ビタミンCはそんなに必要なのか?

江部先生の記事でイヌイットやマサイ族のビタミンCに関するものがありました。彼らのビタミンC摂取量はかなり少ないのに、壊血病になりません。夏井先生はほとんど果物を摂取せず、ビタミンCが多い野菜を生で食べているわけではなく、何年も過ごしておられるようですが、壊血病にはなっていません。

江部先生の仮説では「糖質制限食を実践している人は、ビタミンCの必要量が少なくて済むのではないか?」というものです。世間が言うほど、本当にビタミンCはそんなに必要なのでしょうか?今回の記事はそんなことのひとつの仮説です。江部先生の仮説を裏付けるものかもしれません。

ビタミンCは、栄養のサプリメントとして世界で最も広く受け入れられているもののひとつです。免疫力の向上や風邪やガンの予防など、ビタミンCに対する健康上の利点がいくつか言われています。しかし、ビタミンCを補給することが実際に有益であることを裏付ける評価の高い証拠はほとんどまたはまったくありません。

人間はビタミンCを作れません。他の哺乳類のほとんどは自分で作ることができます。その素になるのがグルコース(ブドウ糖)です。人間はグルコースをビタミンCに合成する酵素を持っていません。

ビタミンCは小腸で吸収されますが200㎎未満であり、それ以上摂取すると吸収量が減少します。ビタミンCには2つありアスコルビン酸とデヒドロアスコルビン酸があります。腸からのアスコルビン酸の吸収は、SVCTというものにより、デヒドロアスコルビン酸の取り込みは、GLUTというものによります。デヒドロアスコルビン酸は血漿から腎臓で濾過され、その後腎尿細管で再吸収されます。副腎、眼球の水晶体、網膜、脳、膵臓、腎臓などは血中濃度より10〜50倍高いビタミンCを蓄積します。

ビタミンCの欠乏は壊血病を起こします。

先ほど書いたように、人間はビタミンCを合成でいないので、経口摂取によって取り入れることが不可欠となります。しかし、人間が誕生して250万年ほどの間、この不可欠な栄養素が合成できなくても、不利にはならなかったので現在まで生き延びてしかも繁栄しているのです。それは進化の間に、尿酸がビタミンCの抗酸化機能を引き継いだという可能性が考えられています。

アメリカでは男性の37%、女性の47%がビタミンCのサプリメントを摂取しているようですが、7%がビタミンC欠乏と言われています。

WHOは、ビタミンCや他の微量栄養素を確保するために、1日に最低400gの果物と野菜の摂取を推奨しているようです。しかし、ビタミンCの供給源としての果物や野菜が理想的であるのは本当でしょうか?実際に果物も野菜も欠乏しているのに壊血病にならないという証拠があります。

狩猟採集民では臓器肉、特に肝臓、骨髄、脳が非常に好まれています。肝臓、骨髄や脳などにはビタミンCだけでなく他のビタミンも豊富です。彼らは肉食中心なのに壊血病になりません。そして彼らは植物と動物の両方が手に入っても明らかに動物を好むそうです。

イヌイットも同じで壊血病はありませんでした。彼らの伝統的な食事においてもビタミンCは十分摂取されていました。クジラなどの肝臓や脳はビタミンが豊富なのです。イヌイットの1日のビタミンCの摂取量は10~120㎎であったと報告されています。しかし、、彼らが伝統的な食事の割合が減り、西洋型の食事をするようになって壊血病が起きるようになりました。探検家たちがイヌイットの伝統的な食事を何年間も行っても、サプリメントなしで壊血病などのビタミン欠乏症状は起きていません。

サプリメント無しでも古典的なケトジェニックダイエットを行うと壊血病は起きません。調理の過程でビタミンCは減少するとされていますが、肉に含まれるビタミンCはほとんど減少しません。

高濃度ビタミンC点滴はがん細胞を死滅させるという研究があります。これは直接静脈内に投与することにより、ビタミンCが生理的血中濃度よりも30〜70倍高いレベルになり、抗酸化作用ではなく、ビタミンCが酸化剤として作用し、過酸化水素ががん細胞を死滅させるというものです。しかし、最近の研究では、高濃度のビタミンCのせっかくの細胞障害作用が生理的な濃度のによって消滅してしまうというのです。残念!ここでも鉄が邪魔です。鉄のキレート剤を同時に使う方が良いかもしれません。高濃度ビタミンC点滴は実際の臨床ではまだはっきりとした良い結果が出ていません。症例報告ではいい結果があるようです。これはまだ今後に期待が残ります。

さらにアスコルビン酸の血中濃度と疾患の関連を見ると男女で違いがある報告が複数あります。男性と女性では何かが違うのかもしれません。女性ではビタミンCの濃度が高くない方が良い場合もあります。これまた飲めば良いってもんじゃない例ですね。しかもそれががんであればなおさらです。よく検討してから摂取してくださいね。

グルコース-アスコルビン酸塩拮抗理論により、ビタミンCを細胞がどれだけ利用できるかはグルコース濃度によって決まると考えられています。アスコルビン酸およびデヒドロアスコルビン酸の両方の細胞への取り込みは、上昇したグルコースのレベルによって競合的に拮抗され得るのです。特に小腸でのアスコルビン酸摂取はグルコース濃度の上昇により阻害されます。また、脂肪細胞、赤血球、好中球、骨芽細胞および平滑筋細胞を含むほとんどの細胞のタイプでデヒドロアスコルビン酸の細胞への輸送は、高血糖によって障害されます。2型糖尿病の研究では、同じビタミンC摂取量にもかかわらず、糖尿病患者は正常な人と比較して血漿のアスコルビン酸のレベルが低下していることが示されています。さらに糖尿病ではアスコルビン酸の腎臓での再吸収が障害されているという報告があります。1型糖尿病ではインスリンの欠乏により、リンパ芽球のデヒドロアスコルビン酸の取り込みを損なうことが示され、アスコルビン酸の蓄積の障害を介して、1型糖尿病患者の免疫系の機能を損なう可能性があるのです。

