IGF-1は細胞の成長と増殖の強力な調節因子であり、血中のレベルの上昇は前立腺がん、乳がん、大腸がんなどのリスク増加に関連しています。血中IGF-1レベルは 10 代後半にピークに達し、加齢とともに低下します。
IGF-1レベルの低下は、がんや糖尿病のリスクが低下し、高齢者のIGF-1レベルが低いことは、認知症や死亡率の低いことと相関しています。
では、ケトン食でIGF-1はどうなるでしょう。今回の研究は、ケトン食とIGF-1との関連を調べた10件の研究のメタアナリシスです。これらの試験には合計522人が登録され、そのうち262人がケトン食の介入に割り当てられ、236人がケトン食を完了しました。(図は原文より)
上の図のAがベースラインから介入後までの血中のIGF-1、Bは血糖値、Cはインスリンレベルの変化に対するケトン食の効果を示しています。値の単位は ng/mL (IGF-1)、mg/dl (血糖値)、および mU/l (インスリン) です。
ケトン食では当然、血糖値もインスリン値も低下します。そしてやはりIGF-1も大きく低下しました。平均期間8.1週間で、平均減少は24.9ng/mLで、IGF-1が平均19.7% 減少したことになります。
成長段階では当然成長因子は必要でしょう。しかし、大人になってからの成長は老化、がん化につながります。
糖質制限やケトン食はIGF-1を低下させます。健康のためにはやはり糖質制限ですね。
「Effect of ketogenic diets on insulin-like growth factor (IGF)-1 in humans: A systematic review and meta-analysis」
「ケトン食がヒトのインスリン様成長因子 (IGF)-1 に与える影響: 系統的レビューとメタ分析」(原文はここ)