血圧を下げれば心血管疾患や死亡率を低下させられるのか?

血圧を下げるように言われている人も多いでしょう。でも本当に血圧って下げなければならないのでしょうか?心血管疾患リスクを低下させる効果はどれほどでしょうか?

今回の研究では、収縮期血圧のベースライン値別に、降圧療法が主要心血管イベントのリスクに及ぼす影響を調査しています。少なくとも 1000 人年の追跡期間がある 48 件のランダム化試験のメタアナリシスです。

344,716人の参加者のデータが利用可能でした。ランダム化前の平均収縮期/拡張期血圧は、心血管疾患の既往歴のある参加者(157,728人)では146/84 mmHg、心血管疾患の既往歴のない参加者(186,988人)では157/89 mmHgでした。ベースライン時の参加者の血圧にはかなりのばらつきがあり、心血管疾患の既往歴のある参加者の31,239人(19.8%)と心血管疾患の既往歴のない参加者の14,928人(8.0%)が収縮期血圧130 mmHg未満でした。

中央値4.15年の追跡期間後、42,324人(12.3%)の参加者が少なくとも1つの主要な心血管イベントを経験しました。ベースラインで心血管疾患の既往歴がない参加者では、1,000人年あたりの主要な心血管イベントの発生率は、比較群で31.9、介入群で25.9でした。1年で1000人当たりたった6人の違いです。

ベースラインで心血管疾患の既往歴がある参加者では、1,000人年あたりの主要な心血管イベントの発生率は、比較群で39.7、介入群で36.0でした。1年で1000人当たりたった3.7人の違いです。(図は原文より)

上の図は、収縮期血圧5mmHg低下あたりの主要心血管イベント発生率です。心血管イベント発生リスクは心血管疾患のない参加者では0.91倍、心血管疾患のある参加者では0.89倍でした。

血圧低下の強度と主要心血管イベント予防における相対的治療効果との関連性です。主要心血管イベントのリスクは、達成された収縮期血圧低下の大きさに比例することが示されました。しかし、製薬会社がスポンサーの利益相反バリバリの試験ばかりであることに注意が必要です。

上の図は、血圧降下療法が主要心血管イベントおよびそれぞれの疾患に及ぼす影響を示しています。収縮期血圧が5 mmHg低下すると、ベースラインでの心血管疾患の有無に関係なくリスクが低下しています。ただし、ベースラインで心血管疾患の既往歴がある群の心血管疾患による死亡、ベースラインで心血管疾患の有無にかかわらず全原因死亡は有意差がありません。

つまり、収縮期血圧を5 mmHg低下させても、全原因死亡率は変化がないのです。たとえ、個々の疾患のリスクが高くなったとしても、死亡という点から見れば、何の利益にもならないのです。

上の図は、ベースラインで心血管疾患の既往歴のある人の、ベースラインにおける様々な血圧のレベルにおける、疾患や死亡のリスクです。収縮期血圧が5 mmHg低下しても、虚血性心疾患、心不全は多くの血圧レベルで有意差なしです。そして、心血管疾患死、全原因死亡も、ほとんどの血圧レベルで有意差がありませんでした。結局、収縮期血圧が5 mmHg低下しても、ほとんど影響ないのです。

上の図は、ベースラインで心血管疾患の既往歴のない人の場合です。既往歴のある人よりもさらに、収縮期血圧を5 mmHg低下させる恩恵はありませんね。

医療業界は血圧を下げることに夢中です。高血圧の範囲をどんどん低くして、治療対象をどんどん広げています。しかし、恐らくその利益を受けるのは患者ではないでしょう。

心血管疾患、高血圧は糖質過剰症候群です。まずは糖質制限です。

「Pharmacological blood pressure lowering for primary and secondary prevention of cardiovascular disease across different levels of blood pressure: an individual participant-level data meta-analysis」

「さまざまな血圧レベルにおける心血管疾患の一次および二次予防のための薬理学的血圧降下:個別参加者レベルのデータメタアナリシス」(原文はここ

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