてんかん治療
    (保険適用だそうですが)等、
    医師が食事療法を治療の選択肢として
    下さる事が一般的になれば良いですね。

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      医師が食事療法、特に糖質制限を治療として使うことは、まずありえないでしょう。
      食事で病気が改善しては医療側は困ります。

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