収穫後数日経った野菜には栄養がほとんど無いかもしれない

野菜は新鮮なものが一番です。早ければ収穫してスーパーなどに並ぶのに、即日ということもあるでしょが、全国から配送したりすれば、収穫後2日経っていることも珍しくはないと思います。その間の品質管理は冷蔵してちゃんとしていると信じたいものです。

店頭に並んだ時に、店によっては、また野菜の種類によっては常温で並んでいるものもあるでしょう。

さらに最近はネットで注文して、野菜のセットなどを自宅に宅配するものもあります。そうすると、自ずと1~2日配送の日数がかかります。業者によっては常温で野菜を送ってくる場合もあるかもしれません。

では、冷蔵保存と常温保存で収穫後の日数に応じた、野菜の品質、つまり栄養価はどのようになるのでしょうか?もちろん、野菜の種類によって大きく異なると思われるので、一つの参考にしかなりませんが。

今回の研究では、ベビーホウレン草というものを、4度と22度で保存した場合の2日毎の栄養素がどれくらい残っているかを調べています。(図は原文より)

上の図はAがマグネシウム、Bは鉄、Cは亜鉛、Dが総フェノール化合物(ファイトケミカルのひとつ)です。横軸が保存日数です。縦軸が栄養素の量です。ご覧の通り、22度で保存した場合には収穫後2日後にはほとんど栄養素が残っていません。フェノール化合物だけ減少する日数は長く、だんだんと減少していますが、他は一気に低下しています。4度で保存したとしても8日後には0になっているので、保存は冷蔵でも1週間が限度と思われます。

上の図はAが総カロチノイド、Bは総フラボノイド、Cは総抗酸化活性、DはビタミンCです。カロチノイドとフラボノイドはファイトケミカルです。そうすると、22度ではカロチノイドと抗酸化活性は2日後に大幅な減少、フラボノイドとビタミンCは4日後には大幅な減少を示しています。4度で保存しても4日~1週間でほとんどの栄養素は低下しています。抗酸化活性は4度でも4日目にはかなり低下しているので、野菜の持つ栄養素を十分に摂り入れたいのであれば、収穫後から例存保存された状態で2日程度までに食べるのが一番良いことになります。

収穫後常温保存されたり、収穫後1週間も経過した野菜は、もしかしたら、何を食べているかわからないくらい、栄養素が無くなっている可能性があります。もちろん、食物繊維は残っているとは思われるので、割り切って考えるのであれば良いですが。

野菜には様々な栄養素が含まれてはいますが、それはもしかしたら新鮮な状態での話かもしれません。

スーパーなどでもできる限り、保冷された、収穫後すぐの商品を選び、できる限り早いうちに食べた方が良いでしょう。

「Influence of Postharvest Storage Temperature and Duration on Quality of Baby Spinach」

「ベビーホウレン草の品質に対する収穫後貯蔵温度と期間の影響」(原文はここ

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