中性脂肪と血糖値からわかるTyGインデックスと心血管代謝疾患のリスクとの関連

TyGインデックスは様々な疾患のリスクと関連しています。それはTyGインデックスがインスリン抵抗性の指標であるからだと考えられます。自分のTyGインデックスを知らないのであれば、一度計算してみましょう。(計算はここ)中性脂肪値と血糖値を入力するのみです。ちなみに以前の私の検査では7.32でした。

今回の研究では、心血管代謝疾患がなく、中性脂肪と空腹時血糖の完全なデータがあり、2006年から2012年まで連続して4回の健康診断を受けた36359人(平均年齢53.11歳)を対象に、追跡期間の中央値8年で、長期の心血管代謝疾患とTyGインデックスの変化との関連性を分析しました。8年の間に4685人が新たに心血管代謝疾患と診断されました。心血管代謝疾患は心筋梗塞、脳卒中、2型糖尿病の発症と定義しています。TyGインデックスの最低グループはQ1グループ<8.22、Q2グループ8.22–8.53、Q3グループ8.53–8.90、最高のQ4グループ≥8.90です。

平均TyGインデックスで分析すると、Q1グループと比較して、Q2-Q4グループは心血管代謝疾患のリスクが徐々に増加し、Q2で1.64倍、Q3で2.36倍、Q4で3.15倍でした。(図は原文より)

上の図は横軸がTyGインデックス、縦軸が心血管代謝疾患のリスクです。右側は追加調整していますが、どのような調整かよくわかりません。またリスク比1のところの交点もはっきりわかりませんが、8.5前後に見えます。

上の図はTyGインデックスの変化とリスクの関連です。マイナス変化もリスクが上がるのはなぜかよくわかりませんが、もともとが高いTyGインデックスだったからマイナスになったのかもしれません。初期段階でのTyGインデックスの上昇は、心血管代謝疾患の発生に累積的な影響を及ぼし続けるのかもしれません。

いずれにしても、高いTyGインデックスは心血管疾患および2型糖尿病のリスクを大きく増加させます。

例えば空腹時血糖が90でも中性脂肪が100になると、TyGインデックスは8.41です。中性脂肪値を150まではOKとする医師もいるかもしれませんが、血糖値が90でも8.82です。

TyGインデックスが8未満というのが一つの目標値だと考えています。8.3以上は注意信号、9を越えたらかなり危険な状態だと思います。TyGインデックス9というのは血糖値90で中性脂肪値180です。もっと中性脂肪値、インスリン抵抗性を気にするべきでしょう。

中性脂肪値を下げるには糖質制限です。脂質たっぷり食べても糖質制限をすると中性脂肪は低下します。

「Association of long-term triglyceride-glucose index level and change with the risk of cardiometabolic diseases」

「長期的な中性脂肪グルコースインデックスレベルと心血管代謝疾患のリスクとの関連」(原文はここ

3 thoughts on “中性脂肪と血糖値からわかるTyGインデックスと心血管代謝疾患のリスクとの関連

  1. >脂質たっぷり食べても糖質制限をすると中性脂肪は低下します。

    脂質悪人説はまだまだ世間に根強いものがありますが、糖質制限したうえで、実際にやってみれば脂質が善人であることはすぐわかるのに(笑)

    夏井医師のブログ経由で
    卵30個を一か月食べ続けたあとの中性脂肪値の変化をユーチューブにあげた人の動画をみましたが、中性脂肪値は見事に下がっていました。その他、HDLコレステロールは上がり、LDLコレステロールはほとんど変化なし。あと、手っ取り早いが生卵はよくない、食べにくくても調理した卵がよさそうです。

    1. カルダノ栄太さん、コメントありがとうございます。

      いまだに多くの医師、栄養士が脂質摂取で中性脂肪値の増加が起きると信じています。
      まずは自分でやってみれば良いのに。

  2. ユーチューブの件ですが、卵30個を毎日食べ続けて1ヶ月という意味です。ちなみに私は日に5個。スーパー糖質制限は5年続けています。毎日が上機嫌、風邪もまったくひきません。もちろんワクチン無用、マスク不要です。あと、最近、卵も高騰していますが買います、必需品ですから笑

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