子宮頸がんワクチンの副作用の考察

子宮頸がんワクチンの副作用で苦しむ女の子がたびたびマスコミに取り上げられる。激しく痙攣する子、痛みを訴える子、記憶が障害された子など様々な症状が現れている。そのような映像をテレビやインターネットで見ると胸が痛くなります。そして、国やワクチンを作った製薬会社は何をやっているんだと思う人も大勢いるでしょう。

私が症例やデータをいっぱい持っているわけではないので真実を解明することは難しいですが、一つの考えを書いてみたいと思います。

現在の私の立場は、自分に娘がいたらこのワクチン接種はさせない、必要ない、と考えています。もともと患者は少なく、ワクチンでそのリスクが半分になったとしても大した数字ではないと思っているからです。そして、副作用などまだはっきりしない部分が多いからです。だいたい、公費を使ってこのワクチンを投与する意味がわかりません。他の感染症なら、拡大を防ぐためという理由でワクチンを投与するのは理解できる部分もありますが、子宮頸がんワクチンは任意でいいのではないでしょうか?

 

さて、今日の投稿を書くきっかけになったのは、名古屋市の調査結果を見たからです。(名古屋市のホームページから見れますし、下のリンクから結果だけは見ることができます。)
http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000073/73419/sokuhou.pdf
http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000073/73419/gaiyou.pdf

この調査は約7万人を対象に子宮頸がんワクチンを接種した人と接種していない人で、副作用と言われている症状の発症状況を調査したものです。また、これは名古屋市が実施したもので、医師や医療機関、厚労省などが行ったものではありません。以前にも書いたように企業から何千万円ものお金をもらっている人の調査や研究だと、データの信憑性がどうなのか疑ってしまいます。この調査は名古屋市にお金が流れていないことを前提でデータを見ていきます。

そうすると、年齢で補正したデータではワクチン接種者に有意に症状が多い項目は一つもなく、逆にワクチン接種者の方が有意に症状が少ない項目として「杖や車いすが必要になった」「簡単な計算ができなくなった」「簡単な漢字が思い出せなくなった」「過呼吸」「めまい」「急に視力が低下した」「関節や身体が痛む」「ひどく頭が痛む」「集中できない」など多くあります。

実際に、ワクチンを接種していない人でも「身体が自分の意思に反して動く」ことがあったり、「過呼吸」になったり、「突然力が抜ける」ことがあったり、「関節やからだが痛む」ことがあったり、「普通に歩くことができない」ことがあったり、「簡単な計算ができなくなった」ことがあったりする人がかなりいるのです。

そこで、もう一度子宮頸がんワクチンの副作用で苦しんでいる子供たちの映像を冷静な目で見てみると、違ったことが見えてきます。Youtubeに「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」が投稿した動画があります。その映像を見てみてください。とにかく冷静に見てください。足を非常に大きくバタバタさせている様子が映っています。これはけいれん?と言いたいのでしょうか?もし、全身のけいれんであればあんな大きな動きにはなりません。そして左右の足が順番の動きます。両手はベッドの柵につかまって体を支えているように見えます。態勢が悪くなった時には自分でまっすぐに戻しているような動きも見えます。最後にベッドから落ちてしまうのですが、上手く足から落ちます。そしてあれだけ動いていた足は、落ちるときには動きがあまりありません。落ちてからもバタバタしている様子はありません。この映像を見た時にけいれん発作だと考える医師はいないと思います。通常の不随意運動と考える医師もいないと思います。では、未知の不随意運動?何でしょうか?

他の子は全身けいれんしているのに泣いています。意識がしっかりしているからですね。全身のけいれんでは意識は通常ありません。だから泣きません。他にも全身けいれんや脱力と言っているのに椅子にしっかり座っています。崩れ落ちません。体幹がしっかりしているように見えます。

それ以外の動画でも、ソファーで全身けいれんをしているのに非常に上手に姿勢を変えている様子が映っていました。けいれんしているのにお尻や足の位置を自分でいい位置に変えるなんておかしいと思いませんか?4時間けいれんしているという訴えがありました。4時間?通常のけいれんの時間では考えられません。左半身麻痺の子も出ていましたが、なぜか手足の麻痺は左で、耳も左が聞こえず、左目も見えない状態でした。脳のどこが悪くなるとこのような症状になるのでしょうか?一般の方は左半身麻痺だと顔の麻痺症状も左側に出ると思っているのでしょうが、神経によって違う部位で交差しますし、交差しない神経もあります。だから首から下が左半身麻痺でも顔の目と耳が上手く左側が悪くなるなんてちょっと奇妙な症状です。手をグーにして硬直したという子もいました。上手くグーにしています。手首から先だけ硬直し、しかもグーの状態です。変な硬直です。

私はこの子供たちが仮病や詐病だとは全く思いません。本人は確かに苦しんでいる思います。しかし、このような症状を示したときになぜすべてがワクチンが原因と考えるのでしょうか?その前に1回でもワクチンを接種したから?

