痛覚変調性疼痛の本質は脳のインスリン抵抗性ではないか? その2 片頭痛

痛覚変調性疼痛は様々な疾患で起こります。代表的なのは、例えば線維筋痛症でしょう。

以前の記事「線維筋痛症は糖質過剰症候群である」で書いたように、線維筋痛症はインスリン抵抗性が改善すると、痛みが改善します。恐らく、脳ではインスリン抵抗性が、末梢の神経では⼩線維性神経障害が起きていると思います。

今回の記事は、もう一つの代表的な疾患、片頭痛です。片頭痛が続くと、中枢性感作(脳の痛みを感じるシステムが過敏になり、通常なら痛みを感じないような軽い刺激でも強い痛みとして感じてしまう現象)が起こり、痛覚変調性疼痛を合併したり、移行したりします。

もともと、片頭痛は糖質過剰症候群であり、脳のインスリン抵抗性が原因になると思っています。以前の記事「片頭痛には糖質制限」「片頭痛の治療のための糖質制限」「片頭痛にはまず糖質制限を」で書いたように、糖質制限をすると、多くの片頭痛が改善します。

ある研究で、片頭痛患者84人、片頭痛以外の頭痛患者25人、健康な対照者26人に75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)を行いました。(図は原文より)

上の図は血糖値の推移です。黄色の〇は片頭痛群、オレンジの▢は他の頭痛群、赤い△は健康群です。健康な人と比較して、片頭痛も他の頭痛も血糖値が高くなりました。

上の図は、インスリンの推移です。健康な人と比較すると、他の頭痛でもインスリンが増加していましたが、片頭痛では非常に大きく増加していました。

他の研究でも、反復性片頭痛83人と慢性片頭痛83人と健常対照者83人を比較したところ、慢性片頭痛はインスリン抵抗性が有意に高く、インスリン抵抗性、うつ病、うつ病、高血圧、メタボリックシンドローム、肥満が、慢性片頭痛の予測因子でした。どれも糖質過剰症候群ですね。具体的には、インスリン抵抗性は、慢性片頭痛患者の24%、反復性片頭痛患者の9.6%で認められ、慢性片頭痛はインスリン抵抗性がある可能性は反復性の3.1倍でした。肥満は2.4倍でした。慢性片頭痛において最も頻度の高い併存疾患は、うつ病、高血圧、不安症でした。慢性片頭痛はでは、インスリン抵抗性と肥満がある可能性が13.2倍でした。

インスリン抵抗性と片頭痛の関係には、酸化ストレスを伴うミトコンドリア機能障害、全身性および神経の炎症など、いくつかの経路が関与していると考えられています。

片頭痛が起きたなら、薬で対処するよりも、まずは中枢性感作が起きる前に、脳のインスリン抵抗性を下げる食事、糖質制限を始めることが重要でしょう。そうしないと、次の糖質過剰症候群がやってきます。片頭痛、痛覚変調性疼痛も代謝疾患であり、糖質過剰症候群なのです。

「Metabolic Dysfunction and Dietary Interventions in Migraine Management: The Role of Insulin Resistance and Neuroinflammation-A Narrative and Scoping Review」

「片頭痛管理における代謝機能障害と食事介入:インスリン抵抗性と神経炎症の役割―概説とスコーピングレビュー」(原文はここ

「Chronic migraine in women is associated with insulin resistance: a cross-sectional study」

「女性における慢性片頭痛はインスリン抵抗性と関連している:横断研究」(原文はここ

2 thoughts on “痛覚変調性疼痛の本質は脳のインスリン抵抗性ではないか? その2 片頭痛

  1. 糖質摂取は確かに一時的な快楽ですが、
    歳を重ねるにつれ
    「この一口が不調の元凶」
    怖くて食べられません。

    糖質以外で健康的で美味しい物は
    山ほど有りますし。

    1. 鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。

      依存症になってしまうと、恐怖より欲求が強く抗えません。
      糖質で脳が喜んでしまいます。
      健康的とか美味しいというのは依存では関係ありませんね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です