食べる順番により血糖値の変動は異なります。(「食べる順番ダイエットの効果は?」など参照)

今回の研究では、16⼈の健康な13⼈の男性と3⼈の⼥性、平均年齢25.8歳、BMI22の人が対象です。葉物野菜180g、タンパク質(鶏の胸肉、皮なし)100g、米(糖質として50g)を様々なパターンで食べました。

それぞれの食事は15分で食べると書いてあるので、順番は様々でも、それぞれの食材の間隔はほとんど開いていないようです。米(R)、野菜(V)、肉(M)と表しています。そしてハイフン(-)が付いているものは順番に食べ、ハイフンがないものは同時に食べるようです。(図は原文より)

上の図のAはそれぞれの食事後の血糖値の変動です。日本の単位にするには18をかけてください。そうすると、最も血糖値スパイクを来たしたのはR-VMです。つまり米を最初に食べて、その後に野菜と肉を同時に食べるパターンです。変わった食べ方ですね。ピークは45分後で66mg/dL程度スパイクしています。その次がVRMで、全てを同時に食べるパターンです。まあ、これが普通の食事ですね。50mg/dL程度のスパイクです。

それ以外の、V-MR、M-VR、V-M-Rはピークが低下し、特にV-M-Rはピークの時間も90分後になっています。米だけを最初に食べるR-VMを除けば、図のBのように、3時間の曲線下面積に違いはありません。

上の図のAはインスリンの変化の推移です。先ほどと異なり、R-VMだけでなく、M-VRも45分後に大きなピークを示しています。VMRも45分にピークですが、肉を先に食べるM-VRよりもやや低い感じです。野菜を最初に食べるV-MRとV-M-Rはどちらもピークが後ろにずれていますし、ピークの低くなっています。

しかし図のBに示すように3時間の合計の曲線下面積はどの食事パターンでも有意な差は認められませんでした。

上の図のAはGLP-1 の変化の推移です。GLP-1 は食事をとると小腸から分泌され、インスリンの分泌を促進する働きをもつホルモン(インクレチン)です。これはV-R-Mが最も多く分泌されています。R-VMでは一度低下した後再度上昇しています。何を意味しているのかよくわかりません。

上の図はインクレチンのGIPの変化の推移です。これは食事により様々な変化を示していますが、曲線下面積では有意な差はありませんでした。これも何を表しているのかよくわかりません。

上の図はグレリンの変化の推移です。グレリンは胃から産生される食欲を増進させる働きを持つホルモンです。だから、食事をすれば低下するのですが、V-MRのみ、最初の60分間では増加しています。その後もほとんど変化していません。最も低下したのは肉を最初に食べるM-VRでしたが、3時間の曲線下面積の有意差はありませんでした。

確かに血糖値スパイクを抑制する効果は食べる順番にあるようです。しかし、インスリンの3時間の曲線下面積が有意差がなかったように、インスリン分泌で考えれば食べる順場の効果は非常に少ない様です。

また、通常の食事では、様々な食材が混在しています。その場合血糖値やインスリンの推移がどうなるかは非常に未知数です。さらに、この研究では非常に重要な栄養素の脂質がほとんど含まれないような食事になっているので、脂質をしっかり摂ったときにどうなるかはまた違うでしょう。

いずれにしても食べる順を気にしても良いですが、過度な期待はしない方が良いでしょう。以前の記事「食べる順で確かに血糖値の上昇は抑えられるかもしれないが…」で書いたように、食べる順番を野菜やきのこや海藻などの食物繊維が豊富なものから食べ、肉や魚、卵などのタンパク質を食べた後に、ご飯などを食べたときに、6か月で有意差はありませんが、空腹時のインスリンが1近く増加し、インスリン抵抗性を表すHOMA-IRも変化なし~やや増加してしまっていました。

血糖値が上がるのは糖質摂取によるものです。糖尿病も糖質過剰症候群です。食べる順番だけで糖尿病は寛解しません。

 

「Postprandial glucose, insulin and incretin responses differ by test meal macronutrient ingestion sequence (PATTERN study)」

「食後のブドウ糖、インスリン、インクレチンの反応は、試験食の主要栄養素の摂取順序によって異なる(パターン研究)」(原文はここ

2 thoughts on “食べる順による血糖値とインスリン値”
  1. 健康と食事への意識が高まってきているのは間違いないのですが、「なんだかな~」と感じてしまう説も多いです。
    この「食べる順番で血糖値が抑えられる」もほぼ常識と化してしまっていますが、糖質は摂取した分だけ、順番ではごまかせない血糖値上昇が
    あるのだと思います。
    また、運動後は素早くアミノ酸や糖質摂取で筋力等回復説も、アミノ酸ゼリー等の販売戦略、との説も。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      多くの人は糖質を何とか食べる方法を見つけたいのでしょう。
      でも、順番程度では血糖値の有害性は帳消しにはなりませんね。

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