ワクチンを接種してその日や次の日に具合が悪くなったとか、注射のところが痛いとかならわかりますが、何カ月も経った後、長い場合には1年以上後に症状が出て、それを全てワクチンが原因だというのはやはり無理があります。ワクチンが原因というのがゼロではないかもしれませんが、どれもこれもワクチンと結びつけるのは間違っていると思います。

一部の医師は子宮頸がんワクチンによって起きた一連の症状を何か名前を付けて、何とか症候群と呼んでいるようです。新しい病気の概念を作っているのですが、新しい病気を提唱する場合、現在ある病気の概念のどれにも当てはまらないという前提でなければなりません。しかし、この子たちの症状を説明する病気の概念はすでにあります。それは「転換性障害」です。この転換性障害と何ら矛盾しません。名古屋市の調査を見た時に、ワクチンを接種していない人でもワクチンを接種した人と同じ症状を示すことがわかります。ワクチンを接種していない場合「転換性障害」、ワクチンを接種したらワクチンの副作用でいいのでしょうか?

ワクチンの副作用で苦しんでいる子のヒストリーは非常に似ています。生来健康だった、スポーツなどに打ち込んでいたり、目標に向かって頑張っていた。その矢先に症状が出た。どの病院へ言っても異常が見つからない。ワクチンを打った副作用だと知った。というものです。いろいろな症状が出て、検査しても異常が見つからない。だからワクチンの副作用だというのは考えが飛躍しすぎだと思います。因果関係とよく言いますが、因果関係があることを証明することは非常に難しいです、しかし、名古屋市の調査を見ると、因果関係が無いと考えるのが妥当です。それが科学的な考えです。(お金が流れていないことが前提ですが)

ここで、厚労省が今回の一連の副作用は「心因性のもの」と発表しました。今もその姿勢を変えてはいません。多くの人は「心因性のもの」「精神的なもの」という言葉に過敏に反応します。多くの人は自分はそんなに弱い人間ではないとか、精神病ではないとか、自分の子供が精神的な病気だなんて私の育て方がおかしいというの?とかいろいろ思ってしまうのが普通でしょう。だから、厚労省の発表はもっと慎重に言葉を選ぶべきだったと思います。

実は私は子どもの頃、顔の一部の痛みで悩んでいました。夕方ごろになると目の上の奥の方が痛むんです。病院へ行きましたが検査しても異常はありませんでした。でも、いつの間にか症状は消えました。今、振り返ってみるとその時習い事をしていたのです。学校は休んでも習い事は行きたいと言っていたほど頑張っていたのですが、詳しくは覚えていませんが、そのころにみんなが見ていた番組があり、それの時間と習い事が重なっていたのです。その時の子供ならではの心の葛藤が顔の痛みとして表れていたんだと思います。子供の頭が痛い、お腹が痛いというのは良くある話で、ほとんどは体の異常はなく、心因性のものです。子供でなくても、大人でも体の症状が心因性のものである場合は良く見ます。完全に働きたくなく詐病の人もいるかもしれませんが、無意識の方もいっぱいいます。いっぱいいると断定的に書いていますが、心因性である証明は通常できません。検査でわかりませんから。でも、どう考えても心因性の要素が深くかかわっていると考えるのが妥当だいうのがあります。そのような方に実際に心因性の方向からアプローチを何気なくすると、良くなっていくこともたくさん経験しています。

こんな話もあります。1980年代に香港では拒食症というのはほとんどなく、極めて珍しい病気でした。拒食症だとしても太ることへの恐怖ではなかったといいます。しかし、欧米の考えが流入し、マスコミなどで広くその考えが広まると、肥満への恐怖を訴える拒食症患者が非常に増えたというのです。拒食症は精神的な葛藤などを表現する一つの手段です。心因性の病気はその時代に理解されている精神的苦痛に関する病気に無意識の内に当てはまろうとするのではないか?その人が症状を出すときに、その時代によくある症状の引き出しの中から無意識に選ぶのではないか?心の中のうまく言葉にできない感情や心の葛藤をその時代に認識されている症状や行動に置き換えているのではないか?心因性の症状を出すときに、ワクチンの副作用としての症候群が、言葉は悪いかもしれないが「使い勝手のいい病気」になっているのではないか?そう考えておかしいでしょうか?あながち考える方向性は間違っていないと思います。

