緑内障は単に眼の病気ではなく、拙著『「糖質過剰」症候群』でも書いたように、糖質過剰摂取による神経、代謝的な異常による糖質過剰症候群であり、4型糖尿病と考えています。(「緑内障は糖質制限をすべきである その1」「その2」など参照)
緑内障は眼圧が上がる場合と正常な眼圧の場合がありますが、今回の研究では、眼圧の上昇とインスリン抵抗性およびメタボリックシンドロームとの関連を分析しています。高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、緑内障、または眼圧に影響を与える可能性のある他の眼科疾患の治療を受けている人は研究から除外されました。(図は原文より)
上の図はメタボリックシンドロームのそれぞれの構成要素の有無と眼圧の関連を示しています。高血圧、高空腹時血糖値、またはメタボリックシンドロームの男女の両方が、これらの危険因子のない人と比較して、有意に高い眼圧レベルを持っていました 。腹部肥満(内臓肥満)の男性と高中性脂肪の女性も眼圧レベルが上昇していました。
上の図は、(a)メタボリックシンドロームの構成要素の数に応じた平均眼圧、(b)高血圧(≥130/ 85 mmHg)を除く、メタボリックシンドロームの構成要素の数、(c)高空腹時血糖(≥110mg/dL)を除くメタボ構成要素の数、(d)高血圧と高空腹時血糖の両方を除くメタボ構成要素の数による眼圧です。ほとんどはメタボの構成要素が多くなればなるほど眼圧が高く、メタボがない人と3つの要素を持つ人ではほとんど有意な差がありました。
インスリン抵抗性も有意に眼圧上昇と関連していました。ただ、異常な高眼圧ではありませんが。
もちろん正常眼圧でも緑内障となりますので、眼圧上昇がすべてではありませんが、眼圧上昇は危険因子です。一方、高血圧および耐糖能障害は正常眼圧緑内障の可能性を高め、高血圧と耐糖能障害の両方があると、正常眼圧緑内障の可能性が2.4倍にもなるという研究もあります。(ここ参照)
緑内障は目薬だけをして、眼科医だけに任せておけばいいものではありません。食事を改善すべきです。糖質制限をすべきだと思います。
そして、糖質過剰摂取で不足しがちなミネラルも十分に必要だと思います。それについては次回以降の記事で。
「Elevated intraocular pressure is associated with insulin resistance and metabolic syndrome」
「眼圧の上昇は、インスリン抵抗性とメタボリックシンドロームに関連している」(原文はここ)
緑内障もですが、糖尿病やそれに伴う合併症、心筋梗塞、脳卒中、癌、認知症、難病、変形性膝関節症まで、できれば予防したい
病気の大きな原因であろう糖質過剰摂取。
逆に糖質を摂らなければ不健康ということはないでしょうから、
やはり食事摂取は糖質制限最優先と思われます。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
一般の人には、慢性疾患は食事や運動で逆転できることを知ってほしいですね。
医師には、医学的な推奨や治療が病気を悪化させていることがあることを知ってほしいですね。