空腹感はエネルギーが足りないとかお腹が空っぽの合図ではなく、脳の罠?

多くの人は「あーお腹減った!」と思い、食事をしていることが多いかもしれません。そして、この空腹感は、エネルギーを必要としているという合図とか、胃の中が空っぽになった合図だと思っているかもしれません。

この空腹感、食事を摂取するように食欲を増進させるホルモンが「グレリン」というものです。グレリンは胃から分泌されますが、それ以外でも視床下部や下垂体、腸、腎臓、膵臓、脳、肺、胎盤、卵巣およびリンパ球においても少量産生されます。食物摂取量の増加および脂肪利用の減少によって食欲および体重増加を引き起こします。食欲増進作用以外に成長ホルモンの分泌を促進します。

そして、このグレリンの分泌の仕方が非常に特徴的なのです。(図は原文から)

規則正しく食事を摂ると、その時間のちょっと前にグレリンの分泌がピークとなり、そのとき「あーお腹が減った」と感じます。そして食事を摂ると「あーお腹いっぱい!」と思うのか、速やかに低下します。非常に見事なメカニズムのように見えます。しかし、次の図を見ると

これは24時間の絶食をしているときのグレリンの分泌をあらわしています。先ほどのグラフと同じように、同じような時間にピークを示しているのが分かります。そして、食事をしないのに低下しているのです。つまり、食事を摂るかどうかではなく、いつも同じような時間に食事を摂ると、それに合わせたかのように脳が合図を送り、グレリンを分泌させて空腹感を感じさせているだけなのです。空腹感は「脳の罠」だったのです。

みなさんも経験したことがあると思いますが、仕事などが忙しく昼食を摂る時間になっても、暇がなく食事ができないことがあります。そのとき一度お腹が減ったと感じても、いつの間にか忘れてしまいます。これは恐らく、このグレリンの分泌の仕方によるものだと考えられます。つまり、グレリンはピークを迎えても、その後速やかに低下するので、空腹感を感じてもちょっと我慢すれば空腹感を感じなくなります。エネルギー切れでも、胃の中が空っぽになった合図でもなく、ただの習慣的な分泌だったのです。

しかも、2枚目の図を見てわかると思いますが、絶食をしているとだんだんとグレリンの分泌量も減ってきます。断食の時、時間がたつにつれてあまり空腹感感じなくなってくるのは、このようなグレリンの分泌によるものだったのでしょう。

ただ、なぜ脳はこのような規則正しいグレリンの分泌の合図を送っているのかはわかりません。狩猟採集生活の時代を考えると、そんなに規則正しい食生活ができていたとは考えられません。1日一食、獲物が捕れて帰ってきたり、果実や野草などが集められて帰ってきて、その時に食事をしていたと考えられます。冷蔵庫などで保存ができませんので。BMIが低い方がグレリンの分泌も多い傾向にはあるようなので、食欲を上げる作用はあるとは思います。しかし、現代のようなピークを規則正しく刻んでいたかは非常に疑問です。また、意図的な断食ではだんだんと分泌量が減ってきます。そうすると、このグレリンの役割は本来は食欲の増進作用ではない可能性があります。未知の作用なのか、それとも、獲物を探すモチベーションのアップなのか?わかりません。

みなさんは、「1日3食しっかりと規則正しく」が健康的だと思い込まされています。これには何も根拠はありません。このようなグレリンの仕組み「脳の罠」と、食品産業などの宣伝効果の「罠」にはまっているだけなんです。

社会的な理由でどうしても、食事の時間の制限はあるでしょう。でも、私は夜は家族と食事をしっかりしますが、昼は基本的に食べないことも多く、朝も食べない日も時々あります。それでも、エネルギーに満ち溢れています。

本当にあなたの3回の食事は必要ですか?ついでにちょこちょこつまんでいるお菓子や、癖のように飲んでいるジュース、3時のおやつや夜食はもっと不要だと思いませんか?いつ、あなたは脂肪を分解するつもりですか?

「Spontaneous 24-h ghrelin secretion pattern in fasting subjects: maintenance of a meal-related pattern」

「空腹時における自発的24時間グレリン分泌パターン:食事関連パターンの維持」(原文はここ

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