赤ちゃんにも糖質たっぷり

現代の赤ちゃんは糖質過剰摂取が当たり前になっています。実際にはどれくらいの糖質なら大丈夫なのか、どれくらいが適量なのかなど何もわかってはいません。しかし、人類はそもそも糖質をほとんど摂取せずに進化したことを考えると、赤ちゃんでも当然、糖質は非常に少ない量で育ってきたはずです。現代のベビーフードなどは糖質たっぷりです。

赤ちゃんがどれほどの量の糖質を摂れるのかをちょっと考えてみましょう。私の勝手な仮説です。

ここ参照)

乳幼児の身長と体重の中央値は

身長(男)体重(男)体表面積(男)身長(女)体重(女) 体表面積(女)
出生時49.03.000.19348.52.940.189
3か月62.06.630.3260.76.150.305
6か月67.98.000.3766.57.470.354
9か月71.88.700.39970.48.170.383
12か月74.89.240.42273.48.680.405
2歳86.711.930.52485.311.290.505
3歳95.113.990.59993.813.530.585

成人(平均値)168.067.31.765154.553.51.506
BMI22165601.659151501.439

勝手に設定をさせていただきます。体重60kgの男性をBMI22とすると身長165cmです。その人が60gの糖質を摂ったときに血糖値が60上昇したとします。つまり、糖質1gあたり血糖値の上昇は1とします。血糖値は140までで抑えたいので、空腹時血糖値を90とした場合、ちょうど血糖値のピークは140にするには、50gしか糖質は摂れません。

ここを基準とすると、血糖値の上昇を体重に比例すると考えると、50kgの女性は約42gしか糖質を摂れません。血糖値の上昇を体表面積に比例すると考えると、50kgの女性は約43gしか糖質を摂れません。成人では体重で考えても、体表面積で考えても大きな違いはないようです。

これを1回の糖質の極量(安全限界の最大限の摂取量)と勝手に定義してしまいましょう。

乳幼児で考えてみましょう。1回の食事で6か月の男児では、6.7g(体重換算)、11g(体表面積換算)、6か月の女児では、6.2g(体重換算)、11g(体表面積換算)しか糖質を摂れません。

1歳の男児では、7.7g(体重換算)、13g(体表面積換算)、1歳の女児では、7.2g(体重換算)、12g(体表面積換算)しか糖質を摂れません。

成人と比べて小児では体重で考えるか、体表面積で考えるかで大きく違いますね。

もちろん実際には糖代謝、耐糖能は違うので、こんなに簡単な話ではありませんが、1つの目安とはなると思います。

これを踏まえて、世の中のベビーフードというものを見てみましょう。

まずは和光堂。(ホームページはここ

5か月ごろからの「はじめての離乳食」シリーズですが、例えば「裏ごしかぼちゃ」は内容量2.4gですが、その中の糖類は0.23g、炭水化物は2.2gと表示されています。つまりほとんどが多糖類のでんぷんなどなんでしょう。「裏ごしおさかな」でさえ、内容量2.6gで炭水化物1.9gです。(食物繊維の量がわからないので、すべて糖質と考えています。以下同様)

7か月ごろからの「グーグーキッチン かぼちゃのグラタン」は内容量80gで炭水化物9.9gです。角砂糖約3個分の炭水化物です。

9か月ごろからの「グーグーキッチン 和風しらすチャーハン」は内容量80gで炭水化物12.2g!

1歳ごろからの「BIGサイズのグーグーキッチン 五目炊き込みごはん」は内容量130gで炭水化物20.7gです。角砂糖約6個分。

赤ちゃん用のおやつもあります。9カ月頃からの「赤ちゃんのやさしいおやきミックス にんじんとほうれん草」は2個分10g当たり炭水化物8.2gです。1歳ころからの「ミルクデザート りんごとにんじん」は1袋30g当たり炭水化物7.7gですが食物繊維1.3gなので糖質6.4gです。9か月~1歳の赤ちゃんのおやつには角砂糖2個分の糖質が入っています。

面白いことに、赤ちゃん用のイオン飲料もあります。赤ちゃんも電解質補給に忙しいようです。3カ月頃からの「元気っち! アクアライト りんご」は100ml当たり炭水化物5.5g、内容量は125mlなので糖質は約6.9gです。

7か月頃からの「りんご果汁100%」は100ml当たり炭水化物11g、糖質9.5gですが、内容量は125mlなので、糖質約12gです。全部飲んでしまったら恐ろしい。

