妊娠後最初の1000日間の糖分制限は成人後の様々な疾患のリスクを下げる その2 認知症と精神疾患

妊娠後最初の1000日間の糖分制限シリーズがたくさん論文化されています。これは、イギリスの歴史的な砂糖配給制度を自然実験として活用して、妊娠から幼少期の砂糖の制限が後の人生において、様々な疾患とどのような関連があるかを分析しています。

その1」では2型糖尿病と高血圧でした。

今回は、認知症や神経変性疾患および精神疾患についてです。イギリスのバイオバンクの参加者60,394人(1951~1956年生まれ)を対象に、砂糖配給制限が胎内のみ、胎内+2年間、砂糖制限なしの群に分けています。

追跡期間中に307人が認知症、123人がアルツハイマー病、290⼈がパーキンソン病、7,015⼈がうつ病、4,011⼈が不安障害になりました。(図は原文より)

 

上の図のように、配給を受けなかった人(つまり砂糖制限なし、グレーの〇)と比較して、妊娠後最初の1000日間に砂糖制限を受けた人(水色の●)は、全原因認知症が27%減、アルツハイマー病は46%減、うつ病は11%減、不安障害が20%減と、それぞれのリスクが有意に低くなりました。より長い砂糖制限、出生後の砂糖制限が6か月を超えて続くと、精神疾患(うつ病、不安障害)リスクの漸進的な低下と関連していました。

 

上の図は神経画像解析による、砂糖制限の関連性を示しています。1000日間の砂糖制限は、胎内のみよりも、灰白質と白質のコントラストの低下や、海馬や視床を含む皮質下領域の体積増加といった構造的変化が明らかでした。脳年齢を分析すると、妊娠後の1000日間に砂糖制限では脳年齢が0.39歳若いという結果になりました。

もう一つ同じデータの研究では、妊娠後から出生後1~2年の砂糖制限は、全原因認知症の発症を2.55年、アルツハイマー病を2.87年、血管性認知症を2.49年遅らせることと関連していました。さらに砂糖制限は、総灰白質体積の増加、白質高信号体積の減少、および脳の処理速度と推論のパフォーマンスの向上とも関連していました。

幼少期の食事は選べません。食育は親の仕事です。もう大人になってしまった今では、過去は変えられません。しかし、今の食事は変えられます。認知症は3型糖尿病です。糖質過剰摂取が原因です。

やっぱり、「三つ子の魂百まで」ならぬ「三つ子の食事百まで」なのかもしれません。

「Early-life sugar rationing, brain aging, and long-term neurodegenerative and psychiatric health outcomes: a population-based natural experiment study」

「幼少期の糖分制限、脳の老化、そして長期的な神経変性疾患および精神疾患の健康転帰:集団ベースの自然実験研究」(原文はここ

「Association of Sugar Restriction in Utero Through Age 2 Years on Dementia Risk Later in Life」

「胎児期から2歳までの糖分制限と後の人生における認知症リスクとの関連性」(原文はここ

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