頸動脈アテローム性動脈硬化症の決定要因としての内臓脂肪と肝臓脂肪

頸動脈アテローム性動脈硬化症って、冠動脈疾患と同様に、高コレステロールが原因と考えている人が多いでしょう。

今回の研究では、カナダ健康な心臓と心の同盟(CAHHM)コホート研究の参加者 6760人(平均年齢57.1歳)とイギリスのバイオバンク(UKB)の26,547人(平均年齢54.7歳)のデータを分析しました。

男女ともに、内臓脂肪組織(VAT)量または肝脂肪分率(HFF)が性別特異的に1SD高いごとに、高血圧、糖尿病、脂質異常症のオッズがそれぞれ1.5~2倍高くなることが示されました。(図は原文より)

上の図は、超音波を使用した頸動脈内膜中膜肥厚 (cIMT) 測定 (上) と磁気共鳴画像 (MRI) を使用した頸動脈壁容積 (CWV) 測定 (下) の概略図です。

CAHHMのコホートでは、VAT容積の1 SD増加はCWVの6.16 mm3増加と関連していました。

UKBコホートでは、VAT容積とcIMTの間に正の関連を認め、VAT1SD上昇あたり0.016mmの増加が確認されました。HFFとcIMTの間には、プロトン密度脂肪分画(PDFF)が男性で1SD高いごとに平均0.0089mmのcIMT増加、女性は0.0086mm増加しました。

つまり、内臓脂肪は頸動脈プラークの蓄積および頸動脈壁肥厚と一貫して関連している一方、肝臓の脂肪も弱いながらも頸動脈壁肥厚と有意な関連がありました。

さて、内臓脂肪と脂肪肝の原因は何でしたっけ?そうです、糖質過剰摂取、特に果糖の過剰摂取が原因です。(「BMIが正常でも内臓脂肪は非常に多い」「果物を食べ過ぎると脂肪肝が悪化する」「果糖はその他の糖質よりも肝臓の脂肪を短期間で増加させる」「果糖は中性脂肪を増加させ、小さなLDLや酸化LDLも増加させる」など参照)

頸動脈アテローム性動脈硬化症はコレステロールが原因ではなく、糖質過剰摂取が原因だと考えられます。肥満ではなくても、内臓脂肪が増加する食事をすることは危険です。スタチンにごまかされないようにしましょう。

「Visceral adipose tissue and hepatic fat as determinants of carotid atherosclerosis」

「頸動脈アテローム性動脈硬化症の決定要因としての内臓脂肪組織と肝脂肪」(原文はここ

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