1歳からのお出かけにぴったりの「1歳からのMYジュレドリンク りんご100」は1袋70g当たり炭水化物11gです。

次にキューピーを見てみましょう。(ホームページはここ

はじめての離乳食にも安心な5か月ころからの「北海道産コーン」は内容量70gで炭水化物8.2gです。「こだわりのひとさじ 国産りんご」は内容量70gで炭水化物12.1g!5カ月で一度に全部食べられるかどうかはわかりませんが、全部食べたら角砂糖3~4個分です。

7か月ころからのおやつ「おやさいぼーる さつまいも」は内容量3gで炭水化物2.8gとただの糖質の塊です。

9か月ころからの「すまいるカップ 野菜たっぷりチキンライス」は内容量130gで炭水化物14.4g。野菜たっぷりですが糖質もたっぷりなようです。

1歳ころからの「すまいるカップ まぐろと野菜の彩りピラフ」は内容量130gで炭水化物16.8g。「ハッピーレシピ レバーと野菜のトマトリゾット」は内容量120gで炭水化物17.5g。デザートの「いちごとぶどうのフルーツジュレ」は内容量70gで炭水化物14.4g。

つまり、市販されているベビーフード、おやつは体表面積換算ではほぼ極量かそれ以上、体重換算では極量のはるかに上回る量を乳幼児に与えていることになります。そして、そこに含まれているエネルギー量のうち炭水化物の割合はほとんどが70%を超え、90%以上が炭水化物であるものもあるのです。

下の図は乳幼児の栄養摂取基準です。(ここより)

なぜ乳児のタンパク質摂取量がここまで少ない設定なのかは非常に疑問です。0~5か月では約7~8%、6~8か月では約9~10%、9~11か月では約14~15%です。厚労省のPFCバランスが正しいかどうかは別として、乳児では脂質は50~40%ですから、炭水化物(糖質)としては43~51%程度となるはずです。

1歳となると急に脂質摂取量が20~30%に引き下げられます。なぜでしょう?わかりません。

いずれにしても市販のベビーフードはこのような厚労省の栄養摂取基準さえはるかに逸脱した糖質割合を含んだものばかりなのです。もちろん、乳幼児のすい臓はまだまだ元気であり、様々な臓器も新鮮で、糖質を取り込む能力に余裕があるのかもしれません。しかし、どう考えても人類の進化の過程で乳幼児が糖質を10gなどという大量に摂取できたことがあったとは思えません。小さな体に大量の糖質がすい臓に大きな負担をかけている可能性もあります。そして、もっとタンパク質の比率が高かったとも思われます。

そうすると、現代では生まれて間もなくから糖質過剰摂取状態に晒されていると考えられます。しかも、食材そのものの糖質だけでなく、砂糖や果糖ブドウ糖液糖が添加されているものもたくさんあるのです。また、赤ちゃん用のフルーツ、フルーツジュースとしてリンゴは定番ですが、これもやめた方が良いと思います。なぜかは新著『肥満・糖尿病の人はなぜ新型コロナに弱いのか 「糖質過剰」症候群II』を読んでみてください。

赤ちゃん用の食事やおやつ、デザートの糖質量は例えば食事は5g以内、おやつやデザートは2g以内などともっと規制すべきでしょう。

関連記事「Call for Removal of Misleading Sugar Claims on Baby & Toddler Sweet Snacks such as Biscuits and Rusks

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コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    診断基準もあるのでしょうが、発達障害が増えているのも関係有りそうですね。

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      もちろん関係していると思います。

  2. もちづきよしこ より:

    初めて質問します。
    先生のブログと本で勉強させてもらっています。
    一回の食事でタンパク質の吸収できる量について教えてください。
    「よく20gずつ分けて食べ分けないと吸収されない。一回量で、たくさんは吸収できない。」と書かれている事がよくあるのですが、本当でしょうか?先生の仰る通り、人類が3食食べていたわけはなく、狩が成功した時しか食べられなかったとしたら、タンパク質が吸収される量が少ないと言う事はあり得ないと思うのです。一回の食事で吸収できるタンパク質の量に上限はあるのですか?

    • Dr.Shimizu より:

      もちづきよしこさん、コメントありがとうございます。

      恐らく20gが吸収の上限であるということで、得をする人がいるのでしょう。
      1日一食の人は20gが上限なら、60kgの体重で、タンパク質摂取量が0.33g/kg/日となり、
      タンパク質欠乏となってしまいます。
      次回の記事にさせていただきます。