糖質は閉経を早めるかもしれない

毎日の食事と閉経の時期にはどうやら関連がありそうです。今回の研究で明らかになったことは、糖質が閉経を早め、魚は閉経を遅らせるということです。

生成された炭水化物であるパスタや白米は1.5年閉経が早くなり、savoury snacks(風味の良いお菓子?何て日本語にしたらいいのでしょうか?)は0.9年早くなります。一方で、青魚のような脂の多い魚は3.3年閉経を遅らせ、マメ類は0.9年閉経が遅れます。

栄養素で言うとビタミンB6と亜鉛が関連しており、ビタミンB6で0.6年、亜鉛で0.3年閉経が遅くなりました。

さらにベジタリアンはそうでない人と比較して0.8年閉経が早くなります。ベジタリアンではない人だけで調べると、savoury snacks(風味の良いお菓子)で1.7年、清涼飲料水(ソフトドリンク)で1.3年閉経が早くなり、逆に脂の多い魚は3.4年、マメ類は1.4年閉経が遅くなります。

出産経験がない女性では、なぜかブドウで2.5年、鶏肉で5.2年も閉経が遅くなっています。

卵子の成熟と放出は活性酸素種によって悪影響を受けるため、抗酸化物質を多く含む食材をたくさん食べることは閉経を遅らせることができる可能性があります。

しかし、ベジタリアンではない人はベジタリアンに比べて0.8年自然な閉経が遅くなります。野菜や果物に多くの抗酸化物質が含まれていそうですが、別の理由も考えられるようです。

ベジタリアンは食物繊維摂取量が多く、動物性脂肪を含む食品を取らない食事をすることにより、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモンレベルおよび月経周期の長さに影響与えてしまう可能性があります。高食物繊維と脂肪の摂取量の減少がエストロゲンレベルの低下と関連しており、ベジタリアンの自然な閉経の年齢が早いことが説明されています。

白米やパスタなどの生成された炭水化物、すなわち糖質の過剰摂取は、インスリン抵抗性のリスクを増大させます。インスリン抵抗性は、肝臓における性ホルモン結合タンパク(SHBG)減少をもたらし、エストロゲンレベル増加させます。

エストロゲンレベルが高くなると、排卵を誘発する黄体形成ホルモンの放出を引き起こし、月経周期を増加させることにより卵母細胞の急速な枯渇を起こし、結果としてより早期の閉経につながると考えられます。

エストロゲンは高すぎても低すぎても閉経を早めるということでしょうか?

エストロゲンは女性の体を守っています。閉経が早まるということはそれだけ、エストロゲンの恩恵を受けられない時期が早く来てしまうことにより、骨粗鬆症や心疾患などの疾患のリスクが高くなります。一方で閉経が遅くなることは乳癌、子宮癌および卵巣癌のリスクがより高くなると言われています。

しかし、がんと糖質の関連を考えれば、糖質を避けてがんのリスクを低下させ、閉経を遅くした方が良いのかもしれません。

 

「Dietary intake and age at natural menopause: results from the UK Women’s Cohort Study」

「自然閉経時の食事摂取と年齢:英国女性コホート研究の結果」(原文はここ

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