医療はあなたが壊れるのをじっと待っています。予防と言いながら、本当に早い段階で異常を察知できる検査は行わず、壊れる寸前まで異常が起こらないパラメータばかりを検査して、「問題ありません」と言い続け、壊れた段階で「やっと壊れましたね」と治療を始めます。
私がここで言っている「壊れる」というのは代謝が壊れることを意味しています。私の考えでは、ほとんどの疾患の根本的な原因は糖質過剰摂取にあります。そして、糖質過剰摂取を続けると、代謝異常を起こし、様々な疾患を発症し始めます。
例えば、空腹時血糖値は92、HbA1cは5.4であれば、「問題ありません。正常です」と言われるでしょう。しかし、この時点でのすでに代謝の崩壊は始まっているかもしれません。
上の図は、代謝が破綻するまでの推移のイメージをAIに書いてもらったものです。医療では糖尿病でなければ決して測定しない「空腹時インスリン値」、医師が無視するインスリン抵抗性。これを見ないと、代謝の異常の早期発見は難しいでしょう。または、食後の血糖値を測定するのも有効かもしれませんが、通常は空腹時で採血する場合がほとんどでしょう。
糖尿病は高血糖によって定義されるため、検査は血糖値とHbA1cに重点が置かれています。空腹時インスリンは、より早期マーカーであるにもかかわらず、測定されません。せっかく人間ドックを受けても、インスリンを測定することはまずないはずです。10年以上インスリン抵抗性を抱えていても、血糖値が正常範囲内であれば、正常であると告げられます。何でもない高LDLコレステロール値はすぐに問題視されるのに…。
通常の検査でインスリン抵抗性を捉えるには、「糖尿病発症の10年前からの変化」でも書いたように、SPISEなどでも良いかもしれません。HDLコレステロール値、中性脂肪値、身長、体重を入力するだけで、ある程度の目安がわかります。6.61未満はインスリン抵抗性ありですが、8.5以上あった方が良さそうです。9を超えていれば全く問題ないと思われます。
初期のインスリン抵抗性は、ほとんどが可逆的です。早く糖質制限をすれば、その後問題なく過ごせ、糖尿病になることはないでしょうし、他の病気のリスクも格段に低下するでしょう。
あなたの糖尿病、代謝障害、様々な疾患は、10年も20年も前から始まっていることを知れば、今すぐ糖質制限をした方が良いと思いませんか?
次回以降ではもう少し、この内容を他の論文から、掘ってみたいと思います。
「Trajectories of glycaemia, insulin sensitivity, and insulin secretion before diagnosis of type 2 diabetes: an analysis from the Whitehall II study」
「2型糖尿病診断前の血糖値、インスリン感受性、インスリン分泌の推移:ホワイトホールII研究からの分析」(原文はここ)
「Type 2 Diabetes: When Does It Start?」
「2型糖尿病:いつ発症するのか?」(原文はここ)

いつも勉強になります。どうもありがとうございます。
昔ある医師の方が「俺はHbA1c5.8だから糖尿病ではない」とおっしゃってましたけどちょっと気を付けたほうがいいんじゃないかと思ったのを思い出しました。
よっしーさん、コメントありがとうございます。
HbA1cなどという感度の低い検査でいまだに糖尿病の診断やコントロールをしていること自体が疑問です
「医療はあなたが壊れるのをじっと待っています。予防と言いながら、本当に早い段階で異常を察知できる検査は行わず、壊れる寸前まで異常が起こらないパラメータばかりを検査して、「問題ありません」と言い続け、壊れた段階で「やっと壊れましたね」と治療を始めます。」
医療に対して抱いている
「モヤモヤ(不信感)」
を的確に(しかも現役の医師のお立場から)表現してくださり、
ありがとうございます。