以前の記事「糖尿病薬DPP-4阻害薬のショボい効果」で書きましたが、DPP-4阻害薬に期待はできません。そればかりじゃなく、あの悪薬のスルホニル尿素薬よりも有害作用があるかもしれません。
今回の研究では、台湾の全国データベースに基づく、DPP-4阻害薬の長期使用と糖尿病網膜症との関連性を分析しています。2009年から2017年の間にDPP-4阻害薬またはスルホニル尿素薬で治療を受けた新規発症糖尿病患者が対象で、DPP-4阻害薬使用患者は83,503人、スルホニル尿素薬使用患者は167,006人でした。DPP-4阻害薬を投与された患者は症例群に含まれ、累積の処方日数で、≤90日、91-180、181-300、>300日にさらに分類されました。(図は原文より)
上の図は、糖尿病網膜症の累積発生率です。黒い線がスルホニル尿素薬、他の色付きの破線はDPP-4阻害薬の日数で分かれています。
スルホニル尿素薬使用患者と比較して、DPP-4阻害薬の使用量が90日以下の患者では、糖尿病網膜症発症のリスクは1.43倍、91-180日で1.66倍、181-300日で1.82倍、300日を超える患者では2.32倍でした。
他の研究では、スルホニル尿素薬はプラセボと比較して糖尿病網膜症のリスクが有意に1.67倍に増加したというものがあります。(ここ参照)そうすると、DPP-4阻害薬はスルホニル尿素薬より眼に有害で、プラセボと比較するともっと有害だということになります。
少しHbA1cが下がったとしても、糖尿病網膜症という目の合併症のリスクが上がるのであれば、飲んでいる意味がないばかりか、毒です。
糖尿病は糖質過剰症候群の代表です。糖質制限をして自分の眼を守りましょう。
「Association of long-term use of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors with the risk of diabetic retinopathy in patients with diabetes mellitus: a real-world evidence study」
「糖尿病患者におけるジペプチジルペプチダーゼ-4阻害薬の長期使用と糖尿病網膜症リスクとの関連性:実臨床データに基づく研究」(原文はここ)

因果関係は証明できませんが、11年前にDKAで糖尿病が発覚して入院して治療を始めた時、途中からインスリンに加えてグラクティブを飲み始めました。
入院4日目には眼底検査で異常なしと言われたのに半年後に再受診したら糖尿病網膜症と黄斑浮腫が見つかりました。速攻でグラクティブを中止して現在は目に見える異常は何もない(OCT、超広角眼底カメラで異常が見つからない)と言われるぐらいに改善しました。経過観察のみです。
よっしーさん、コメントありがとうございます。
危なかったですね。DPP-4阻害薬は硝子体出血、黄斑浮腫のリスク増加、
外科的介入が必要な糖尿病網膜症リスクを増加させるという研究もあります。
メカニズムも実験上ではわかっていることもあります。
でも、そんなリスクの説明なんてされないのでしょうね。