糖質制限は睡眠不足にも強い?

糖質制限をすると眠りの質が良くなります。人によっては睡眠時間が短くなることもあるかもしれません。糖質過剰摂取時代より睡眠時間が短いのにスッキリ目覚める人も多いのではないでしょうか?一般的には長時間の覚醒状態、睡眠不足は認知能力の低下を来します。では糖質制限ではどうでしょう。今回の研究ではケトン食2週間のあと36時間眠らない状態での認知能力、気分、主観的眠気を調べました。

今回の研究では7人の男性軍人を対象に実施されました。14日間、参加者はケトン食 (炭水化物をエネルギー摂取量5%未満(1日40g未満)、タンパク質15~20%、脂質75%以上) または炭水化物ベースの食事(炭水化物をエネルギー摂取量>45%、タンパク質15~20%、脂質40%未満)を摂りました。その後36時間覚醒状態を続けます。ケトン食ではケトン体が2 週目で1070μmoL/Lでした。ケトン体が400μmoL/Lに到達するまでの日数は平均3.9日でした。

(図は原文より)

 

上の一番上の図は平均の精神運動覚醒検査(客観的な睡眠不足によるパフォーマンスの低下を検出する検査)のパフォーマンスです。炭水化物ベースの食事よりもケトン食で、失効回数、平均相互反応時間などが上回っていました。

真ん中の図は主観的眠気です。ケトン食の方が眠気が減少していました。

一番下が活力です。ケトン食の方が活力が高くなっていました。

まあ、2週間でどこまで適応してケトン体質になっているかは疑問であり、実際にも違いは大きくありません。しかし、脳のブドウ糖が減少しても、ケトン体がたっぷりある状態では、脳のエネルギー低下はほとんどないため、睡眠不足による認知機能のパフォーマンス低下は少なくなる可能性があります。

睡眠不足ではなくても、糖質制限をして、ケトン体が常に体にある状態だと、脳をはじめ、様々な臓器のエネルギーが安定します。エネルギー不足を気にする必要がないのです。糖質過剰摂取だと、血糖値が下がってくると体の警報装置がなり、アドレナリンなどが急激に増加し、緊急対応に迫られるでしょう。

人間はそこまで大きな血糖値の変動があることに適応して進化したわけではないのです。

 

「The effect of a 2 week ketogenic diet, versus a carbohydrate-based diet, on cognitive performance, mood and subjective sleepiness during 36 h of extended wakefulness in military personnel: An exploratory study」

「軍人における36時間の延長覚醒中の認知能力、気分、および主観的眠気に対する2週間のケトン食と炭水化物ベース食の効果:探索的研究」(原文はここ

 

One thought on “糖質制限は睡眠不足にも強い?

  1. 糖質制限、
    あらゆる生活や体調管理の
    場面で、
    してない方々と比べて、
    有利に過ごせますね。

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