北里大の山田悟先生のところからの論文です。山田先生は以前から緩やかな糖質制限を推奨しています。いわゆる「ロカボ」です。 今回、2型糖尿病の患者さんに、3年間にわたり緩やかな糖質制限を行った結果を発表されています。1食の糖
カテゴリー: 食事
エビデンスの難しさ その2 肉はあなたにがんをもたらすか?(2018.5.1追記)
医療の中でエビデンスの重要性は大きいものですが、数字が並ぶことにより、逆にその裏の本質を覆い隠してしまう可能性があります。統計という数学的に正しいことと、人間を扱う医学として正しいことは違います。 エビデンスが好きな方の
玄米と白米での血糖値、インスリン分泌を比較すると?
先日の記事「「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」の書評 残念!」である意味(?)話題の本を取り上げましたが、その中で炭水化物の中で良いものと悪いものがあると書かれています。良い炭水化物というのは「茶色い炭水化
果糖は乳がんの細胞増殖を増加せてしまうかもしれない
先日、たがしゅう先生が、75g果糖負荷試験というのを行っていました。果糖は大量に摂取すると吸収されず、様々な胃腸の症状が出現します。それにもめげず非常に貴重なデータを公開していただき感動しています。この胃腸症状に関しては
「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」の書評 残念!
アメリカのUCLAの内科助教授、ハーバードで博士号など、素晴らしい経歴の先生が書いた本ですが、日本の片隅で一勤務医からツッコミを入れさせていただきます。 「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」と題した本ですが、
妊娠中の糖質過剰摂取が子供の知能に悪影響を与えるかもしれない
妊娠中の母親の食事は胎児にとって非常に重要です。以前の記事「糖尿病がなくても、妊娠中の高血糖は赤ちゃんに先天性心疾患のリスク増加をもたらす!」などで高血糖と赤ちゃんの心臓への悪影響について書きました。また「妊娠中の母親の
HDLコレステロールは高ければ良いってもんじゃない? その5
前回の「その4」で書いたように、apoCⅢを含むHDLは、HDLでありながら機能不全を起こし、心血管疾患のリスクを上げてしまうと思われます。つまり、質の悪いHDLなのです。だから、いくらHDLコレステロール値が高くても、
糖尿病の薬を飲んでも、ほとんど死亡率は低下しないかもしれない
糖尿病の薬はもちろん血糖値のコントロールに使用されますが、その重要なアウトカムである死亡率に関しては、あまり期待できないようです。 特にDPP4阻害薬と言われる薬は、プラセボと比較して死亡率を低下させないようです。SGL
鉄のサプリメントは成分を選ばないと危険があるかもしれない
鉄が生物には必須であり、鉄欠乏は様々な症状を引き起こす可能性があります。その一方で、鉄の過剰も危険があると言われています。 フェリチンは鉄の貯蔵量を反映していない可能性は以前の記事「フェリチンは鉄の貯蔵量を反映していない
大量のコレステロールを摂るとどうなるか? その2
前回「その1」では超短期的な脂質検査の変化を書きました。 今回は3日間卵を10個食べ続けて、脂質がどうなるかを示したいと思います。 結果は上のグラフのようになりました。どれもほとんど変化なく、中性脂肪以外は微増しただけで