禁煙してもすぐにリスクは低下しない

糖質と同様にタバコは非常に依存性の高いものです。なかなか禁煙ができない人もいます。では、禁煙できたとして、喫煙していたリスクはどれくらいの期間でゼロになるのでしょうか?

今回の研究では心血管疾患のリスクを評価しています。(図は原文より)

上の図は心血管疾患のリスクです。Aが現在の喫煙者を含んだもの、Bはそれを除いたものです。そして青いグラフは非喫煙者に対する以前のヘビースモーカー、茶色いグラフは現在のヘビースモーカーに対する以前のヘビースモーカーのリスクです。横軸は禁煙年数です。

そうすると、現喫煙者と比較して5年以内の禁煙者の心血管疾患の罹患率は有意に低くなりました。罹患率は現喫煙者11.56/1,000人年に対し、禁煙5年未満者で6.94/1,000人年で、ハザード比(HR)は0.61、つまり約4割減少です。

 一方で非喫煙者の心血管疾患の罹患率は5.09/1,000人年で、それと比較すると喫煙者の心血管疾患リスクは、禁煙後10~15年で6.31/1,000人年で、禁煙から10年以降でその関連が有意ではなくなったが、リスクとしては高いままでした。(HR:1.25)

つまり、タバコは手を出さないに越したことはない、ということです。10年経っても非喫煙者に比べるとやはり心血管疾患リスクは残存してしまっているのです。

私も実は学生のころから、仕事を始めてしばらくまではタバコを吸っていました。しかし、やはり禁煙すべきだと思い、出張するときの電車の中である本を読みました。それが下の本です。



「こんな本を読んでやめられるわけがない」と思いながら、最後まで一気に読んでみました。そうすると私は単純なので、この本を読み終えた瞬間から禁煙をはじめ、そこから1本も吸っていません。もう20年ほど前のことです。本当にこの本を読むだけでタバコをやめられたのです。ほんとに単純な人間ですね。

電子タバコに移行している人もいると思いますが、電子タバコの有害性は恐らくあると思います。電子タバコに逃げるのではなく、ちゃんと禁煙しましょう。

タバコをやめられない人は一度この本を読んでみてください。

「Association of Smoking Cessation With Subsequent Risk of Cardiovascular Disease」

「禁煙とその後の心血管疾患のリスクとの関連」(原文はここ

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コメント

  1. 大阪高橋 より:

    私も14年前に『禁煙セラピー』を読んだら、簡単にタバコがやめられました。「タバコは美味しいし、ストレスを解消してくれるから、自分にはタバコが必要だ」と思いこんでいる喫煙者に対して、ただ「健康に悪いからやめろ」の一点張りではなく、どうしてタバコが必要ないのか、いかに喫煙者がお金をドブに捨てているかを繰り返し繰り返し説明する、逆洗脳的な内容だったと記憶しています。

    翻って「断糖セラピー」はどうでしょうか? 「糖質の多い食べ物は本当は不味い」とか、「糖質の多い食事はお金をドブに捨てるようなものだ」と説得するのは無理があって、お米やパンや麺類は、やはり安くて美味しいと思います(笑)。なので従来どおり「糖質過剰は健康に悪い」と説くしかないような気がします。

    • Dr.Shimizu より:

      大阪高橋さん、コメントありがとうございます。

      おっしゃるように、禁煙セラピーと同じように書いても、糖質制限の本は効果がないでしょうね。

  2. カーコ より:

    私も20年ほど前に禁煙しました。
    ですが、きつかったですね。
    離脱症状のようなものが出て、イライラするし頭が働かないのが数週間(3週間くらいかな?)続きました。
    中毒になっていたんですね、きっと。
    ネオシーダーを利用しつつ、なんとか成功しました。
    夫は止めると言いだしてすんなり止められてました。羨ましい。

    今は禁煙外来とかあって禁煙環境整ってますよね。
    あの頃にあればなぁと今でも思います 笑

    • Dr.Shimizu より:

      カーコさん、コメントありがとうございます。

      私はこの本で、それ程苦しく無くやめられました。
      脳が変わったからだと思ってます。

      薬を使って禁煙外来は、私は否定的です。チャンピックスの副作用は見過ごせません。

  3. 鈴木 武彦 より:

    いつも、興味深く、楽しく拝読しております。勿論実生活でも役立っています。

    先日もmailしました、
    鈴木武彦(s.42.1.17 生まれ、糖質制限、24時間断食、マラソン継続中)です。

    マラソン(half、full)をする際にはやはり、糖質も摂取する方がパフォーマンスは上がるのでしょうか。

    糖質制限やケトRUNとの両立、整合性に悩んでいます。

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      その方のペースによると思います。私はハーフでは気温が低ければ途中でエネルギーも水も摂りません。
      フルではもちろん水は飲みます。途中で糖質を摂取しなくなり、記録が伸びましたが、それ以上に記録を伸ばそうとすると
      どうしても糖質が必要になり、現在は途中で糖質を摂っています。
      それほど心拍数が上がらない状態で走るのであれば、フルでも糖質は必要ありません。
      もちろんウルトラになると必要だと思います。