以前の記事「葉酸サプリメントの過剰摂取は自閉症の危険因子か?」「妊娠中の葉酸過剰摂取は妊娠糖尿病のリスクを増加させるかもしれない」などで妊娠中の葉酸サプリメント摂取の懸念を書きましたが、閉経後でも葉酸サプリメントを飲んでいる人はいるのでしょうか?
もし、飲んでいるのであれば、よく考えた方が良いかもしれません。そもそも、「葉酸(Folate)」と「合成葉酸(Folic Acid)」は違います。
今回の研究では、健康な閉経後女性105人(平均年齢60.2歳、BMI30.3)を対象に、食事とサプリメントによる葉酸と合成葉酸の摂取量と免疫機能の指標であるナチュラルキラー細胞(NK)細胞傷害性との関係を評価しました。(図は原文より)
上の図は、閉経後女性におけるサプリメントからの葉酸摂取量(横軸)とNK細胞毒性(縦軸)との関連性です。バーが薄いグレーが食事からの葉酸の摂取量が233 μg/日未満の人で、濃いグレーが233 μg/日以上の人です。食事からの摂取量が少ない人では、サプリからの葉酸が多いとNK細胞毒性が高まりますが、食事からの摂取量が多い場合、サプリからの葉酸が多い(400 μg/日以上)と逆にNK細胞毒性が低下しています。。
上の図は、未代謝葉酸(横軸)とNK細胞毒性(縦軸)の関連です。白と黒の違いは省略します。サプリの合成葉酸は、食事の葉酸とは体内への吸収率や代謝経路が異なり、合成型を過剰摂取すると未代謝葉酸が血中に残ってしまいます。図のAはすべての女性、血中の未代謝葉酸の有無、Bは 50~59 歳の女性、血中の未代謝葉酸を3つのグループに分けたもの、Cは60~75 歳の女性、血中の未代謝葉酸を3つのグループに分けたものです。血中に未代謝葉酸が検出された女性では、NK細胞毒性が有意に低くなりました。
年齢別で見ると、60~75歳の女性では血中に未代謝葉酸とNK細胞毒性の間に強い逆相関が認められ、平均NK細胞毒性は、未代謝葉酸の濃度が高くなるにつれて有意に減少し、未代謝葉酸濃度が3.1 nmol/Lを超える女性では、未代謝葉酸が検出されない女性と比較して、NK細胞毒性が約25%低くなりました。
つまり、サプリで葉酸を摂りすぎると、免疫機能の低下を起こす可能性があるのです。
もう一つ見てみましょう。この研究では、年齢27.7歳、BMI23.1の健康な人30人(女性15人)を対象に、5 mgの合成葉酸のサプリを毎日90日間飲んでもらいました。(5mgというのはものすごい量ですね)介入後、血中の葉酸濃度は約5倍に増加しました。未代謝葉酸濃度はベースラインと比較して45日目と90日目でそれぞれ11.9倍と5.9倍に増加しました。(図は原文より)
上の図は、ベースライン、45日後、90日後のNK 細胞の数 (A) および細胞傷害能 (B)です。合成葉酸の摂取により、NK細胞の絶対数およびこれらの細胞の細胞傷害能を有意に減少させました。
若い人であっても、葉酸サプリの過剰摂取は、このようにNK細胞の機能を低下させる可能性があります。
葉酸は食事から摂取しましょう。サプリで葉酸を「ようさん」摂るのは気をつけましょう。(この方言がわかるかな?)
「Unmetabolized folic acid in plasma is associated with reduced natural killer cell cytotoxicity among postmenopausal women」
「血漿中の未代謝葉酸は、閉経後女性におけるナチュラルキラー細胞の細胞傷害活性の低下と関連している」(原文はここ)
「A Daily Dose of 5 mg Folic Acid for 90 Days Is Associated with Increased Serum Unmetabolized Folic Acid and Reduced Natural Killer Cell Cytotoxicity in Healthy Brazilian Adults」
「健康なブラジル人成人において、90日間毎日5mgの葉酸を摂取すると、血清中の未代謝葉酸濃度の上昇とナチュラルキラー細胞の細胞傷害活性の低下が認められる」(原文はここ)



サプリメントは玉石混淆の印象。
最近は無調整豆乳と生卵岩塩シェークが
プロテイン、サプリメント代りです。