太陽の光を浴びることは、人間にとって非常に重要です。しかし、日常生活の大半を室内で過ごす人も多いでしょうし、日焼けを気にしている人もいるでしょう。
そして、日光を避ける理由として、皮膚がんとの関連を挙げる人もいるでしょう。皮膚のシミや皮膚がんを予防するために、危険な成分の入った日焼け止めをせっせと塗りまくっている人もいるでしょう。
人間は、日光を浴びることにより、重要なビタミンDを作るように初期設定がされています。医療が日光を浴びることを避けるように推奨していることは、コレステロール摂取を減らすために卵を避けるように推奨していたことと似ているような気がします。
日光は死亡率も減らすし、皮膚がん以外の様々なリスクは低下すると考えられています。
日本の皮膚がんは、人口あたりの罹患率は19.9 例(男性21.3 例、女性18.6 例)(人口10万対)、死亡率は1.5 人(男性1.6 例、女性1.5 例)(人口10万対)とがんの中では最低レベルです。
5年生存率は、有棘細胞がんではステージ0~1ではほぼ100%、皮膚がん全体で5年相対生存率 94.6 %(男性94.4 %、女性94.6 %)です。(ここ参照)
有棘細胞癌(扁平上皮癌)は通常、転移する前に発見されるため、死亡率は低いでしょう。最も進行の早い皮膚がんは悪性黒色腫(メラノーマ)です。
その皮膚がんを避けるために、日光を浴びることを避ければ、他のがんや疾患のリスクが大きく増加してしまいます。
そして、危険な皮膚がんのメラノーマさえ、日光との関連は怪しい部分があります。日本人のメラノーマの発生部位で最も多いのが足の裏で約30%と言われています。その他、背中、口腔内や眼球、外陰部など、日焼けとは関係ない部位にもメラノーマはできるのです。
以前の記事「日焼けサロンで日焼けをすると悪性黒色腫リスクが上がる」で書いたように、日焼けマシンの使用はメラノーマの可能性を大きく増加させます。恐らく紫外線の質が、日光とは大きく異なるのでしょう。
また、屋内で働く人々において、メラノーマの発生率が着実に増加しています。屋外労働者は、屋内労働者の年間紫外線線量の3~10倍を浴びていると言われていますが、メラノーマ発生率は低く、屋内労働者の約半分です。(ここ参照)
職業上、多量に日光に曝露する人では、メラノーマの発生率が0.86倍に減少するという論文もあります。(ここ参照)
1960年のデータが利用可能なすべてのヨーロッパの国について、20年ごとに追跡調査を行った結果では、1980年と2000年には、個人年間紫外線量の減少に伴いメラノーマの発生率が有意に増加しました。(ここ参照)
さらに日光の曝露はメラノーマの死亡率を低下させます。(ここ参照)最近の日焼け止めの使用も、小児期の日焼け止めの使用も、メラノーマによる死亡リスクと統計的に有意な関連は認められませんでしたが、日光曝露は、使用した指標に関わらず、メラノーマによる死亡リスクと統計的に有意に逆相関していました。重度の日焼けを経験したことがある人では、死亡リスクが0.5倍、間欠的な日光曝露量が多い人では0.6倍でした。
さて、さらなる問題は、近年ずっと日光に対する危険性が唱えられているのに、ここ20年近く、皮膚がんが急増しているのです。日光を避けることを盛んに推奨され、日焼け止めのSPF の数値が上昇しているにも関わらずです。日光の紫外線が増えたわけではないでしょう。
下の図は、日本の皮膚がんのデータです。(データはここより)
2015年までのグラフですが、男女とも2005年~2007年くらいから急激な増加を示しています。
ちなみに、10年ごとに見ていくと、下の表のように、2001年と比較して10年でおよそ2倍になり、20年でおよそ3倍になっています。
| 罹患数 | 2001 | 2011 | 2021 |
| 男性 | 4,022 | 8,949 | 13,002 |
| 女性 | 4,186 | 8,480 | 12,016 |
10万人当たりで見ても、下の表のように、罹患率は10年で2倍、20年で3倍になっています。
| 罹患率(人口10万対) | 2001 | 2011 | 2021 |
| 男性 | 6.5 | 14.4 | 21.3 |
| 女性 | 6.4 | 12.9 | 18.6 |
高齢化もあるでしょうけど、年齢調整しても、罹患率は下の図のようになっています。
年齢調整すると、1990年からずっと横ばいの罹患率が、やはり2007年くらいから急増しています。何かが起きていないと、こんなことにはなりません。日光が原因であるとは思えません。
我々はどこからか攻撃を受けているのでしょうか?男性も女性もほとんど同じ時期から、同じように増加しています。2007年より少し前から何かが始まったのでしょうか?
正直言って何が起きているのかはわかりませんが、日光ではない、何かが我々の皮膚をがん化させているのです。
そして、原因の一つの候補は「アレ」です。「アレ」についてはまた次回以降の記事で書きたいと思います。

