ケトン体が寿命を延ばす

以前に「カロリー制限が寿命を延ばすのではなく、糖質過剰摂取が寿命を縮めているだけ!」という記事を書きましたが、その理由を示す研究が発表されました。
体がエネルギーのために十分なグルコースを持っていないとき、体に貯蔵している脂肪を燃やし、ケトン体が増加します。ケトン体のレベルの上昇によって、カロリー制限が少なくとも部分的には寿命を延ばすと著者は考えています。
マウスの悪性腫瘍の発生、インスリン抵抗性に起因する血糖値およびインスリンの増加、筋肉衰弱などの多くの老化に起因する変化は、ケトン体の代謝によって減少することが示されており、このケトン体は絶食またはカロリー制限中に肝臓によって脂肪酸から作られる正常な代謝産物です、と著者は述べています。

また、この論文の中で、栄養不良がなければ、ビタミンC(アスコルビン酸)などの抗酸化物質が抗酸化剤として機能する能力は主に[NADP / [NADPH]によって決定されます。摂取する抗酸化物質の量が増加しても、[NADP+] / [NADPH]にほとんど影響はありません。[NADP+/ [NADPH]の減少はケトン体の代謝によってもたらされるため、抗酸化サプリメントを服用する理由はほとんどまたはまったくありません、と述べています。さらにアスコルビン酸のような還元剤の使用は、おそらくこれらが酸化促進作用および抗酸化作用の両方を有するか、または寿命延長に必要な活性酸素シグナルを還元剤が遮断するため、寿命を一様に増加させなかったことや、Linus Paulingによって発表された高用量のアスコルビン酸の有益な効果についての誇大な主張は、ほとんど実証されなかった、と述べています。

難しいですね?ビタミンCなどは抗酸化作用ばかりが強調されますが、一方で酸化促進剤の面を持っています。その酸化促進剤としての作用を使っているのが、がんにおける高濃度ビタミンC点滴であると思います。通常の状態では、もちろん欠乏はダメですが、大量にサプリを飲む必要はないのではないでしょうか?特に糖質制限をしている人は、大量にケトン体が出ています。このケトン体にも抗酸化作用があるはずです。

ケトン体が上昇したケトーシスでは加齢変化や筋力低下が減少し、アルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの症状の改善が得られるという研究もあります。

ケトン体が上昇するような代謝(つまり、糖質制限)は血中グルコースおよびインスリンを低下させ、インスリン/インスリン様成長因子受容体シグナル伝達経路(IIS)の活性およびそれに付随する経路の変化を減少させます。さらに、ケトン体は、抗酸化物質および代謝酵素の合成を刺激するFOXO遺伝子発現を誘導します。重要な要素は、哺乳類のケトン体の代謝がNADP系の還元力を高め、老化過程の主因である酸素フリーラジカルを破壊する熱力学的駆動を与えることです。

この研究を紹介する記事の原文はここ、論文の原文はここ

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