ドクターシミズのウルトラランナーへの道2017 その3(2017.6.30追記)

50km近くになると上りと下りが何度も出てきます。最初の年と同様に無理せず、上りは歩きにしました。体力温存のためです。

54.5kmにはレストステーションがあります。荷物を受け取り、トイレに行き、フリースタイルリブレでグルコース値(血糖値)とケトン体値を測定しました。寒く冷えて濡れた手で操作がままならないことと、雨のしずくがキャップから落ち続けていて、やりにくい状況に加え、末梢循環が思ったよりも良くないのか、血液が針を刺してもあまり出てきません。いつも運動後はたっぷり出てくるのですが、冷えていたのでしょう。何とか絞り出して測定しました。ベスパプロをウエストバッグに入れて、レモンを口にし、お茶を飲んだ後すぐに出発しました。その後はゆっくりせずにすぐに出発です。長居するとリタイヤしたくなりそうでした。

レストステーションの後の道はところどころ池のような水たまりがあります。避けるために車道に出ないとならないところ何度もありました。

63.5kmでスペシャルドリンクを取り、65km付近は「魔女の森」と言われている森に入ります。魔女の森を過ぎたのですが、お腹が痛みます。冷たい飲み物はジェル以外は止めることにしました。走っている途中で下から「臭い液体状のもの」が出てしまっては困るからです。トイレに駆け込むほどではありません。そして、のどの渇きもあまり感じていませんでした。

68kmにはサロマの名物食事処「白帆」の私設エイドがあります。ここでは今年も温かい濡れタオルでした。そしてお茶も温かいお茶が用意されていました。昨年といい今年といい、本当に助かりました。この温かいタオルとお茶を目指して、ここまで走ってきました。

今年も雨で、旅人宿さろまにあんという民宿では地上で旗を振ってくれていました。晴れていれば、屋根の上で大漁旗を振ってくれているはずでした。

75km手前にサロマ湖鶴雅リゾートの私設エイドがあります。ここには毎年恒例のおしるこやそうめんが置いてあります。昨年までは頂かなかったのですが、今年は温かいものを求めるために温かいそうめんをもらい、つゆだけを飲みました。その後、なぜかときどき右足の力が入らない感触が出てきました。これは「脳の罠」だと思い、無視しました。知らぬ間に消えてはまた出現するというのを繰り返しましたが、どんどん強くなる様子はありませんでした。

80kmのスペシャルドリンクを取りましたが、思ったよりも寒さのせいでジェル系を消費していないので、携帯するにも限界がありました。そこで、泣く泣くOS-1はあきらめて(最も大きいのと、安いから)ベスパプロとここでジョミだけを持って、いよいよ勝負のワッカです。昨年までの苦しさと昨年の寒さが蘇ります。今年はどれだけ寒いのだろう、と思いながらワッカに出ました。

ワッカは私を試すかのように強く冷たい雨と風で迎えてくれました。昨年よりもさらに寒く感じます。向かい風が強いんです。寒くて歯がガタガタ鳴ります。疲れで歩くと余計に寒く感じます。だからとにかく体に熱を起こそうと必死で走りました。それでも寒い。そこで持っていたビニールの袋で作ったレインコートのようなもの(マラソンでは定番です)もかぶり、さらなる防寒対策をしました。それでも焼け石に水でした。寒さは私の心をとことん折ってしまいました。

また、ワッカの中は大きな水たまりが非常に多く、避ける道もないので、仕方なく水たまりに入るしかありません。寒いのに冷たい水たまりに入るのは非常につらいことです。冷えた体がさらに冷えます。

ワッカに入るとあと20㎞ですが、まだ20kmです。通常の練習であれば2時間もかかりませんが、このペースで行くと3時間以上はかかる計算です。「リタイヤ」して温かくなりたい!という気持ちがどんどん強まります。そして、しばらくすると両足の付け根、股関節の前側が激しく痛みを感じるようになりました。はっきり言って激痛です。顔をしかめるぐらいの痛みです。走るどころか、歩くこともつらい痛みです。「これは今年はもうダメかな?」と思いました。今年のウルトラマラソンの脳の最大の罠はこれだったのかもしれない!と思いましたが、痛みは続きます。痛い部分を押さえるとさらに痛む、圧痛があります。これは本当の痛みかもしれない…。恐らく、疲労と冷えで筋肉が硬くなっているのだと思います。ゆっくりと屈伸をするだけで少し痛みが和らぐことに気づきました。そこで、痛みが強くなれば止まって屈伸、痛みが和らげば走り始める、というのを繰り返しました。体が冷え切り、低体温になってしまうと命の危険もあります。この年齢で無理はできません。低体温で危なくなる前にリタイヤしよう、そう思いました。

そして、リタイヤをほぼ考えたときに、ワッカの途中のエイドに、温かいお茶が用意されていました。それを飲んだら、少し気分が落ち着き、体が少し温まり、心はかなり温まり、「まだ行ける!」と思えるようになったのです。この一杯の温かいお茶がここになければ、私はリタイヤしていたと思います。そして88㎞を示す看板を見たときに、「もう大丈夫だ!完走できる!」と強く思いました。(自分に言い聞かせるためです。)

昨年まではラスト数キロは非常に良いペースを取り戻して、ゴールすることができたのですが、今年は最後の最後までペースは上がらず、途中で屈伸しては走るの繰り返しです。しかし、何とかゴールしました。今年はゴールのポーズを考える余裕はありませんでした。完走しただけで御の字です。

約126,600歩のランでした。

今年はなぜかサロマ湖のウルトラマラソンのランフォトがなく、ゴールの写真はアップできませんでした。来年からまた復活させてほしいものです。

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