「その2」で書いたように、片頭痛が痛覚変調性疼痛で脳のインスリン抵抗性が原因だと考えられるので、同じ疾患群の線維筋痛症と合併することは多くなります。
あるデータベースを用いた研究を見てみましょう。(図は原文より)
上の図は、点線が線維筋痛症のある人、実線はコントロール群で線維筋痛症のない人で、片頭痛の累積発症率を見ています。線維筋痛症患者は線維筋痛症のない人と比較して片頭痛のリスクが1.89倍高くなりました。
上の図は、逆のパターンです。点線が片頭痛のある人、実線はコントロール群で片頭痛のない人で、線維筋痛症の累積発症率を見ています。片頭痛患者は片頭痛のない人と比較して線維筋痛症のリスクが1.52倍高くなりました。
このように、繊維筋痛症と片頭痛は双方向の関連性があるのです。どちらの疾患も脳のインスリン抵抗性が原因だと考えれば、当然でしょう。
片頭痛が脳のインスリン抵抗性が原因と考えるならば、その先には認知症のリスク増加を考えなければなりません。認知症も糖質過剰症候群であり、インスリン抵抗性が大きく影響しています。(下の図はここより)
上の図は、インスリン抵抗性、片頭痛(すなわち「片頭痛に脆弱な脳領域」)、アルツハイマー病(すなわちアルツハイマー病に脆弱な脳領域)において、ブドウ糖代謝、体積、エネルギー代謝の低下によって影響を受ける脳領域の図解です。
インスリン抵抗性、片頭痛、アルツハイマー病では、ブドウ糖代謝の低下によって影響を受ける3つの脳領域を共有しているのです。また慢性片頭痛とアルツハイマー病は、脳の体積減少によって影響を受けるいくつかの脳領域を共有しています。
まずは、249,303人を対象とした5つの研究のメタアナリシスです。(ここ参照)解析の結果、片頭痛は全原因認知症リスクが1.34倍になり、アルツハイマー病のリスク2.49倍にもなりました。この研究では片頭痛と血管性認知症のリスクとの間には関連性は認められませんでした。
もう一つの、6,964,353人を対象とした11件の研究のメタアナリシスを見てみましょう。(ここ参照)片頭痛は、全原因認知症リスクが1.26倍になり、アルツハイマー病は1.32倍、血管性認知症は1.28倍のリスク増加でした。
アジアだけを見ると、片頭痛は認知症のリスクが1.59倍でした。
そうすると、当然ですが、線維筋痛症も認知症のリスクが高くなります。ある研究(ここ参照)では、線維筋痛症患者は対照群と比較して認知症のリスクが2.77倍高いと結論しています。
これでもまだ、あなたは片頭痛、線維筋痛症を薬でごまかし続けますか?そして、痛覚変調性疼痛のある人は認知症にご注意を。
「Bidirectional association between migraine and fibromyalgia: retrospective cohort analyses of two populations」
「片頭痛と線維筋痛症の双方向性関連:2つの集団を対象とした後向きコホート分析」(原文はここ)


