葉酸サプリメントの過剰摂取は自閉症の危険因子か?

妊娠中の女性は、二分脊椎などの神経管閉鎖障害のリスクを軽減するために、十分な葉酸の摂取が推奨されています。しかし、食材に含まれる葉酸と、サプリメントの合成葉酸とは違いがあります。葉酸摂取、葉酸サプリメントのあまりにも安易な推奨が、大幅な摂取量の増加を生み、過剰な体内の葉酸、特に血中の未代謝の合成葉酸濃度の上昇を生んでいる可能性があります。過剰な葉酸は、以前の記事「妊娠中の葉酸過剰摂取は妊娠糖尿病のリスクを増加させるかもしれない」「妊娠中の母体血清葉酸値と胎児の先天性心疾患」などで書いたように危険です。

自閉症は、妊娠中や小児期の早い段階でのアセトアミノフェンやワクチン接種との関連があると思いますが、葉酸も関係しているでしょう。

確かに、自閉症スペクトラム障害と診断された小児への葉酸サプリメントは、一部の神経学的症状と行動的症状などの改善につながるという報告もあります。

しかし、出生前の過剰な血中の葉酸は自閉症リスクを高める可能性があります。

ある研究(ここ参照)では、週2回以下の低頻度および週5回超の高頻度のマルチビタミンのサプリメント摂取は自閉症スペクトラム障害(ASD)リスクの上昇と関連していた。しかし、血中濃度で見てみると、血中の葉酸濃度、ビタミンB12濃度が90パーセンタイル以上の場合は、どちらもASDリスクが2.5倍でした。そして、葉酸とビタミンB12の両方が非常に高い場合は、13.7倍にもなりました。

別の研究(ここ参照)でも、ASDと分類された256人の子供と752人の対照群を比較した場合、ASDは、葉酸サプリメントの自己申告と正の相関関係にあり、葉酸サプリメントを摂取していると自己申告した母親が、ASDの子供を持つリスクは2.34倍でした。

もちろん、葉酸サプリが自閉症のリスクを下げるという研究もあります。しかし、むやみに過剰な合成葉酸の摂取は危険である可能性があります。

サプリを摂るのであれば、十分に注意して、できる限り食事から摂るようにしましょう。

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