新型コロナと呼ばれる夏風邪が流行っているようですが、どちらにしても風邪です。煽る必要も、マスコミが騒ぐ必要もありません。
小さな子供の発熱などには、アセトアミノフェンが使用されています。しかし、安全な薬は存在しません。妊婦さんにもアセトアミノフェンが使用されますが、妊婦さんがアセトアミノフェンに暴露されると、胎児に影響を与え、生まれてきた子供の自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)が増加してしまいます。
妊娠中のアセトアミノフェン曝露と小児の神経発達結果との関連性に関するメタアナリシスでも、下の図のように子供のADHDのリスクは1.47倍でした。(ここ参照、図もここより)
最近の出た(ここ参照)、妊娠中のアセトアミノフェンの使用と神経発達障害に関するエビデンスの評価でも、分析対象として46件の研究のうち27件の研究は正の関連(自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの神経発達障害(NDD)との有意な関連)を報告し、9件は無関連(有意な関連なし)、4件は負の関連(保護効果)を示しました。質の高い研究ほど、正の関連を示す可能性が高かったのです。全体として、大多数の研究で、出生前のアセトアミノフェン使用と、出生児のADHD、ASD、またはNDDとの正の関連が報告されました。
では、生まれた後の子供にアセトアミノフェンはどうなのでしょう。以前の記事「子供にとって本当にアセトアミノフェンは安全なのか? アセトアミノフェンと自閉症の関連」でも書いたように、MMRワクチン接種後のアセトアミノフェンの使用は自閉症の可能性と関連があると思われます。
今回の研究では、アメリカの1515人の子どもの親を対象としたインターネットベースの調査から得られた先行研究のデータを用いて、出生後の2歳未満でのアセトアミノフェン曝露が自閉症スペクトラム障害(ASD)のリスク増加と関連を分析しています。(表は原文より改変)
暴露 | 用量(使用回数) | OR |
---|---|---|
アセトアミノフェン | なし | 1 |
1~3 | 1.593 | |
4~15 | 1.458 | |
16~63 | 1.488 | |
64回以上 | 5.417 | |
わからない | – | |
男児アセトアミノフェン | なし | 1 |
1~3 | 1.393 | |
4~15 | 1.514 | |
16~63 | 1.533 | |
64回以上 | 5.676 | |
わからない | – | |
女児アセトアミノフェン | なし | 1 |
1~3 | 1.508 | |
4~15 | 0.971 | |
16~63 | 0.990 | |
64回以上 | 3.677 | |
わからない | – |
上の表は全体、男児のみ、女児のみのアセトアミノフェン投与回数とASDの可能性との関連を示しています。全体の64回以上の投与と、男性におけるアセトアミノフェン64回以上の投与は、統計的に有意な関連を示し、5倍以上でした。ちなみにイブプロフェン使用は有意な関連はありませんでした。
男児における2歳未満での出生後のアセトアミノフェン曝露に関連する人口寄与率(PAF)も推定しました。 このデータセットを用いた結果、出生後アセトアミノフェンに関連するPAFは、米国の男児におけるASDリスクの約43.7%と推定されました。ちょっと多すぎるように思いますが…
以前の記事「妊娠中のアセトアミノフェンの使用とLGBT」で書いたように、近年、性の多様性が言われていますが、その原因がアセトアミノフェンである可能性もあります。
今の医療では、発熱=治療すべき症状、であり、赤ちゃんから老人まで、すぐに薬が使用されてしまいます。小さな子供の熱をすぐに下げたがる親は多いでしょう。発熱は人間に備わった、免疫力を上げる初期設定のメカニズムです。
胎児や乳児の神経発達を保護するため、妊婦や小さな子供にはアセトアミノフェンの摂取を制限するようすべきだと思います。
「Postnatal Acetaminophen and Potential Risk of Autism Spectrum Disorder among Males」
「出産後のアセトアミノフェンと男性における自閉症スペクトラム障害の潜在的リスク」(原文はここ)