心血管疾患のリスクの低い人にスタチンを投与する意味はない?

以前の記事「糖質制限にスタチンの併用は危険ではないか?」でご紹介したtheNNTというサイトで

Statins in Persons at Low Risk of Cardiovascular Disease」つまり「心血管疾患のリスクの低い人に対するスタチン」の項目では、NNTは次のようになっています。ちなみにNNTは治療必要数とも言われているもので、ある症状や疾患を呈する患者を1人減らすために、何人の患者の治療を必要とするかを表したものです。

統計的に有意な死亡率の利益はない
217人に1人、非致死的な心臓発作(心筋梗塞)を回避(NNT=217)
313人に1人、非致死的な脳卒中を回避(NNT=313)

21人に1人、筋肉損傷による痛みを経験(NNT=21)

204人に1人、糖尿病を発症(NNT=204)

 

さらに最近更新された「Statin Drugs Given for 5 Years for Heart Disease Prevention (Without Known Heart Disease)」つまり「心臓病の予防のために5年間与えられたスタチン(既知心臓病なし)」では

誰も助けられなかった(命を救う)
60人に1人が助かった(心臓発作予防)
268人に1人が助かった(脳卒中予防)

50人に1人が糖尿病を発症
10人に1人が筋肉を損傷

もう一つ同じ項目「Statin Drugs Given for 5 Years for Heart Disease Prevention (Without Known Heart Disease)」があるのですが、そちらでも

誰も助けられなかった(命を救う)
104人に1人が助かった(心臓発作予防)
154人に1人が助かった(脳卒中予防)

50人に1人が糖尿病を発症
10人に1人が筋肉を損傷

 

どれも悲惨な数字です。こんな薬に大金を使う意味や、これで治療を行おうとする意味が分かりません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です