親であれば、自分の子供が痛みを訴えていたり、けいれんを起こしたりしていれば、早く助けてあげたいと思うのが普通でしょう。ゴールは子どもの症状を治して、元の元気な姿に戻してあげることだと思います。しかし、原因ばかりに目を向けて、仮説だけで悪者を決めつけて戦う姿勢を示しても、症状が良くなるわけではありません。

原因がわからない中、先ほどの動画の中で、痛みを抑えるための刺激電極を埋め込んだ子が映っていましたが、それをやった医師が本当に患者さんに真摯に向き合っているのか疑問です。心因性の痛みでは刺激電極は入れません。しかも10代の子供に電極を埋め込むなんて…。その医師は心因性だというのを排除できたのでしょうか?

子供に精神的な症状が出た場合、親は自分の育て方が間違っていたんではないかと考えるでしょう。また、周りもそのような目で見ると思います。しかし、その原因がワクチンだったら内心親の気持ちはとても軽くなります。自分に非があったのではなく、ワクチンが悪かったのですから。そのような心理的な作用が問題を複雑にしていると思います。

動画に映っている子全てが「転換性障害」だとは思いませんし、ワクチンが原因で副作用を訴えている人もいると思います。しかし、人は誰しもそんなに心が強くはありません。大人であっても。まして子供ならなおさらです。意識していないストレスで体に異常が起きることも珍しいことではありません。先ほど書いたようにゴールは元の元気な姿に戻ることです。「心因性」という言葉に過剰に反応するのではなく、そういうことももしかしたら考えられるのではと思うとまた違った状況になるかもしれません。

通常の親は子供を信じていますから、こんなことはしないかもしれませんが、一度子供をひとり家に残して、長時間留守にしてみて、その時の家の中の様子をカメラで撮影してみてください。もしかしたら、あれだけ頻繁に起きていたけいれんは起きないかもしれません。手が硬直したら不意にこちょばしてみてください。力が抜けるかもしれません。

そこまではしなくとも、現在の症状を「転換性障害」の症状と比べてみてください。ほとんどの人が当てはまると思います。ワクチン接種による副作用の症候群に当てはめてみて、なるほどそっくりだというのは当たり前です。副作用と言われる症状を集めて作ったものだから、当てはまります。もう少し冷静にその子の症状を見てみてください。それと本当のけいれんの発作の動画を比べてみてください。また、偽けいれんの動画と比べてみて下さい。または偽けいれんの特徴と比べてみてください。ゴールに近づくのは戦うことではないと思います。

親は否定したい気持ちになりますが、子供は親の知らないところで心の闇を持っている場合があると思います。親は一生懸命子供に向き合っていたつもりでも、子供はさみしさを感じている場合もあります。そのようなことが原因の一つになっている場合、家族全員がその子をかわいそうだと思い、その子に注目が集まると、逆に症状が長期化してしまうこともあります。どんな形であれ自分に注目が集まることがその子にとっての報酬となる場合があるからです。

苦しい時に何か光が見えるとパッと飛びつきたくなる気持ちはわかります。このように苦しんでいる子供を見たとき、それがワクチンの副作用だと言われれば、「間違いない」と思いたいのも理解できます。でも、苦しい時に心の隙間に入ってくる宗教を妄信する状態とよく似ています。とにかく冷静になることが必要です。まだ、わからないことがいっぱいあるのですから。

今の時代本当に真実が見えなくなっています。情報はあふれていますが、正しい情報かどうかは見分けがつきにくくなっています。何度も言っているようにお金の流れによって情報が変えられている可能性もあります。難しい時代です。

2 thoughts on “子宮頸がんワクチンの副作用の考察

  1. 心因性という、社会的に否定的に個人が適当に責められる物に、結局、決めつけてしまっていると思います
    それは恐ろしい物。
    自分はギランバレー症候群の可能性を
    (世間で考えられているかは自分は分からないのですが)、
    排除すべきではないと思います

    1. 自分は面接に行ける立場の無い中卒ニートの24に成った者ですがさん、コメントありがとうございます。
      ギランバレー症候群を排除は全くしていませんが、ほとんどの人は明らかに症状が違います。
      中にはギランバレー症候群の人もいて、その方たちはギランバレー症候群と診断されていると思います。
      私は心因性と決めつけてもいません。しかし、患者さん側の方が心因性ではない、と決めつけている人も多くいるのも
      事実ではないでしょうか?

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