LDLコレステロールには質があります。大きくてふわふわしたLDLは有益なLDLです。しかし、小さなLDLは危険なLDLです。ただ、LDLは小さなものから大きなものまで連続性があり、大きいLDLか小さいLDLかの2つしかないわけではありません。
なので、測定法によりsdLDLは大きく違ってしまいます。以前の記事「sdLDLが高いと言われたけれど…」で書いたように、デンカ社の測定法では、本当の評価は難しいと思います。ただ、健診や人間ドッグではこのデンカ社の測定法が一般的になりつつあります。何をもってsdLDLとするのか統一されていませんが、デンカ社のsdLDLが標準となってしまってきています。PAGE法と比較すると、恐らく2倍くらい高めの数値になってしまいます。
sdLDLも脅しの道具になりつつあります。
以前の記事「小さな危険なLDLの割合を推測するには?」で書いたように、推測するなら、中性脂肪/ HDLコレステロール比でもわかります。
多くの研究が、sdLDLとlbLDL(大きなLDL)の2通りにしか分けていない現状を考えると、とりあえず自分のsdLDLを知っておくことも必要かもしれません。
本当は大まかな数値しかわからないのですから、わざわざ人間ドッグなどのオプションで高いお金を払って測定する必要もありません。
サンプソンの式というものがあり、それでsdLDLの計算は可能です。デンカ社の測定と相関していて、この計算で十分でしょう。でも、どの程度の値をカットポイントとしてそれよりもsdLDLが高いとリスクが高くなるかを決めることが必要になるでしょう。
サンプソンは80パーセンタイル、sdLDL=46mg/dLをカットポイントとしています。でも、ちょっと高すぎのような気がします。
また、サンプソンの式は当然糖質過剰摂取者からのデータで導き出されたものです。糖質制限でLDLコレステロールが爆上がりしている人では、この計算式がどれほど役に立つのかもわかりません。ちなみに、私の場合、この計算式で得られたLDLコレステロールは実測よりも高めに出ました。そして、sdLDLコレステロールはなんと40.3mg/dLでした。
この式から得られるsdLDLにより、様々なリスクがわかるようですが、そのことについては次回以降で。
まずは、計算してみてください。総コレステロールとHDLコレステロールと中性脂肪から、LDLコレステロール、lbLDL、sdLDLコレステロールを計算します。
「A New Equation Based on the Standard Lipid Panel for Calculating Small Dense Low-Density Lipoprotein-Cholesterol and Its Use as a Risk-Enhancer Test」
「標準脂質パネルに基づく小型低密度リポタンパク質コレステロールの計算式とリスク増強検査としての利用」(原文はここ)