心筋炎および心膜炎の有害事象に関連する薬剤トップ10

心筋炎と心膜炎は比較的まれですが、健康への影響は深刻です。軽度の症状から、心不全、不整脈、さらには突然の心臓死などの重篤な合併症まで多岐にわたります。軽度の症状だと思っても、瘢痕を残し、そこから不整脈が発生し突然死というパターンもあるでしょう。

特定の薬剤が心筋炎および心膜炎の誘因となっていることがあります。

今回の研究では、1968年から2024年の間の世界的な医薬品安全性監視データベースを分析しています。心筋炎が8,293,350件、心膜炎が8,631,131件報告されました。(図は原文より、表は原文より改変)

    心筋炎、数(%) 心膜炎、数(%)
報告年 1968~1979年 0 (0) 5 (0.02)
1980~1989年 3 (0.01) 24 (0.10)
1990~1999年 88 (0.25) 99 (0.40)
2000~2009年 705 (2.01) 340 (1.36)
2010~2019年 3,651 (10.43) 1,933 (7.74)
2020~2024年 30,570 (87.3) 22,558 (90.38)
性別 23,407 (66.84) 13,324 (53.38)
女性 11,118 (31.75) 11,433 (45.81)
未知 492 (1.41) 202 (0.81)
年齢、年 0~17歳 2921 (8.34) 1,058 (4.24)
18~44歳 15,526 (44.34) 9,954 (39.88)
45~64歳 5,885 (16.81) 5,797 (23.23)
65~74歳 1,642 (4.69) 1,357 (5.44)
75歳以上 1,018 (2.91) 782 (3.13)
未知 8,025 (22.92) 6,011 (24.08)
発症までの時間、日数 中央日数(IQR) 1(1–1) 1(1–1)
平均(SD) 9.52 (62.68) 6.46 (44.78)
結果 回復 10,864 (31.02) 8,216 (32.92)
回復していない 4,703 (13.43) 4,697 (18.82)
致命的 741 (2.11) 119 (0.48)
未知 18,709 (53.43) 11,927 (47.79)
単一の薬物が疑われる 35,017 (100.00) 24,959 (100.00)

上の表のように、2020~2024年が突出して多いですね。なぜかわかりますね。深刻なのは、0~17歳、18~44歳という、これから将来がある人たちが心筋炎や心膜炎になっているということです。回復していない人たちも多いです。

上の図は、心筋炎(A)および心膜炎(B)に関連する最も頻繁に報告された10種類の薬剤の割合を示しています。クロザピン(治療抵抗性統合失調症治療薬)、メサラジン(潰瘍性大腸炎、クローン病治療薬)、天然痘ワクチン、インフルエンザワクチン、新型コロナmRNAワクチンの5種類が、両方の病態に共通して関連していますね。

残りの5種類の薬剤は、心筋炎の症例ではニボルマブ、ペンブロリズマブ、イピリムマブ(3つはどれも抗がん剤系)、バルプロ酸、メトロニダゾール、心膜炎の症例ではリバビリン(C型肝炎抗ウイルス薬)、スルファサラジン、メトトレキサート、オマリズマブ(抗IgE抗体、重症のぜんそくやアレルギー性鼻炎などの薬)、ヘパリンが確認されました。

報告オッズ比(ROR)は、心筋炎については、男性のROR105.12で、女性のROR59.11よりも高く、対照的に、心膜炎は男性のRORは48.12で、女性のROR37.32とはそれほど顕著な差が見られません。

上の図のほとんどが水色ですね。これは新型コロナワクチンです。特定された薬剤の中で、新型コロナmRNAワクチンは心筋炎の最大の割合を占め、76.16%にもなります。次いでクロザピンが15.29%です。。同様に、心膜炎の報告でも、新型コロナmRNAワクチンは最も高い報告割合を占め、9割近い88.15%です。しかし、心筋炎とは異なり、心膜炎報告全体の10%以上を占める薬剤は他になく、第2位のクロザピンでさえ2.88%でしかありません。

