毎日のコーヒーは心房細動リスクを低下させる

カフェインは交感神経系を刺激するので、なんとなく不整脈の心房細動を増やしそうですよね。でも、実際には反対のようです。

今回の研究では、持続性心房細動または心房細動の既往がある心房粗動患者を対象に、カフェイン入りコーヒー摂取の影響を評価しました。平均年齢69歳の200を、カフェイン入りコーヒー摂取群(100人)とコーヒーとカフェイン禁止群(100人)に分けました。コーヒー摂取群には、毎日少なくとも1杯のカフェイン入りコーヒー(または少なくとも1杯のエスプレッソ)とその他のカフェイン含有製品を飲むことが推奨されました。6か月後どうなったでしょうか?(図は原文より)

上の図は、心房細動または心房粗動の再発率を見ています。黒い線がコーヒー摂取群でオレンジがコーヒー禁止群です。禁止群の方が明らかに心房細動再発が多いですね。コーヒー摂取群の方が39%再発が少なくなりました。

コーヒー中毒の私としては、非常にうれしい結果です。でも、もしかしたら1日何杯もコーヒー飲んだら、やっぱり心房細動リスクは上がるのでは?と思い、調べてみました。

合計10件の研究のメタアナリシスで、30,169件の心房細動イベントと723,825人の参加者が対象となりました。(図は原文より)

上の図のように、統計的に有意ではありませんが、コーヒー摂取量と心房細動リスクの間には逆相関を示しました。そして、コーヒー摂取量が1日1杯増加すると、心房細動リスクが2%低下することになります。

つまり、コーヒーは1日に何杯も飲んでも心房細動のリスクは上がらず、むしろ低下すると考えられます。良かった、良かった。

この心房細動も糖質過剰摂取と関係しています。以前の記事「糖質過剰摂取と心房細動」「心房細動と糖尿病およびインスリン抵抗性との関連」で書いたように、糖尿病、肥満、インスリン抵抗性などと心房細動は関連しています。

また、「コレステロールと心房細動の関係」で書いたように、コレステロールが低い方が心房細動のリスクが上がります。そうすると、「スタチンと心房細動」で書いたように、スタチンを飲んだ方が心房細動が増加してしまいます。医療はうまくできていますね。

私は今日も糖質制限をして、コーヒーをガブガブ飲みます。

「Caffeinated Coffee Consumption or Abstinence to Reduce Atrial Fibrillation: The DECAF Randomized Clinical Trial」

「カフェイン入りコーヒーの摂取または禁止による心房細動の軽減:DECAFランダム化臨床試験」(原文はここ

「Association of Coffee Consumption With Atrial Fibrillation Risk: An Updated Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Studies」

「コーヒー摂取と心房細動リスクの関連性:前向き研究の最新の用量反応メタアナリシス」(原文はここ

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