またビタミンCの血中濃度は糖質の摂取量増加に関連しており、肥満と反比例しています。がん患者の高血糖は、細胞内のアスコルビン酸濃度の低下と関連しています。

他の研究では低糖質食と中等度の糖質を含んだ食事とでは、低糖質食の方がビタミンCの血中濃度が高くなりました。糖質が豊富な現代の西洋型の栄養は、ミトコンドリアにおける活性酸素種の産生の増加と関連していることを考えると、低糖質食ではアスコルビン酸の必要性が減少すると推測することは十分に可能です。

これまでの研究ではビタミンCの供給源は植物だけを考えており、動物かのものは無視していました。摂取量と血中濃度の関連が緩やかでしかないことを考えると、植物がビタミンCの理想的な供給源ではないことを示しています。また、果物や野菜に豊富に含まれるフラボノイドも、腸細胞によるビタミンC摂取を阻害することが示されています。

死亡、心血管疾患およびがんについて明らかにされているように、疫学研究と介入研究との間の顕著な結果の解離は、サプリメントで摂取されたビタミンCがこの栄養素を得る最適な方法ではない可能性があると見なすことができます。

糖質の過剰消費摂取、ミトコンドリアの機能不全、反応性酸素種の産生増加、血中ビタミンCの減少などに関連した、肥満、糖尿病、神経変性疾患、がんや心臓血管疾患などの慢性疾患は、グルコース-アスコルビン酸の拮抗のメカニズムを重要視します。糖質豊富な食事摂取量の増加および血中アスコルビン酸レベルの低下の結果は、慢性変性疾患の発症に寄与する重要な要因であると推測されるのです。動物ベースの低糖質高脂肪食は、ビタミンCを十分な量というだけでなく、生物学的に利用可能な形態で提供する可能性があります。

ビタミンCの代謝は、吸収、いくつかの細胞のタイプによるその取り込みを含めて、グルコース濃度の増加によって阻害されます。糖質過剰摂取で高血糖になると、サプリメントとしてもビタミンCの使用しても阻害される可能性があります。動物中心の食事にすると摂取するビタミンCの量は、果物や野菜によるビタミンCの量よりも少なくなるかもしれませんが、生体の利用性は高まります。

人間が進化の中で適応してきた環境では、ビタミンCが合成できないことは有害なことではありませんでした。現代の食事と進化で獲得した生理学との不一致が、ビタミンCの欠乏による疾患の発生に関連していると考えられます。

もっと詳しく知りたい方は下の原文を読んでみてください。

「Vitamin C and Disease: Insights from the Evolutionary Perspective」

「ビタミンCと病気:進化の観点からの洞察」(原文はここ

つまり、動物、特に臓器をちゃんと食べて、糖質制限していれば、ビタミンCは十分摂取できていて、全く問題ないということです。ただ、私は臓器があまり好きではありません。だから、たっぷりの野菜と少量の果物を選択しています。武器を持って狩猟を始める前は、そんなにビタミンCが豊富な肉や臓器は十分は摂れていなかったと思いますので、私の食事は狩猟を始まる前の人類の食事に少しだけ近い食事なのかもしれません。

もしかしたら、イヌイットやマサイ族は腸内細菌がビタミンCを作っているということもあるかもしれません。さらに、外界と交流がない部族は肉の中でもとくに脂肪分が多い部位を好んで食べるそうです。必要な栄養素やビタミンのほとんどは脂肪の多い部分にあるからだそうです。現代人とは真逆のことですね。私は動物性脂肪大好きです。でも、やはり先ほど書いたように臓器はホルモンをときどき食べるくらいです。

いずれにしても、ビタミンCを摂りたいなら、糖質はダメということです。通常の食事をして、健康のためにと思ってビタミンCのサプリを飲んでも無駄だということですね。しかも、逆に言えば糖質制限をすればそこまでビタミンCは必要ないってことです。ビタミンCは確かに様々な部分、生理的な働きで、必要です。ビタミンCをたくさん摂れ!という人たちはここにも必要、あそこにも必要、だからいっぱい必要だと言っています。でも、そのような現象に対して本当はどれぐらいの量が必要なのかはさっぱりわかりません。実際には本当に微量でしょう。伝統的な食事をしている部族では心臓病やがんなどの現代病はほとんど皆無に近いと言われています。ビタミンCが人間に本当にそこまで多くの量が必要な栄養素なら、今頃それらの部族は滅びています。糖質過剰摂取の現代の食事が無駄にビタミンCをはじめとする多くの栄養素を消費しているのではないでしょうか?

抗酸化作用ならケトン体にもありますから。尿酸も抗酸化作用がありますから。たくさん摂ってもおしっこに出るだけですから。(下水の抗酸化作用を期待しているのかも?)

糖質制限をしていれば、自然に摂れる分ぐらいのビタミンCで十分なのでしょう。中国製のビタミンCサプリに手を出す必要はありません。さらに言えばビタミンB1の無駄使いは無くなるので、これも中国製サプリに手を出す必要はありません。執拗に脅されれば、不安になるのは仕方がありませんが、自分でよく検討してください。

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