下の図は薬剤関連心筋炎の有害事象のIC 025 (A)および RORです。シグナル指標としてはInformation Component(IC)を算出し、ICの95%信頼区間の下限値(IC025)が0を超える場合をシグナルが検出されたとみなします。

下の図は薬剤関連心膜炎の有害事象のIC 025 (A)および RORです。

天然痘ワクチンは心筋炎のROR103.62、心膜炎のROR111.93と両方で最も高いを示しました。新型コロナmRNAワクチンは両方の報告数において最も多くの報告数を示したものの、心筋炎ROR38.3と心膜炎ROR55.95と天然痘よりは低くなりました。最も高いIC値は天然痘ワクチンで観察され、心筋炎のICは6.43、心膜炎のICは6.50でした。

知っていてほしいことは、多くの人がインフルエンザワクチンは安全性が高いと思っているかもしれませんが、インフルエンザワクチンでのRORは心筋炎で2.34、心膜炎で3.77と高いのです。効果はほとんどないのに、リスクはあります。

どちらの心炎タイプでも、上位10の薬剤のすべてでの発症までの時間の中央値が1日でした。心筋炎では平均発症までの時間は9.52日、心膜炎では6.46日でした。

致死的な結果となった報告のうち、3つのモノクローナル抗体 (ペンブロリズマブ、イピリムマブ、ニボルマブ) は心筋炎報告の死亡率の約20%を示しましたが、その他の薬剤は死亡率が10% 未満でした。

心膜炎の報告では、スルファサラジンのみが10%を超える致死率を示しました。

心臓関連事象以外では、心筋炎誘発薬で最も多くみられた同時有害事象は筋系関連で、3つのモノクローナル抗体薬(イピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ)で20%を超える事象が報告されました。一方、心膜炎誘発薬では、心臓系以外で最も多くみられた同時有害事象は神経系関連事象で、3つのワクチン(天然痘、インフルエンザ、新型コロナmRNAワクチン)でそれぞれ14%を超える報告が見られました。これら3種類のワクチンでは、心筋炎の報告において神経系関連有害事象の同時発生率も17%を超えました。

新型コロナワクチンにより、心筋炎と心膜炎の有害事象が爆発的に増加しました。

そのメカニズムの一つは、新型コロナワクチンは外部抗原として機能する可能性です。新型コロナワクチンのスパイクタンパク質は、心臓のミオシン重鎖やトロポニンC1などの心臓タンパク質と構造上の類似性を共有していて、この類似性が心筋の交差反応性および炎症につながる可能性があると考えられています。さらに、新型コロナはアンジオテンシン変換酵素2受容体を介して心臓細胞に直接感染し、心臓障害を引き起こすことができるため、ワクチン接種後にスパイクタンパク質に対して誘発される免疫反応が間接的にこのプロセスを模倣し、心筋または周辺組織の炎症につながる可能性があります。

新型コロナワクチン接種が始まってしばらくした後、循環器の専門医と話す機会がありました。その時、心筋炎は増加しているか?を尋ねると、あっさり増えているよ、でもほとんどが軽症だから、と答えていました。がっかりしたのを覚えています。心筋炎が軽症??

心臓の専門医は当然新型コロナワクチンで心筋炎が増加することを知っていましたが、中止する方向には全く動きませんでした。そのことがこれだけの被害者を出した要因の一つになっています。

我々医師は、国や製薬会社のいうことを信じることなく、もっと慎重になるべきだったのです。

「Top 10 drugs most frequently associated with adverse events of myocarditis and pericarditis」

「心筋炎および心膜炎の有害事象に最も頻繁に関連する薬剤トップ10」(原文はここ

One thought on “心筋炎および心膜炎の有害事象に関連する薬剤トップ10

  1. コロナワクチン否定論者は「反ワク」などと揶揄されがちですが、「君子危うきに近寄らず」だと思います。
    *ネットニュースですが、30台芸能人が心膜炎から脳梗塞発症、療養中とのこと。

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